WordPressで作ったWebサイトを柔軟にカスタマイズしよう

WordPressの人気の秘密

W3Techsの調査によると、現在、Webサイトの実に3分の1以上にWordPressが使用されているといいます。なぜWordPressはそれほど人気なのでしょうか。

WordPressは当初、ブログソフトとして出発しました。現在も、もちろんブログを書くために利用するユーザーは大勢います。ですが、バージョン1.5からコンテンツ管理システムとしての機能を充実させたことが、重要な契機となりました。

コンテンツ(文章や画像)だけを作っても、ウェブで情報を発信することはできません。HTML、CSSを記述してWebページを制作する必要があるからです。数ページのWebサイトを作るだけであれば、それもいいでしょう。しかし、ページ数が多くなっていくと、作業の負担が大きくなります。発信したい情報が追加されると、そのたびにHTML、CSSを記述することになるのです。

ところが、コンテンツ管理システムを利用すると、そのような手間が省けます。HTML、CSSの知識がないひとでも、管理画面からコンテンツをアップロードするだけで、すぐに公開できるようになりました。

この便利なコンテンツ管理システムは、WordPress以外にもたくさんあります。しかし、WordPressはオープンソースのソフトウェアで、誰でも開発に参加できます。そして、誰でも無料で利用できます。そのあたりに人気の秘密があるようです。

ユーザーが多いと、それだけ利点が生まれます。何かWordPressの疑問にぶつかっても、コミュニティで誰かに質問したり、ネットで検索したりすれば、解決策がすぐにわかります。開発コミュニティが活発で、WordPressを便利に利用するためのプログラムを開発しているひとが多数います。そういった開発者によって、Webサイトの外観(デザイン)を変更するための「テーマ」や、WordPressの機能を拡張する「プラグイン」が豊富に配布されています。WordPress本体の開発も活発なので、使い続けることの安心感があります。

柔軟にカスタマイズできるが……

さて、WordPressは柔軟にデザイン変更や機能拡張ができるので、あまりお金をかけずに本格的なWebサイトを実現することができます。企業サイト、情報サイト、コミュニティサイトなどなど。実際に様々なタイプのWebサイトが作られています。

とはいえ、WordPressでサイトを作り込もうとすると、数々の要望が生じます。投稿記事に投稿者のプロフィールを表示したい、アイキャッチ画像を表示したい、サイトのタイトルをヘッダーに表示したい、パンくずリストを表示したい、独自の投稿タイプを作りたい……。いずれもWordPressでできることですが、あくまで「できる」というだけであって、初心者にとっては「簡単」ではないことでしょう。

また、管理画面から設定を変更するだけの操作から、プラグインを活用するもの、PHPでプログラミングが必要になるものなど、解決方法も目的によって様々です。知識がないと、どこから手をつけてよいか途方にくれてしまうかもしれません。

WordPressのカスタマイズ例
WordPressのカスタマイズ例

知りたいことがすぐわかる

このたびの新刊WordPressデザインレシピ集では、WordPressで実践的によく使われるテクニックを、わかりやすく整理しました。WordPressの複雑なしくみを理解し、思い通りにデザインを変更したり、使いこなしたりすることに役立つでしょう。目的別に引くことができるので、いま現在必要なことを、すぐに知ることができます。