世界的に高まる健康意識と日本の課題
医学・情報科学の目覚ましい発展によって、現在、世界的に長寿化と高齢化が進んでいます。その反面、増加する医療費や医療スタッフの不足、医療レベルの地域格差などによる課題が数多く報告されるようになりました。日本も例外ではなく、40年後には人口の60%以上が65歳以上の高齢者となるだろうと試算されています。これに伴い、医療費も今後20年で現在の2倍以上に増えると予測されており、早い段階での対策が求められています。
問題解決のカギは「AI」
これらの課題を解決しうるものとして注目を浴びているのが「AI」です。AIは機械学習による高性能化が実現したことで、今や多種多様な職種及び業界で活用されはじめています。それは医療分野でも例外ではありません。たとえば、画像から癌を検出するAIは医師よりも格段に速く正確な判定を既に達成しており、急速に進化を続けています。
AIのメリットとは?
AIを利用するメリットとして「処理速度の速さ」と「複数の場所で同時に利用できる」点が挙げられます。患者のデータ処理や検査結果の判定を自動ですばやく正確に行うことできれば、結果として人手不足にあえぐ医療スタッフの負担を低減し、ひとりひとりの患者を丁寧に診ることができるようになるでしょう。
さらに、質の高いAIを全国各地で利用することで、利用者が住んでいる場所にかかわらず高いレベルの医療を受けることができるようになります。これまでは専門の医師にかかるために遠距離まで通う必要があった患者も、最寄りの病院で最先端の技術と知識に基づいた治療を受けられるようになるかもしれません。
また、医療スタッフだけでなく我々の日々の生活にもAIが活用されるようになりました。日々の睡眠を支える、要介護者の見守りを行う、珍しいところではペット型ロボットとして人の心を癒すなど、もはやAIを活用することが健康な生活を送るうえで重要な意味を持つようになってきたと言ってもよいでしょう。
最新情報から未来予測まで!
本書では、AIの活用例やしくみ、未来の医療形態の可能性について
- 遺伝子から「かかりやすい病気」を知る
- 発症前に病気を見つける
- 病院の待ち時間をゼロにする
- 自宅にいながら治療を受ける
- 埋め込み機器で健康をチェックする
- 介護の手間を激減させる
- 自分専用のサプリメントをつくる
など、「検査」「手術」「介護」などの7テーマに分けて紹介しています。
最新の研究データから実用化された商品まで幅広い事例を扱っているため、「今はまだ当事者ではないが将来が不安」といった人にも「とりあえず今すぐできること、やってもらえることが知りたい」といった人にも強くおすすめできる1冊と言えるでしょう。
さらに、これらを改善・実現させることで、毎日をよりよく過ごせるだけでなく、新たなビジネスチャンスにつなげることもできるかもしれません。
本書「60分でわかる! AI医療&ヘルスケア 最前線」をきっかけに、日々の生活からより強く「健康」を意識してみてはいかがでしょうか。