現在、多くの映画やゲーム、テレビ番組、CMなどでは非常に鮮やかなCGを見ることができます。それらを支えているのが、3DCGの技術です。それだけでなく、3DCGは、VRや3Dプリンタなどにも活用されており、その技術は日々進歩しています。
そんな3DCGを制作する環境にはさまざまなものがありますが、国内外でもっとも利用されているソフトがMayaです。
3DCGの制作過程では、モデリング、シェーディング、リギング、アニメーション、エフェクト、ライティング、レンダリング……と、非常に多くの工程をふんで、ひとつの作品を作っていきます。Mayaは、これらの工程をひとつのソフトで行うことができる統合型ソフトです。もちろん、場合によっては、他のソフトとデータをまたいで作業することも可能です。
3DCG制作の現場で働いてみたい、3DCG制作の能力を仕事に活かしたい、と思っている人にとっては、Mayaの操作を習得することは非常に重要でしょう。ですが、説明した通り、Mayaは多くのことができるソフトのため、どこから勉強してよいかわからなくなる人も多いと思います。
そこで、本書「作って覚える Mayaモデリングの一番わかりやすい本」では、Mayaでの3DCG制作の入り口であり基礎である「モデリング」の操作に絞って、丁寧に基本操作を解説しました。
本の中では、遊園地の遊具などが配置された背景のモデルと、小さな女の子のモデルを作成します。背景のモデルの作成で、まずはMayaの基本的なモデリング操作に慣れ、それを応用してより複雑な女の子のモデリングを行っていきます。ここまで理解することで、
さらに、女の子のモデルには、テクスチャを適用して服装や肌などの質感を豊かに表現します。この作業を通して、人物のモデルがより生き生きとして見えるようになります。
この2種類の作例モデルを作っていくことで、Mayaでの3DCG制作の基礎が身に付くことでしょう。
3DCGでのモデリングは、前後・上下・左右から見てバランスよく形を整えていくことが重要ですが、これまで2Dのグラフィックソフトだけを扱ってきた人にとっては、3Dの空間の把握自体が慣れずに苦労することもあるかと思います。また、人物の髪の毛や顔、服装などの細かい作り込みは、同じ操作を何度も地道に繰り返す必要も出てきます。本書では、そういった点をわかりやすく解説するために、重複している操作でもできるだけ解説を省かず、また、操作の参考になるように、画像を多く掲載しています。
モデリングまでの操作に慣れたら、今後は更にアニメーションなどの発展的な操作にトライしていけるでしょう。ゲーム業界や映像制作業界で働きたい、と思っている人や、3DCG制作の技術を身につけたいと思っている人は、ぜひまずはこの本で、Mayaでの3DCG制作の入り口を体験してみてください。