原因となる「落とし穴」を見つけよう
悩みや不安をため込みすぎて、仕事がうまくいかなくなったことはありませんか?
- 「思うように成果を出せない」
- 「仕事をスムーズに進められない」
- 「なんかモヤモヤする」
このような悩みにとらわれると、どんどん仕事がこじれてしまいます。知らない間にさまざまな落とし穴にハマってしまったことで、成果を出すのは難しくなり、ストレスもたまります。
では、悩みを深刻にする落とし穴にはどんなものがあるのでしょうか。落とし穴を事前に知っておくことで、それを回避したり、抜け出したりする方法がわかり、こじらせ仕事にうまく対処できます。今よりも仕事に自身をもつことができ、成果を出せるようになります。
落とし穴:関係者に振り回される
「職場の人間関係で悩んだ経験はない」と言う人はほとんどいないのではないでしょうか。上司や同僚、顧客など、接する相手は人それぞれですが、すべての仕事を1人でやることはほとんどありません。そのままにしておくと、深刻なストレスになってしまいます。
ここでは、そのような状況を未然に防ぐための対処法をいくつか紹介します。
解決法1:対立の原因を見つける
相手と意見が対立してしまう原因は「利害」「認知」「感情」の3つに分けられます。適切な対処法がとれるように、まずは対立の原因がどこにあるのかを見極めましょう。
| 原因 | 対立の例 |
利害の対立 | 立場、役割の違いなどから生じる対立 | 受注を増やす営業部門と生産量をコントロールしたい製造部門 |
認知の対立 | 経験や考え方、情報の差、習慣や風習などの背景の違いから生じる対立 | エクセルのマクロを使うか使わないか |
感情の対立 | 相手に対するわだかまりの感情から生じる対立 | 過去からのやり取りで不信感が生じて感情的な対立に発展 |
利害と認知の対立は、方針や考え方をめぐって起こります。そのため、「相手がどう思っているのか」を想像し、お互いの妥協点を探ることで解決できます。しかし、感情の対立は相手に対する「気持ち」によって起こるものです。そのため、感情の対立に発展する前に、相手の話に耳を傾け、対立してしまう原因を突き止めることが重要です。
解決法2:対立を「悪」と考えない
そもそも、相手とぶつかり合うことは避けるべきなのでしょうか? 自分と他人とでは、立場や関心事が違うため、意見の対立は必ず起こります。だからこそ、対立を避けようとするのではなく、お互いの意見を正直に出し合い、対立の観点を「人」ではなく「もの」へ向けるようにしましょう。そして、「意見が一致しているところはどこなのか」という共通の目的を確認することで、お互いに納得できる結論を導きます。
解決法3:感情の対立は割り切るのも手
「こうしたほうがいい」とわかっていながら、うまく対応できないこともあります。関係がこじれて感情の対立が起こってしまうと、完全な解決は難しくなります。その場合、次のような割り切った対応も検討すべきです。
- 相手を何か別のものにたとえてみる
- あいさつやお礼で相手に感謝の意を伝える
- 「いいとこさがし」をする
これらはけっして、根本的な対策ではありません。しかし、相手を動物だと思って接したり、距離は置いてもあいさつだけはすると決めたり、相手にもいいところがあるという感情を補強するよう努力するほうが、悩みを長引かせないでしょう。
「自分自身の仕事をしやすい環境を作り出す」ためだと思って、したたかになることも、時には必要です。「自分が折れればなんとかなる」とストレスをため込むのではなく、双方にとってプラスになるように協調しながら、自分だけが悪者にならないように立ち回る術を考えておきましょう。
スムーズに仕事を進め、ラクに成果を出すには
『こじらせ仕事のトリセツ』では、上記の例を含めた15の落とし穴とその対処法を紹介します。本書は、あるプロジェクトが定める目標を設計し、それを達成するための計画を立て、実行するという「プロジェクトマネジメント」の技術をもとに解説しています。これを個人の業務の例に細分化し、進捗管理やコミュニケーションといった、仕事を効率的に進める方法へと昇華させました。
本書を読むことで、「もうダメだ」と思っていたこじらせ仕事も、「なんとかできるかも」と思えるようになるはずです。ぜひ、手に取ってみてください!