「古着転売」マーケティングを学ぼう

同じ古着なのに、売れる人と売れない人がいる

「転売」と聞くとどんなイメージがあるでしょうか?

  • 発売したばかりのゲーム機や家電製品が買い占められる
  • 人気イベントのチケットが買い集められて、それを元値の何倍もの値段で売り抜けている人がいる
  • そうした人たちは「転売ヤー」と呼ばれてネットを中心にたたかれている

おそらくあまりいいイメージはお持ちではないと思います。しかし、ゲームやチケットの転売とは一風、いえ、かなり異なる転売もあります。それが中古のアパレルを扱う、古着転売です。

転売で扱われる商材には、家電製品、おもちゃ、古本、CD、DVD、ゲーム、キッチン用品などがあります。これらの商材にはすべてバーコードがあります。そしてバーコードをバーコードリーダーを使って読み取れば、その商品がどれくらいの値段なら売れるのか、インターネット上でチェックすることができます。バーコードリーダーで商品の情報を読み取り、利益が出る商品が見つかると転売ヤーがいっせいに飛びつくので「在庫切れ」が起きやすくなります。⁠在庫切れ」になれば元値よりかなり高額な値段設定でも手を出す人が現れ、ますます転売ヤーに人気となり、その商品を本当に手にしたい人になかなか回ってこない構図となってしまいます。

一方で、古着にはバーコードがありません。バーコードリーダーを使っていくらなら売れるのか、ネットで機械的に教えてもらうことができません。つまり、⁠この古着がいくらで売れるのか?」がわかる人とわからない人に分かれます。同じ古着を売っても、Aさんはいつも高く売れているのに、Bさんは値下げしても全然売れないという事態が起こります。

古着転売は、⁠どうやったらモノが売れるのか」という本質的なビジネスのスキルが問われます。ファッションが好きとかファッションに詳しいことはアドバンテージにはなりますが、十分条件にはなりません。必須なのはモノを売るためのマーケティングスキルです。

「古着転売」だけで毎月10万円—メルカリでできる最強の副業の著者・しーなさんは、古着転売はマーケティングスキルを身につけるのに打ってつけのビジネスと説きます。その理由をざっと挙げると以下のようになります。

  • 元手を抑えて始められる。ビジネスモデルがとてもシンプル
  • メルカリをはじめとするフリマアプリを利用する人が増えており、マーケティングを学ぶことで彼らに古着を買ってもらえる
  • 同業者や競争相手が少なく、もし強力なライバルが現れたとしても工夫次第で新たな市場を作ることができる

古着転売は「三方よし」

そういわれても、やっぱり「転売には抵抗がある」⁠転売は悪いことじゃないのか」と思われる方もいるでしょう。最後に、著者・しーなさんの考え方をご紹介します。

古着転売は、これらの転売とは根底から考え方が異なります。価値がないと思われているものに価値を見出すビジネスだからです。リサイクルショップやフリマで安く売られている古着。そのお店では、その場所では需要がないのかもしれません。でもその古着は、ネットを通じて全国の人に見てもらえば、きっと欲しがる人が見つかります。僕が古着転売を宝探しにたとえるのはまさにこれが理由で、ある人からすれば喉から手が出るようなお宝なのにもかかわらず、誰もその価値に気がついていないから僕らが代わりに発掘しているのです。

ある商品を買い占めて品薄の状況を作り出し、恣意的に値段をつり上げるわけでもなく、古着転売のせいで誰かが損をしたり悲しんだりするわけでもない。⁠お店側は売上があがって嬉しい」⁠古着を買うお客様は探す手間が省けて嬉しい」⁠古着転売ヤーの僕たちは稼げて嬉しい⁠⁠。古着転売は、売り手も買い手も世間も喜ぶ、まさに「三方よし」のビジネスなのです。