現状を把握する
皆さんはSEOと聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか?
一般的にSEOと言えば、検索クエリによるページの最適化やキーワードを含んだコンテンツの大量作成などを思い浮かべてしまうかもしれません。
これらの手法はインターネット上にコンテンツがまだ少ない10年以上前の時代であれば通用したかもしれませんが、手法自体は誰でも取り組むことができるくらいに一般的に知られるようになり、現在では労力に見合うほどの成果は期待できなくなっています。
SEOには様々な施策がありますが、すべての施策が必ずしも自身のビジネスの成果に結びつくとは限りません。自身のビジネスのタイプを把握し、適切なプロモーションを選択することで、無駄なコストを抑えることができます。
簡単ですが、現状を把握するために行うべきことを挙げてみましょう。
- 市場の分析
- ターゲット層の分析
- ユーザーニーズの分析
- 競合との差別化ポイントの分析
こうした分析をもとに、自身のビジネスの特徴を理解し、それぞれに適した施策を選択していくことが、遠回りのようでいて、成果を出すための近道となります。
セールスファネルを定義する
ビジネスの特徴を把握し、実際の施策を考えていくなかで、潜在顧客層のマッピングに使える方法論の一つに、セールスファネルがあります。
セールスファネルとは、消費者が購入などの目標に至るまでの意識の変化を複数の段階に分けて漏斗(ファネル)に例えて示したものです。ファネルの各段階を改善していくことで目標達成数や金額を増やしていくことができます。
図1 セールスファネルの例
図のファネルは、消費者が商品に関心を持ち、情報の収集と検討を経て購入に至るまで(場合によってはそこからリピート購入までも含む)を示しています。上層から下層に変化するほど、対象の消費者の数が絞り込まれます。
担当するビジネスに適したファネルを定義し、ファネルに実績値を記入して毎月管理することで、目標に至るまでの課題を把握し、改善につなげていくことができます。
SEOで成果を出すために
SEOの成果は、順位やPVのみでは判断できません。特定のクエリで順位が1位となったとしても、そもそも誰にも検索されないクエリであったり、検索流入が増えても売り上げや問い合わせなどの直接的な成果に一切つながらないこともあります。
現在のSEOは個人で行うには限界があります。継続的に効率的に運用していくには、関連する様々な部門と連携を取りながら進めていかなくてはなりません。そういった意味では、SEOはマーケティングの一部ではなく事業そのものともいえます。
SEOはセールスファネルのすべての段階で必要とされる施策です。ビジネスや市場、ターゲット層によって、これらの施策を組み合わせた戦略的な取り組みを行うことで、ブランド価値を高めてビジネス全体を発展させていくことができるのです。