なぜ就学前にプログラミングを学ばせるの?
2020年度から小学校「プログラミング教育」が必修化され、早2年が経ちました。プログラミング教育に関しては、中学校・高校でも以下のように実施されており、小学校〜高校を通じて、プログラミングを学ぶ体制となりました。
注: 2022年度から実施されている高校情報科「情報Ⅱ」(選択教科)は省略
さらに近年、算数・国語・英語などを小学生になる前に学びはじめるように、プログラミングを就学前に学ぶスクールや教具が普及しています。プログラミングを就学前からはじめると、どんないいことがあるのでしょうか?
早い時期にプログラミングを学ぶ利点の1つは、算数や国語など、主要な教科を学ぶときに必要となる基礎的な力を養えることです。たとえば、プログラミングする中で「物事を順序だてたり筋道をたてたりすること」を自然とおこないますが、小学校1年生の算数でも「なんばんめ」というふうに数で順序や位置を表すことを学びますね。このように、就学前にプログラミングを学ぶことと、小学校教育上のさまざまな学習の基礎は結びついているのです。
5歳でもプログラミングできる「ScratchJr(スクラッチジュニア)」
それでは就学前のお子様が扱えるプログラミング教材は、具体的にどのようなものがあるでしょうか。ここでは本書内で取り扱っている入門用のプログラミング言語「ScratchJr」を取りあげます。
プログラミング言語といっても、難しい英語や数字などの入力は必要ありません。プログラミングができるタブレット用の無料アプリで、アプリ内のブロックを組み立てることでプログラミングできます。
よく似た教育用のプログラミング言語として「Scratch(スクラッチ)」も有名ですが、ScratchJrはより小さな(5~7歳)子ども向けに開発されており、以下のようにはじめてプログラミングを経験するお子様に最適です。
- より直感的にわかりやすいビジュアルである
- ブロックの数を絞り、扱いやすくしている
ScratchJrは実際に教育現場でも活用されており、画面中に置いたキャラクターをプログラミングで動かすことで、動く絵本や物語を作ったり、ゲームを作ったりすることができます。
図 ScratchJr
ゲーム作りだけじゃないプログラミング教育
お子様がプログラミングをする動機付けとして「ゲーム作り」が挙げられます。ただし、実社会でプログラミングする場合、
「業務を効率化したいからプログラミングする」
「日常の生活の不便を解消するアプリを作って販売する」
など、なにかしら問題を解決したいときが大半ではないでしょうか。
そこで、本書『5さいからのプログラミングえほん』ではプログラミングの根っこにある「問題解決」を大事にしています。「空を飛べないニワトリのために果物を採る」など、物語に登場するキャラクターのお悩みを解決するためにプログラミングをする構成になっています。
就学前後のお子様でも1人で読み切れるように総ルビ。はじめてプログラミングに触れるお子様が、楽しく体験できる1冊です!