皆さんは、普段の業務でメールのやり取りにどのくらいの時間をかけているでしょうか? 30分? 1時間? それとも、「まとまった時間を使っているわけではないので、よくわからない」でしょうか? メールの仕事は、出社した時、仕事の手がちょっと空いた時、疲れてきた時、飽きてきた時など、ちょっとした「スキマ時間」に行っていることが多いかもしれません。それでは、その合計はいったいどのくらいになるのでしょうか?
とあるリサーチによると、社会人がメールに割く時間は、1日平均2時間程度とされているようです。皆さんの1日の労働時間がどのくらいかわかりませんが、仮に8時間とすると、実に1日の仕事時間の4分の1が、メールの仕事に使われていることになります。これって、けっこう驚きではないでしょうか? メールの仕事にこれだけの時間が取られているにも関わらず、メール仕事の効率化というのは、これまであまり議論されてきませんでした。これは、Excelや会議、資料作成といったまとまった時間を必要とする業務に比べ、メールというものが散発的な、細かい労働の積み重ねによるもののため、「気づかれなかった」のかもしれません。
それでは、1日の4分の1もの時間を占めるメール業務に対して、どのような効率化が可能なのでしょうか? メール業務というのは、基本的に
- メールを読む
- メールを書く
- メールを整理する
の3つのアクションに分けることができます。そして、これらのそれぞれについて、操作をすばやく、簡潔に行い、無駄な繰り返し作業を減らすための機能が、Outlookにはそもそもの始めから備わっているのです。なにも必死になってメールを書く、速読術のごとくメールを読む、ひたすら整理に努力を傾けるといった根性任せの方法ではなく、Outlookが提供してくれている機能を、上手に使いこなせば、自ずとメール業務にかかる時間は減っていくはずなのです。
例えば皆さんは、Outlookの次のような機能をご存知でしょうか?
- 分類
- 自動仕分け
- 検索フォルダー
- 条件付き書式
- クイックパーツ
このうちの2つ以上を「知らない」と答えた方は、ほぼまちがいなく、メール業務に無駄な時間をかけています。それは逆に考えると、「あなたのメール業務はもっと効率化できる」ということを意味しているのです。
また、Outlookのこうした機能を使いこなす上で、重要な考え方が1つあります。それは、「インボックス・ゼロ(受信トレイ・ゼロ)」という考え方です。インボックス・ゼロの考え方では、受信したメールは1日に数回、集中して処理することが推奨されています。反対に、それ以外の時間にメールに関わることはしません。また、仕事が完了したタイミングで受信トレイからメールを削除することで、受信トレイの中を極力ゼロの状態に保つことが推奨されています。
これにより、メールにまつわる無駄な考えや作業(例えばメールを確認するために別の仕事を中断しなければならない、膨大なメールの中から、必要なメールを探さなければならない、など)が不要になり、結果、メール業務の効率化が実現できるのです。
ここでお薦めする書籍『Outlookビジネスメール効率化&自動化の教科書』では、こうしたインボックス・ゼロの考え方を基本として、Outlookの効率化機能を駆使する方法をご紹介していきます。そして、本書ではさらにもう1つ、Outlook VBAによる「メール業務の自動化」についての解説も行っています。効率化の次は自動化を行い、日々の単純作業を極限まで短縮し、残業「ゼロ」を目指してみてはいかがでしょうか?