応用以上の試験は今回も平和でした
昨今の情報処理試験界隈は、基本情報処理技術者と情報セキュリティマネジメントの制度変更の話題でもちきりです。
2023年4月以降、ITパスポート試験のように通年でCBT受験できるようになることや、「午前/午後」に分かれていた試験が「科目A/科目B」という呼び名に変わって、問題数や試験時間が全体的にコンパクト化します。さらには、自宅で試験を受けることができるIBT方式の実証試験を行うなど、話題がつきません。
これらの動きと比べると、応用情報技術者試験やそれ以上の高度試験は無風です。おそらく、いまは基本情報とセキュマネの改定で手一杯なのでしょう。特にこの数年は新傾向の問題がほとんど見受けられません。
しかし、基本情報とセキュマネの試験制度変更が一段落すれば、もしかしたら怒涛の変化が訪れることになるかもしれません。
そう! この1〜2年はこれまでのノウハウで高度系試験に合格する大チャンスなのです!
シラバスや傾向は変わらないが内容は変わる
簡単にチャンスと言いましたが、相手は高度系の試験です。そもそもの難易度が高いので準備は必要です。また、無風といっても変化はあります。特にネットワークスペシャリストの午後試験では、システムの導入や移行を扱う問題が定番となっているのですが、表1に示すようにその中で取り上げられるテーマは出題年ごとに時流に沿ってアップデートされてきています。このため、新しい知識のインプットは必要です。
表1 年度ごとのテーマ
出題年 |
内容 |
平成18年 |
VoIPを使った自動応答システムの構築 |
平成21年 |
負荷分散装置の導入 |
平成23年 |
監視サービスの導入 |
平成25年 |
オフィスへの無線LAN導入 |
平成29年 |
クラウドサービスとの接続 |
平成30年 |
SDN(OpenFlow)の導入 |
令和3年 |
クラウド上の仮想サーバの統合 |
令和4年 |
テレワーク環境の導入 |
とはいえ、古い問題を解くことが無意味かというとそうではありません。特にネットワークスペシャリストの古い問題は、技術の本質を突いた良問が多く、現代の応用力を問われる問題に挑むための、基本的な考え方や知識を得るためにも非常に有益です。
次に応用や高度系の試験が実施されるのは来年の4月です。いまから粛々と勉強を進めていきましょう。