17年ぶりの利上げで日本経済はどう動く? 〜金利の基本から最新動向まで〜

金利と聞いて、そのことばの意味やしくみをすぐに説明できるでしょうか?

住宅ローンや預金、投資など、私たちの暮らしのあらゆる場面に関わっているにもかかわらず、⁠なんとなく知っている」程度で終わっている方も多いのではないでしょうか。

そんな日常生活でも耳にする「金利」というキーワードを、初心者の方にもわかりやすく解説した60分でわかる︕ 金利 超入門が2月25日に発売します。

難しい数式や専門用語を使っていないから安心して読み進めることができ、生活や仕事に直結する実用的な知識を、たったの60分で身につけられます。

今後の「金利のある時代」に備え、金利を知り、活かす力を手に入れましょう!

金利を理解することは経済を理解する第一歩になる

金利は、日常生活や経済活動の中で頻繁に目にする言葉ですが、その本質を正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。金利とは一体何で、私たちの生活や経済にどのような影響を与えるのでしょうか。ここでは金利に関する基本のきをご紹介します。

金利とは何か

金利とは、簡単に言うとお金を借りたり、預けたりする際の対価の割合を示すもののことです。

たとえば銀行は誰かにお金を貸し出し、他の誰かに預金という金融商品を提供しています。そして、借りた人が支払う利息の一部が預けた人への利息として還元されます。

また、住宅ローンのようにお金を借りた場合には、元金に利息を上乗せして返済します。この利息を決める基準が金利で、その割合は「%」で表示されます。

生活のなかで関わるさまざまな金利

金利は私たちの生活に深く関係しています。その役割や仕組みを理解することで、資産運用や生活設計をより良いものにできます。身の回りにあるさまざまな金利の一部を見ていきましょう。

1. 銀行の預金金利

銀行にお金を預けた場合に受け取る金利。

普通預金は一般的に非常に低いですが、定期預金は期間が長いほど高い金利が適用されることがあります。

2. 住宅ローンなどの借入金利

銀行などの金融機関にお金を借りる時にかかる金利。

住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなど、借入目的に応じたさまざまな金利が設定されています。借入金利は借り手にとって負担となりますが、金融機関にとっては貸出金利であり、重要な収益源です。

借入金利が少し変化するだけでも返済額に大きな影響を与えるため、慎重に選ぶことが大切です。

3. 政策金利

中央銀行が景気をコントロールするために設定する基準金利で、経済全体の金利水準を左右する。

たとえば、政策金利を引き下げると預金金利や貸出金利も低下し、景気刺激につながることもあります。

4. 国債などの債券の金利

国や地方自治体、企業などが資金を借りるために発行する債券を購入すると、お金を貸した見返りとして利子を受け取れる。

国債は国が発行する債券で、その金利は国の信用力や財政状況を反映します。投資家にとって投資判断の指標となるだけでなく、住宅ローン金利などにも影響を与える重要な存在です。

これら以外にも本書では様々な金利を詳しく解説しています。

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(本書27pより)

金利が経済に与える影響

金利は、私たちの生活だけでなく、経済全体にとっても重要な役割を果たしており、経済の温度計といわれます。たとえば、以下のような関係性があります。

景気と金利

一般に、景気が良くなると企業の投資や個人の消費が活発になり、インフレ圧力が高まるため、中央銀行は政策金利を引き上げることが多くなります。逆に、景気が悪化すると経済を刺激するために金利が引き下げられる傾向があります。私たちは日常的に金利を意識する機会が少なくても、住宅ローンの金利や預金の利息、クレジットカードの金利などを通じて、その影響を受けています。

金利の動向に注目することは、より賢い選択をする大切なステップになります。

物価と金利

金利の動きが物価に影響を与えるだけでなく、物価の変動が金融政策を左右することもあります。物価と金利のバランスが崩れると経済に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、中央銀行(日本では日本銀行)は適切に金利を調整しながら物価の安定を図ります。しかしながらバブル崩壊後の日本のようにそのバランスをとることは容易なことではありません。

為替相場と金利

一般的に金利が高い国の通貨は、短期的には価値が上昇する「通貨高」になりやすく、反対に金利が低い場合には通貨の魅力が低下し、⁠通貨安」につながりやすくなります。

為替と金利を理解すると経済の変化がより見えてくるようになります。

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(本書97pより)

本書の特長

『60分でわかる︕ 金利 超入門』は、金利の本質を短時間で理解し、実生活に役立てられるような工夫をしています。その特長を3つの観点からご紹介します。

  1. 難しい話は一切なし!金利の「?」を解消します
    金利にまつわる基本的な用語や仕組みを、身近な例やイラストを交えて解説しています。難しい数式や専門用語も登場しないので、入門書として安心して読み進めることができます。
  2. 忙しい人の味方!スキマ時間で学べるコンパクト設計
    これまで見てきたような「金利の基本のき」から「単利」「複利」の違い、ニュースに出てくる「金利」にまつわる用語解説まで読み切りしやすい章構成になっています。
    仕事や家事の合間、通勤・通学時間にも手軽に学べるよう、コンパクトに情報を凝縮しているので、用途に合わせた使い方で「わかった!」と思える達成感を得られます。
  3. 学んだその日から使える!日常に役立つ具体例が満載
    本書では、金利がもたらす影響を日常生活に即した例で紹介しています。たとえば、住宅ローンの金利比較や、老後資産形成での複利効果の絶大な力など、学びをそのまま生活に結びつけることができるので日常にも役立つ情報が満載です。

見どころをピックアップ!

本書の中から、特に注目していただきたいテーマを一部ご紹介!

  • 「日本の金利」の現状を知る
    日本の金利水準の変遷や、世界の主要国との政策金利の比較から、金利が経済や生活にどのような影響を与えているのかをわかりやすく解説します。
    2024年3月、17年ぶりに日本銀行が実施した利上げにより確実に潮目の変わった「日本の金利」「今」がわかります。
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    (本書20,21pより)

  • 金利の知識を日常に活かすヒント
    住宅ローンや生命保険について、金利の知識が家計管理や資産運用にどのように役立つのかを解説しています。例えば、主に住宅ローン返済の際に選択を迫られる「変動金利」「固定金利」に対するそれぞれのメリット・デメリットや、金利上昇局面での判断材料を提供します。
    さらに、SNSを中心に増加する投資詐欺に引っかからないための5つの心得を掲載しているので、本書を読めば魅力的にみえる高利回り案件に対して冷静な判断ができるようになります。
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    (本書80,81pより)

  • 金利を操る司令塔「中央銀行」の役割
    日本銀行をはじめとする世界の中央銀行は、⁠発券銀行」⁠政府の銀行」⁠銀行の銀行」という3つの柱から、金融政策を通じて物価の安定、雇用の確保、そして経済成長を支えるという責務を負っています。
    日本の中央銀行である日本銀行も、政策金利の調整などを以て物価の安定を図り、経済の安定と成長を支えています。
    本書では、バブル崩壊後の金融政策の変遷をたどりながら、バブル以前の伝統的な金融政策の限界と、それを補う形で導入された非伝統的な金融政策のそれぞれの意義についても詳しく解説します。
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    (本書134,135pより)

  • ニュースで耳にする金利に関する用語を解説
    ⁠マイナス金利」「イールドカーブ」など、ニュースで頻出する専門用語をやさしく解説します。本章を読めば経済ニュースを深読みできるようになります。
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    (本書142,143pより)

正しい知識が、あなたの選択を変える

金利は、経済や金融の世界だけでなく、私たちの日々の選択や将来の資産形成においても重要なテーマです。本書60分でわかる︕ 金利 超入門は、⁠低金利時代」に親しんできた世代にとって未経験の金利上昇局面に対応するために必要な「金利」に関する知識を60分で身につけることを目指した一冊です。

金利に関係ない人はいません。もう「なんとなく知っている」はやめませんか?