AIエージェントの開発環境では、新しいツールが次々に出る一方で、運用面の検証や制御の設計が重視されるようになりました。この変化には2つの側面があります。
1つは技術側です。
この2つは無関係ではありません。ハーネスエンジニアリングも、次々に流れてくる新しい情報の1つです。新しい概念やツールが現れるたびに反応するのではなく、その背景にある課題の方に目を向ける必要があります。
ハーネスエンジニアリングの必要性
この話題のきっかけとなったMitchell Hashimotoの記事では、AGENTS.のような指示ファイルが構成要素になります。トークン単価の低下でエージェントの常時稼働が現実的になり、タスクの長時間化や自律運用が求められる今、この考え方の必要性が増しています。
エージェントを使う側の設計は、フェーズによって分かれます。
しかし、この技術側の整備とは別に、エンジニア自身の側にも問題が起きています。
AI疲れと生産性のギャップ
ここでいう
デリバリー全体で見ると、コーディング速度のボトルネック解消が影響する領域は思ったより狭いものです。人間がコードを書いていたとき、コードの理解や設計意図は書く過程で自然に蓄積されていました。エージェントが書く場合、コードは生成されますが、その理解は残りません。コーディングが速くなった分、何をどう作るかの設計判断や、出力の検証・
「エージェントがアホになる」問題
ギャップにはもう1つの原因があります。コーディングエージェントをブラックボックスとして使っていることです。
中身を知らなければ、タスクごとの成果物でしか品質を判断できません。コンテキストの内部的な入れ替えで必要な情報が消えているのか、ツール選択のガイドが不足してツールが呼ばれていないのか、内部でエラーが起きているのにエージェントが黙って続行しているのか。個別のタスクでうまくいった、時短になったという成功体験はあっても、失敗したとき原因を特定する手段がありません。
「モデルが悪い」
作って学ぶAIエージェント
この状態を抜けるために、筆者はAIエージェントを小さく手で作ってみるアプローチを取っています。作ることで初めて答えが出る問いがあるからです。
コンテキストはどう管理され、いつ入れ替わるのか。ツール呼び出しはどう組み立てられ、どこで失敗しうるのか。エージェントはどの情報を見て次の行動を選んでいるのか。これらは、ドキュメントを読むだけでは腑に落ちません。数百行のコードを自分で書いて動かす方が、構造を把握できます。
それができると、前述のような、会話上には現れない内部エラーが存在すること自体を把握でき、何を心配すべきかの線引きができます。プロンプト設計、コンテキスト設計、ハーネスといったプラクティスも、分解して評価できるようになります。
この線引きができると、なぜ情報に振り回されるのかが見えてきます。AI周辺の情報が溢れるのは、1つの課題に対して解決策
この考え方を実践するための書籍として、
laiso(レイソー)
2008年、国内におけるiPhoneアプリ開発の黎明期にエンジニアとしてのキャリアをスタート。以来、複数の事業会社にてモバイルアプリからWebフロントエンド、サーバーサイドまで、プラットフォームを横断したプロダクトの設計・
長年にわたるブログでの発信活動を通じ、常に最新の技術トレンドを追いながら、開発プロセスの最適化に関する知見を継続的に公開。現在はLLMを活用したAIエージェント技術に注力し、AIと人間が協働する次世代の開発スタイルの探求と実践に力を注いでいる。
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