歯をもっと身近に! ビーバーといっしょに歯について学ぼう!

動物の歯と人間の歯の違い

常に新しい歯が生えてくるサメ、一生で5、6回生え変わるゾウや歯が伸び続けるビーバーなど、食性によって進化してきた結果でしょうか。虫歯などのように歯にダメージの多い人間が生涯1回しか生え変わらないことを考えるとうらやましい限りですが、食生活の変化(柔らかい食べ物や糖分の過剰摂取など)によって、周りの動物たちと比べると、本来備わっている歯の性質に悪影響を与える使い方をしているのかもしれません。

図1 動物の歯は食べる物によって異なる

歯を大切にしていますか?

歯は生きていくうえで、活動の原動力となる栄養をとるための「食べる⁠⁠、コミュニケーションに欠かせない「話す」ために重要な器官です。

1980年代半ばくらいまでの虫歯治療は、大きく削り金属などの詰め物をする、悪化した虫歯については抜歯して入れ歯にするという方法でした。歯科治療技術や口腔ケアの研究の進歩もあると思いますが、欧米では予防歯科が定着していて、小さいころから虫歯にならないように歯医者に通うなど、日頃のケアを大事にしています。

スポーツで言えば、今年はサッカーのワールドカップが開催され盛り上がりましたが、欧州サッカー界では、虫歯や歯周病が選手のパフォーマンスの低下や怪我に直結するという研究結果から、FCバルセロナのようなビッグクラブが「口腔ケア(オーラルケア)の義務化」をするなど歯科治療・予防が重視され、南米のクラブでは歯科治療を怠ると、出場停止などのペナルティがあるくらいです。日本のJリーグでも口腔ケアの導入がはじまっているそうです。

スポーツ選手だけではなく、歯の不調は肩こりや頭痛など私たちの日頃の身体的不調の原因にもつながる可能性があり、⁠虫歯になったから歯医者に行く」ではなく、⁠予防するために歯医者に行く」という意識に変えていく必要がありそうです。

図2 虫歯にならないように日頃のケアが大事

歯を健康に保つための取り組み「8020運動」

「8020(ハチマル・ニイマル)運動」は、厚生労働省と日本歯科医師会が提唱し、全国にひろがった口腔ケアの取り組みです。⁠80歳になっても20本以上、自分の歯を保とう」というのが主旨ですが、なぜ20本必要かというと、20本以上の歯があれば、食べ物をしっかりかみ砕くことができるため、消化を助け、栄養をきちんと取ることで体力低下(要介護リスク)を防ぐことにつながります。1989年にはじまったこの取り組みの初年度の達成者(80歳以上)は約9%でしたが、直近2024年の厚生労働省の公表データでの達成者(75歳以上85歳未満)は、61.5%となっています。調査対象年齢が一律ではないため、比較が難しいところですが、口腔ケアに対する意識が年々高まりつつあるようです。

80歳までに20本の歯を残すためにも、幼少期から意識して口腔ケアをしていく必要がありますが、小さいお子さんにとっては難しいことかもしれません。ただ、大人になってから後悔しないように、周りの大人たちと一緒に学ぶ環境を整えていくことが大切です。

ビーバーとまなぶ 美しい歯のひみつは子どもたちに歯に興味を持ってもらえるよう、動物の歯と人間の歯を比較しながら、歯の大切さについて語っています。ぜひ一度手に取っていただいて、80歳までに20本の歯を保てるよう日頃のケアに役立てていただけたらと思います。

図3 80歳までに20本の歯を残せるように日頃からケアを