CMS導入により情報量を確保したままインタラクティブ性・リアルタイム性を実現
株式会社アイ・エム・ジェイ(以降IMJ)は、本誌でもおなじみのWebサイトおよびモバイルサイトの構築・運用・コンサルティングやWebマーケティングなどを手がけています。今回、社内での情報共有および社内コミュニケーションの活性化を目指すべく、社内イントラシステムへのCMS導入を実施したとのこと。その背景と経緯、効果について、IMJ WI第5事業本部Web戦略事業部プロデューサー後藤眞吾氏、ES本部人財戦略室広報グループ坂上裕子氏、東佑香氏、株式会社ディバータ代表取締役社長加藤健太氏にお話を伺いました。
社内報をオンライン展開するために
坂上:今回のプロジェクトは紙メディアとして発行していたIMJグループ社内報「いむじぇ」をWeb化し、社内情報共有を進化、活性化させることが目的でした。
紙メディアの「いむじぇ」は一貫して“人”にフォーカスした紙面づくりを常に行ってきました。「いむじぇ」の発行を3年間続けたことにより、全社的にこの理念が浸透しました。それを通じて培った“人”の大切さを、Webを通じてさらに強化し、さらに社員と広報における“人”の絆を強めたいという願いがありました。これは、制作側にも愛着を持ってもらうため、社内発注を行った理由でもあります。
また「いむじぇ」は社内報として、これまで外部団体の方から賞をいただくほど質の高い誌面作りをしているのが特徴で、今回のプロジェクトでは、その質を保ったままでのオンライン化を目指しました。
ブログタイプではない情報発信を意識
後藤:社内情報共有の活性化は興味のあるテーマでしたので、すぐに手を挙げました。CMS選定については拡張性・操作性を重視しました.
「いむじぇ」は紙ならではの情報設計、レイアウトデザインがベースにあり、それが社員の多くにも浸透していました。「いむじぇ」という世界観をWebで実現するにはブログタイプの情報構造では制約が多すぎてあきらめることが多くなると考え、ブログタイプでない製品を選定することにしました。
一方で広報という、Webの専門家ではない者が扱うシステムでもあったので、操作性への配慮が必要でした。
RCMSについては以前、加藤さんから操作デモ、詳細な製品説明いただき、コンテンツの関連性を重視、豊富な機能、操作編集しやすさなど設計、開発ポリシーが美しいと考えていました。広報からの要望、要件も十分満たしていると考え、今回、RCMSを広報に紹介したのです。
東:RCMSに関しては、私たちもセミナーで見たことがあり、扱いやすそうな印象があったのも決定要因の1つですね。
加藤:私はRCMSの提供側であるのですが、今回のプロジェクトの話を伺い、RCMSに適していると感じました。その理由は「膨大な情報量」と「複雑な情報構造」です。「いむじぇ」には、すでに3年分という大量な情報があったことに加えて、紙を念頭に置いた情報だったため、たとえば記事の配置や索引の作り方など、Webとは異なる属性を持ったコンテンツが含まれていました。RCMSは、コンテンツをDB化(メタデータ化)し、それらを関連させることでサイトを設計できるアーキテクチャを持っているため、今回のように大量なページ生成が行われるコンテンツで、かつ複雑な情報構造を持つコンテンツにマッチした製品となっているのです。
情報量は減らさず、Webらしく
東:Web化するにあたっては、従来の情報発信に加えて、社員同士がコミュニケーションできるような、インタラクティブ性を持たせてもらうことを要望として上げました。たとえば、他部署が扱っているプロジェクトの情報共有であったり、コメント書き込み機能や、アンケート実施、業務以外の、会社近くのランチ情報などもそうですね。
坂上:インタラクティブ性の実現については、「つなげるからつながるへ」というコンセプトに基づいています。
後藤:東や坂上が話したようなWebならではという部分の実装はかなり意識して設計しました。というのも、本質的な要件はグループ報のWeb化ではありましたが、私たちはWeb屋でありますので、情報量は減らさず、かつWebの強みを活かしたサイト作りをしたかったのです。
じっくりと要件定義、基本設計を進めたため、テンプレート開発期間は約1ヵ月と短かったのですが、加藤さんには要求機能をほぼ全部実現していただきました。
RCMSを扱ってみて感じたのは、機能が豊富であり、実現したい機能がほぼ揃っており、新規開発でなく実装できる点が強みですね。こちらとしては、やりたいこと・実装したいことをきちんと洗い出して、それを加藤さんがRCMSに落とし込んでいくということだけで済みました。
より積極的な自発的情報発信を目指して
東:実際に運用がスタートし、多くの社員から「コンテンツ量も従来どおりでしっかりしている」と大変好評です。また、コメント機能も活用されています。
目に見える効果としては、複数存在していた社内サイトが統一され、「いむじぇ」の閲覧数が大幅に伸びています。さらに、社外向けのコーポレートサイトは、社員が積極的に見るというものではなかったのですが、IRやプレスリリースなどへのリンクも貼られていますので、今まで以上に情報共有が進んだと感じています。
今後は、私たち広報の人間だけではなく、社員自らが出したい情報を出せるように、ハブのような存在になっていくとうれしいですね。
坂上:今後は、さらに情報の鮮度を上げていきたいと思っています。たとえば、コンテンツごとに権限を譲渡するなど、よりフレキシブルで利用しやすい運用を目指していきます。
後藤:実際にプロジェクトを担当し、さらに公開後の状況を見て本当に良いものが作れたと自負しております。社内情報共有を課題と考えられているお客様は数多くいらっしゃると思いますので、本プロジェクトで得たノウハウを活用できればと考えております。
ディバータさんとは今回の案件を期に(こうしたシステム開発を)1つのパッケージとしてまとめるなど今後とも、協業を模索できたら良いですね。その際はよろしくお願いします。
- 製品名:RCMS
- 問合せ先:㈱ディバータ
URL:http://www.r-cms.jp/
TEL:03-3267-3900