ジンドゥーAIビルダーの可能性:ワープロ感覚でWebページが作れる時代に~KDDIウェブコミュニケーションズ高畑哲平氏、神森勉氏に訊く

2019年3月、誰もが手軽にホームページを作れる環境を目指して、ジンドゥーAIビルダー日本語版がリリースされました。今回、日本語版提供元の株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役副社長 高畑哲平氏、広報室室長 神森勉氏に、ジンドゥーAIビルダーの強み、そして、その先にあるこれからのWeb制作についてお話を伺いました。

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役副社長 高畑哲平氏(左⁠⁠、広報室室長 神森勉氏(右)
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ代表取締役副社長 高畑哲平氏(左)、広報室室長 神森勉氏(右)

プロ起点からユーザ起点への転換

高畑:これまでのWeb制作ツールは、プロ向けからエントリユーザ向けまでWeb制作のプロが考え、いわばプロ起点で作られたものが多くありました。たとえば、簡単にホームページが作れるツールでも、CSSのコードがきれいであったり、必ずAltが設定されるようになったり、というものです。このこと自体はとても重要ですし、今後も必要でしょう。ただ、そのために、ユーザに行ってもらう作業が増えていたことも事実です。

今回のジンドゥーAIビルダーは、その一歩先を目指し、今まで以上にユーザ、とくに初めてホームページを作るユーザの立場になって考え、今挙げたような専門的な部分をすべてAIという技術が代わりに行ってくれる、そういった新時代のホームページ制作ツールになっています。

「AIによって社会全体が変化する中、Web制作の分野もその例外ではなく、次の時代に向かっている」と話す高畑氏
「AIによって社会全体が変化する中、Web制作の分野もその例外ではなく、次の時代に向かっている」と話す高畑氏
――今、世間では、ITによって起きた変革が、次はAIによって新たな変革が起きるのではという声も挙がっています。これはWeb制作の世界にも当てはまるというわけですね。

高畑: はい、まさに、Web制作、もう少し広くWeb開発の世界ではAIの活用がどんどん進んでいます。画像認識や自然言語処理を活用した各種サービス、また、Webに関わるクリエティブ制作のシーンでは顕著です。

そういった中、実はエントリユーザこそ、AIの恩恵を最大限受けられると思っていますし、私たちは、Webから最も遠い方たちに向けてホームページ制作サービスをお届けするためにジンドゥーAIビルダーを提供開始しました。

一昔前、ワープロを使って文章を書くというのが特別だったのが、今ではパソコンやスマートフォンで文章を書く(文字を入力する)というのがあたりまえになりました。まさに、ホームページ、そしてホームページ制作もそういったフェーズに移ってきたと私は感じています。

ところで、この「ホームページ制作」という名称もそろそろ新しい言葉に置き換えたいんですよね。何か良いものありませんか?(笑)

――今のお話を伺って、高畑さんはWeb(ホームページ)はもう特別なものではなく、誰もが自由に扱える(扱うべき)ものと考え、それをより良い形でサポートするために今回のジンドゥーAIビルダーの提供に至ったことがわかりました。

スマホファーストの制作環境

――今回のジンドゥーAIビルダーに関して、デザインに関する特徴、また、機能に関してとくに強調したいポイントはありますか?

神森: なんと言ってもスマートフォンを前提にしている点ですね。ご使用いただくとわかるのですが、作る・見るどちらの観点で見ても、スマートフォン(モバイル)向けになっています。

神森氏は自身の経験を振り返りながら「従来のWeb制作・WebデザインはPCを想定しつつ、モバイルファーストへシフトしていました。今はさらに進んで、モバイル=スマートフォンのみでも成立しても問題がないという考えも出てきたように思います」と、スマホファーストに関して自身の考えを述べた
神森氏は自身の経験を振り返りながら「従来のWeb制作・WebデザインはPCを想定しつつ、モバイルファーストへシフトしていました。今はさらに進んで、モバイル=スマートフォンのみでも成立しても問題がないという考えも出てきたように思います」と、スマホファーストに関して自身の考えを述べた

たとえば、画像を配置する場合、パソコン向けのWebページではクリックすることで拡大がされますが、ジンドゥーAIビルダーではそういう効果がありません。代わりにスマートフォンで閲覧した場合、ピンチイン・ピンチアウトで拡大・縮小が可能です。

他にもデザインに関して、要素の追加や文章・画像編集など、スマートフォン上の操作で完結できます。そのぐらいシンプルな操作性を目指しました。

ジンドゥーAIビルダーをスマホで操作している様子。
文字編集(左⁠⁠、要素追加(中⁠⁠、動画リンク編集(右)
文字編集(左) 要素追加(中) 動画リンク編集(右)

これらはパッと思いつく例ですが、とにかくモバイル、スマートフォンでの利用を前提としたインターフェース、また、制作のアウトプットとなっているのが特徴です。これまでのWeb制作やWebデザインに合った「こうあるべき」をかなりカットしています。言葉にするのであれば、ジンドゥーAIビルダーの「べき論⁠⁠、ルールを作ったと言えますね。

今はまだ慣れない方も多いので、最初の取っ掛かりにはサポートへお問い合わせいただいたり、解説書を読む必要があるかもしれません。しかし、スマートフォンを普段使っている方であれば、一度慣れると本当にすぐに使いこなせるはずです。

こうした理由に、今、パソコンを持っていない若年層のユーザが増えている一方で、スマートフォンを持つユーザが増えているという実情があります。

ですから、人によっては(とくにWebに詳しい方にとっては)非常に使いづらい、あるいは、イライラするツールかもしれません。

高畑:また、将来的にデザインの面では、ユーザごとにパーソナライズしていくことを考えています。たとえば、あるユーザが最初に作ったWebページで使用したデザインや画像をもとに、次のページ、次のデザインを実施するときに、そのユーザにおすすめできるものを提案するというものです。

また、自分に似た環境で制作したりデザインしているページを参考にしやすくできるようにも目指しています。

クリエイターの創造力・発信力の増幅装置として

――スマホファースト、というか、スマホ大前提、さらに、ユーザのパーソナライズなど、今の時代をすごく意識しているツールであることがわかりました。ちなみに、2019年の今の時点で、とくにおすすめしたいユーザ像、こうした方たちに使ってもらいたいといった思いはありますか?

高畑:当然たくさんの方に使っていただきたいです(笑)

そのうえで、ジンドゥーAIビルダーの特徴を活かすという点では、自分自身を表に出す、誤解を恐れずに言えば自分が商売道具になる方たちにはとても向いていると思います。わかりやすい例で言えば、ミュージシャンやタレントといった職業です。

「自分の何を見せたいのか」⁠誰に伝えたいのか」その部分に100%注力できるのが、ジンドゥーAIビルダーの特徴です。

ロックバンド「ATOM ON SPHERE」のサイトがジンドゥーAIビルダーで制作しています。

ジンドゥーAIビルダーで制作したATOM ON SPHEREの特設サイト
ジンドゥーAIビルダーで制作したATOM ON SPHEREの特設サイト

ご覧いただくとわかるように、伝えたい情報をシンプルに纏められるだけではなく、TwitterのタイムラインやYouTubeの画像を埋め込んだり、ライブフォトをアップするなど、今のネット時代に合った情報発信を、非常に簡単に行える、それがジンドゥーAIビルダーの特徴です。

他にも畑有里紗さんや李雨瀟さんといったモデル、ブロガーの方の発信の場として活用していただいています。

畑有里紗さん(左⁠⁠、李雨瀟さん(右)のサイト(スマホ上で閲覧)
畑有里紗さん(左)、李雨瀟さん(右)のサイト(スマホ上で閲覧) 畑有里紗さん(左)、李雨瀟さん(右)のサイト(スマホ上で閲覧)

現在、EC機能の追加を準備しています。個の才能を発信していく方たちに第一に選んでもらえるサービスを目指して、また、これまで個人事業として小売を行っていた方たちの、ネットを通じた「宣伝」⁠販売」のサポートを実現できるよう、これからもジンドゥーAIビルダーの改良を続けています。

平成の時代にあったWeb制作という概念を、ジンドゥーAIビルダーによって令和時代に適合したものへとアップデートし、今まで以上に誰もが手軽にWebページをつくり、発信していける世界を目指しています。

――ありがとうございました。

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