インフルエンサー・
インターネット上の情報発信源としての信頼度が高い彼らは, その名の通り人々の消費行動に多大な影響を与える存在である。極端な話, 消費者はどんなによくできた広告よりもインフルエンサーによる
しかし実際, 商品やサービスがターゲットとするコミュニティにおいて活躍している, もしくは活躍してくれそうなインフルエンサーを見つけ出すのはそうそう容易な事ではない。
そんなインフルエンサーを探し出すのに役立つ便利なサービスを紹介しよう。
TRAACKRは, 主にPRやマーケティング分野での応用を目的とした有料のインフルエンサー検索サービスで, ターゲットとなるコミュニティのインフルエンサーを選出, 更には動向をモニタリングするも可能である。それらのデータは以下の3つを軸とした, 独自の検索アルゴリズムに基づいている。
- Reach:ブログ読者数等から見る, そのインフルエンサー自身のオーディエンス(消費者)の規模
- Resonance:Likeボタンやリツイートされた回数などから見るオーディエンスとの関係
- Relevance:インフルエンサーがコメントしている内容から見るターゲットとの関連性
上位25名のインフルエンサーたちは, ブログやTwitterでのコメント等といったソーシャルメディア上のアクティビティデータに基づいたランキング形式で表示され, グラフや数値等でもその影響力が推し量れる様になっている。
TRAACKRの使い方と特徴
いわゆる一般的な検索方法とは違い, キーワード自体に関してではなく, そのトピックについて, 誰が, どのようなオーディエンスに向けて情報を発信しているのかを明確にすることに特化させており, 商品名やブランド, ターゲット確定に有効と思われるキーワードを入力するとその分野に精通しているインフルエンサー候補が上位25名選出される。
選出されたインフルエンサーのインターネット上でのアクティビティをモニタリングする事もでき, また, 詳細ページからインフルエンサーによる記事やコメントへの直リンクも便利である。
インフルエンサーがもたらす2つのメリット
このサービスを使うにあたり, 大きく分けた2つの側面を紹介したい。1つはマーケティングにおけるリサーチ, データ収集ツールとしての側面で, たとえば自社製品やサービスをキーワード検索し, その分野のインフルエンサーを特定した場合, 彼らのブログ記事などを通じて, 消費者代表とした目線から見たリアルな意見の収集や競合サービスとの具体的な比較が可能になる。
もう1つはPRにおいて重要な, 拡声器的ツールとしての側面である。ターゲットの分野に精通したライターやブロガーといった人物にコンタクトをとり, 自社パーティに特別招待するなどといったアプローチをし, 自社イメージや商品, サービスに対する好意的な意見をインフルエンサーから発信してもらうのが狙いとなる。大掛かりな宣伝活用とは違い, リアルな口コミの力によって世間に広まる可能性を持っている。
TRAACKRを使えば海外進出もより身近に
TRAACKRは現在, おもにアメリカを中心とした英語のみ対応のサービスであるが, 今回はこれを逆手にとって, 海外進出を図る日本発のスマートフォンアプリのPR, マーケティングに役立てた想定モデルを紹介したい。
まずは前述のリサーチ面からのアプローチ.たとえばキーワード
具体的に自社アプリのPRに有益と思われるインフルエンサーをある程度絞り込んだら, 実際にコンタクトをとってみる。
たとえば, 「あなたのモバイルアプリに対する知識の深さと熱意には当社も大変感銘を受けており, リリース前ではあるが特別に当社の新アプリを
そしてここからPR面での応用へとつながる。もしかしたらこの時点ですでにインフルエンサーは記事にしてくれるかもしれない。
コスト面について
これはあくまでも想定モデルではあるが, TRAACKRを使えば, 海外進出に向けた基盤を日本にいながらある程度構築することができる。しかし、
ちなみにTRAACKR社のプライスリストによると, キャンペーン1枠
たとえば7月15日から
TRAACKRのこれから
TRAACKR社は2007年にPierre-Loic Assayagによってボストンにて設立, 今年2011年にはLaunch CapitalやTollman Capital Partnersの投資を受けてサンフランシスコに拠点を移したばかりの今注目のベンチャー企業である。
まだまだ新しいサービスのTRAACKRではあるが, ターゲット層やコミュニティからの絶大な信頼を得ているインフルエンサーたちが興味の対象に注ぐ情熱を, マーケティングやPRに活かさない手はないだろう。