明けましておめでとうございます。シックス・アパート株式会社、マーケティング担当の高橋真弓です。今年もシックス・アパートとMovable Type 5をよろしくお願いします。
シックス・アパートは昨年11月に、約2年ぶりにメジャーバージョンアップした「Movable Type 5」をリリースしました。米国のトロット夫妻の手によって生み出されたMovable Type は、元々はブログを管理するためのソフトウェアでしたが、次第にブロガーだけではなく、Web制作の現場でCMSとして使われる機会が増えてきました。そのような背景から、Movable Type 5はCMSとしての機能を強化し、「 何でもできる」から「誰でもできる」CMSとして登場しました。
Movable Type 5のハイライト
「MT5って、前のバージョンと何が変わったの?」という問いに、まずは簡単にお答えします。
管理画面のデザインが一新しました!
ログインした最初の画面に「ユーザーダッシュボード」が表示されるようになり、編集・管理権限のあるブログとWebサイトが一覧表示されるようになりました。
また管理画面の配色は、実は日本の伝統色をベースにデザインされています。これは、MT5は今まで以上に日本のチームが主導となってコンセプト決定や開発を行ったという意味も込められているからです。
「Webサイト全体を管理する」という概念に
MT4までは、CMSとして利用する場合、まず「ブログ」を作成し、そのブログを起点にマルチブログなどでWebサイトとして構成していく…という方法が主でしたが、MT5ではまず「Webサイトの領域」があって、その下に「ブログ」が紐づけられて構成していきます。Webサイトをより論理的に、そして構造的に管理できるようになりました。これにより、MT5はCMSとしてより利用しやすくなります。
履歴管理機能がつきました
記事を保存する際に履歴ノートを記述することで「バージョン管理」が可能になり、いつでも過去のバージョンに戻すことができるようになりました。記事だけなく、Webページ、テンプレートにも更新履歴機能がついています。この履歴管理機能は、制作者の方の中でも要望が多かったものでした。
目玉はテーマ機能
Webサイトをデザインするテンプレートや、カスタムフィールド、カテゴリーなどを、まとめて『テーマ』として保存し、作成したテーマを、他の Movable Typeにインストールしたり、インターネットで配布できるようになりました。
たとえば、とあるお店のWebサイトをMTで構築しテーマとして保存しておきます。さらに2店目、3店目と新店舗ができた時には、保存したテーマを適用してWebサイトを作るだけで、同じデザイン、コンテンツ要素のWebサイトを即座に構築することができるようになります。「 テーマ機能」を使えば、イチからWebサイトを立ち上げるよりも効率的で統一性のあるWebサイトが構築できるようになるのです。
また今後MTのデザイナーや開発者が、コミュニティサイト用のテーマ、企業Webサイト用のテーマ、フォトギャラリーのテーマ…など、さまざまなケースに応じたテーマを公開、配布するようになれば、新たなビジネスチャンスを生む事も可能で、MTを取り巻くシーンも大きく変わってくるのではないかと考えています。
2010年のMovable Typeは?
製品的な予定としては、まずはMovable Type EnterpriseのMT5対応版のリリースを予定しています。「 Movable Type Enterprise」は、Oracleや Microsoft SQLServer などの商用データベースの利用や、ユーザ権限管理、LDAPとの連携機能を追加した、比較的大規模なサイト向けの製品です。それとともに、バグを修正したバージョンも随時提供していく予定です。
さらに2010年中に、マイナーバージョンアップ版を提供したいと考えています。5.0では実現できなかった機能を取り入れていく予定ですが、現時点では詳しくお伝えすることはできません。また、「 Movable Type」をホスティングしたサービスについても検討しています。これも具体的な内容や時期はお伝えできないのですが、ホスティングサービスベンダなどのパートナーとともに提供するという形で、議論を進めています。
Movable Typeユーザのみなさまへ
Movable Type 5は、日本のMTユーザ、デザイナー、開発者の皆様の生の声をもとに開発のコンセプトが形作られました。またベータ期間中は数多くのフィードバックとバグ報告をいただきました。MT5は、日本のMTコミュニティの皆様のご協力があってこそリリースできた製品です。
2010年は、このようにMTコミュニティの中で貢献していただいている皆様に、シックス・アパートとしてもより目に見える形でサポートしていきたいと考えています。
その第一歩として、MTの公式コミュニティサイト(MTQ) を設立しました。そしてMovable Type Designer & Developer ConferenceというMTのデザイナー・開発者向けのイベントを昨年12月に大阪で実施 しました。これからは東京だけではなく、全国のMTユーザの方にも積極的にお話できるようにしていきたいと考えています。地方を問わず、MTのイベントを行いたい!という方がいらっしゃったら遠慮なく私までお声がけください(笑) 。ノベルティグッズの提供や、講師として社員の派遣など、出来る限りを尽くしてご協力させていただきたいと思っています。
また、デザイナーや開発者の方が作成したMTプラグインやテーマをより気軽に公開できるような仕組みをつくり、MTユーザの目に触れてもらいやすく、そしてビジネスに繋がるような場を提供したいと考えています。
2010年も、Movable Typeは進化していく予定ですし、そして積極的にマーケティングをさせていただく所存です。今年もMovable Typeをよろしくお願いします。