Web 2.0ブームで見直された「個人」の力
Web 2.0というバズワードのブームもピークを過ぎた感がありますが、Web 2.0とはなんだったのでしょうか?
Web 1.0と呼ばれた時代は、いかに自社のサイトに「ユーザを囲い込むか」という発想で、サイトを利用するユーザはまさしく「利用する人、お金を使う人」…、つまり消費者でした。
それに対してWeb 2.0とは、個人の情報発信が大きな影響力に発展する仕掛けをどう考えるか?というものでした。ユーザはサービスや情報を消費するだけでなく、新しい価値を生み出す存在です。場合によっては、お金の流れも生まれるところにWeb 2.0というキーワードがバズワードたるポイントがあったと言えます。
Web 1.0と呼ばれる時代から、人々はインターネットで積極的に情報を発信していました。掲示板やメーリングリストで情報交換を行い、日記で情報発信をして、夜行バスで遠距離のオフ会に参加する人がいたものです。
Web 2.0時代に変わったことは、個人の情報発信が、ビジネスに影響力を与えるようにインターネット環境が進化したということです。GoogleやYahoo!の検索エンジンを中心に、情報発信のプラットフォームとしてのブログやソーシャルブックマークなどのWebサービスができ、それらを支えるようにアフィリエイトやターゲット広告が企業とユーザを結び付ける役割を担っています。
インターネットに詳しいユーザが素で楽しんでいたことを、時代がサポートするように変化し、より多くの人がインターネットにメリットを見出せるようになったのがWeb 2.0時代の特徴と言えます。
もしWeb 2.0という言葉が廃れても「個人の情報発信」が新しい流れを作るというインターネットの基本はまったく変わることはないでしょう。技術の進歩やノウハウの蓄積によりデバイスが情報発信を肩代わりしたり、より素敵な仕掛けが出てきたりするだけのことです。
個人の情報発信をクリエイティブにサポート
私が所属する株式会社paperboy&co.(以下、ペパボ)は、クリエイティブにインターネットを楽しむためのサービスを提供しています。
その中の1つである「Color Me Shop! pro」は、低価格で誰でも簡単にオンラインショップを作ることができるASPサービスです。
ペパボが大事にするクリエイティビティをECサイトで発揮できるようにと、CSS+XHTMLで構成されたデザインテンプレートは、CSSだけでなくHTMLに至るまでカスタマイズできる自由なデザイン性が魅力で、個人事業主に留まらず、企業にも数多く採用されています。
私は、ショッピングモール「カラメル」の担当として、ショップの集客を支援しています。情報発信者であるショップの情報をインターネットにアクセスする人に知ってもらい、商品が購入されることを目的として、毎日、継続的に改善を続けています。
変化は常に連続的です。
よくインターネットは変化が早いと言われます。しかし、インターネットの基本的な考え方である個人の情報発信によってもたらされる力の存在は、Web 1.0と呼ばれたころも、Web 2.0と呼ばれる今も、そして、きっと今後も変わりません。
インターネットにおける「変化」とは、技術やノウハウの進化で情報発信、情報共有の手段が進歩していき、社会へ与える影響がどんどん大きくなっていくことだと考えています。
それまでインターネットに触る機会のなかった人たちが、あたりまえのようにインターネットを使うようになっていき、いろいろな形の喜びを見つけていく、そんなところが一番重要だと考えています。
インターネット上のこのサービスは2.0的であるとか、これは2.0ではないとか、そういうことではなく、Webサイトを利用するユーザに情報発信の喜びを知ってもらうことへの追求を2007年も引き続きやっていきます。
なお、この文章を書くにあたって、株式会社アークウェブの中野さんが執筆された『Web屋の本―Web 2.0、ビジネスサイト2.0、Web屋2.0』を読み返しました。今の時代をうまく切り取っていておもしろいです。もし見ていない人がいたら、今からでも全然遅くないので読んでみてください。