前回はインターネット広告の種類と特長について説明しました。
第4回はインターネット広告の配信と測定の仕組みについて考察していきます。
インターネット通信の仕組み
まず、
TCP/
ブラウザは指示されたURLからアクセスする対象のウエブサーバを決定して、
HTTPリクエストにはヘッダとボディがあります。
ヘッダにはURLやウエブサーバのホスト名、
ボディはブラウザからウエブサーバへデータを送信する場合に使います。
ウエブサーバはブラウザから送信されたHTTPリクエストを解釈して、
HTTPレスポンスにもヘッダとボディがあります。
ヘッダにはレスポンスコードや後述するクッキーの設定情報などが付加されます。
ボディにはブラウザへ送信すべきコンテンツ
このブラウザとサーバー間の通信にインターネット広告や測定の仕組みの秘密が隠されています。
ブラウザ画面は一般的に複数の画像、
ブラウザとウエブサーバー間の通信は、
リクエストしたコンテンツ
つまり、
これは携帯端末のブラウザでも同様です。しかも、
インターネット広告配信や測定サービスはこの仕組みを利用しています。
次はユーザ
ユーザの特定方法
通常、
しかし、
クッキーはHTTPプロコトルでサポートされている機能です。
もともと、
つまり、
このような通信を
このため、
最初のアクセスではブラウザはクッキーを持っていませんので、
このような仕組みにより、
広告配信では一般的に14日以上の有効期間をもった永続タイプのクッキーを利用します。
クッキーの仕組みはブラウザの設定によっても変動します。
ブラウザの種類や設定、
クッキーが利用可能でないと利用できないウエブサイトもあることからほとんどのブラウザの標準の設定はクッキーを許可しています。したがって、
携帯サイトの場合
携帯サイトの場合はすべての携帯端末でクッキーが利用可能ではありません。特にdocomo端末ではほとんどクッキーが使えません。
携帯サイトの場合、
- 1) docomo
公式サイトであれば、
URLパラメータに特定の値を入れておけばdocomo側でユニークなIDに変換してくれます。また公式サイトでなくても、 iモードIDを利用すると同様のことが行えます。ただし、 両方の方法とも、 HTTPSで暗号化されている場合はこの方法は使えません。 したがって、
セッションIDをURLへ埋め込むなど、 ウエブアプリケーション側で工夫が必要です。別の方法でutn (FORMによる送信時に個体識別情報を送信する方法) がありますが、 確認画面が携帯端末に表示される、 すべてのDoCoMo端末で利用できるわけではないことから利用しているサイトは少ないと思われます。 - 2) KDDI
HTTPヘッダ内に携帯端末を識別する値が入ってきますので、
これを利用します。ただし、 端末の設定によっては付加されないことがあります。 - 3) SoftBank
HTTPヘッダ、
User-Agentに携帯端末を識別する値が入ってきますので、 これを利用します。ただし、 端末の設定によっては付加されないことがあります。
つぎは配信と測定の仕組みを説明しましょう。
広告配信の仕組み
これまで説明してきたHTTPプロトコルの仕組みを利用してインターネット広告の配信は行われています。
上記の図で説明しましょう。
ウエブサイトのページには広告用のスペース
この広告枠にはアドサーバ
- ユーザがウエブページをアクセスします。
- ウエブサーバはウエブページのコンテンツを返します。このウエブページにはアドサーバへリクエストさせる記述が含まれています。
- ブラウザはアドサーバへリクエストを要求します。
- アドサーバはこのリクエストに対して、
条件に応じたバナー画像等の広告コンテンツを配信します。 - ブラウザには広告を含んだウエブページが表示されます。
上記の3.のリクエストを受け取ったアドサーバはユーザのIPアドレスや、
この仕組みを利用して
多少の違いはありますが、
広告測定の仕組み
一般的にアドサーバは広告の効果測定機能を持っています。提供する測定機能はインプレッション数、
(1)
(2)
(3)
計測サーバはクッキーを利用して、
動画配信サーバや、
このような仕組みに加えてサイト内でのユーザが閲覧しているウエブページの情報や過去の訪問行動を分析することでユーザの嗜好を把握して、
これからは配信するコンテンツのターゲティング技術やウエブ測定機能の結果を利用した最適化手法が続々登場してくると思われます。
次回は