今回開発したもの
今回は、Microsoft Azure上でEC-CUBEを使ったネットショップ構築を実践しました。この内容が、初めてMicrosoft Azure上でEC-CUBE開発を行う方向けの手引書になればと思っています。
できあがったもの
まずはできあがったものをご覧ください。
- 今回開発したものの結果
- http://futukamachi.azurewebsites.net/html/index.php
このようにシンプルなページができあがっています。
今回の開発ポイント
誰でも本当に「Microsoft Azure」で、EC-CUBEを使ったネットショップが作れることを実践しました。利用したPCは、Windows7をインストールした状態で、一切のソフトウェアをインストールしていません。
そういった「PCを購入してすぐにでも始めたい」というケースでも可能であるという確認です。
なお、Microsoft Azure導入部分であるマイクロソフトアカウントの取得などは、割愛いたします。詳しくは本連載第1回などをご覧ください。
また、EC-CUBEの構築は、『簡単!EC-CUBEインストール方法をチェック(PDF)』を読めばすべてできるので、心配することはありませんでした。
開発のポイント
便利だった点
今回開発して便利と感じたのは、WebMatrixを使えば、EC-CUBEとPCに同じ環境が作られる点です。通常、本番サイトをいきなり触りはじめる人はいないとは思いますが、このように簡単に自分のPC上に、同じ環境ができてしまうのは非常に楽です。
さらいWebMatrixの良い点は、IISやMySQLなどのソフトウェアをインストールしていない状態でも、すべて用意してくれるところです。
ただし、不足している環境すべてを用意するためには、それなりの時間(おおよそ1時間ほどかかりました)が必要です。
難しかったこと
メール送信のためのSMTPについて、少々戸惑いました。
Azure上では、アドオンから購入することになります。アドオンの購入から、今回はGridMailを使用いたしました。Freeを選択していますが、将来的にどの程度ECサイトが利用されるかによってプランを選択することになります。
また、Azureのアドオン以外のメールサービスを指定することも可能でした。
今回開発しての感想
新しい展開スロットの追加をした後に、どこに追加されたのかかなりわかりづらかったので、改善してほしいです。親サイトに紐づく形になっているのはいいのですが、展開された状態ではなく、アイコンが追加されただけだったので気づくまでに時間がかかりました。
EC-CUBE×Azureの組み合わせに関しての感想
EC-CUBE初心者でもAzureのギャラリーを使えばボタンひとつでサイト公開ができたので、感動しました。
DBのチューニングなどを考えなくていいのであれば特別な知識がなくても苦労することはなさそうでした。WindowsユーザであればWebMatrixを使うことでローカルで編集を行った後、同期することでシームレスに開発をすることができました。
スケールの変更が容易にできるのがとくに感動しました。サイト運営中でも何度でも変更できましたし、スケール変更のスケジュールが組めるので、あらかじめアクセスが予測できる場合に威力を発揮できると感じました。