マネージドサーバーのメリットを具体的な事例から探っていくシリーズの第6回目。今回の事例は、社員50人程度のWebコンテンツプロバイダー会社が舞台です。マネージドサーバー導入前と導入後で、管理者の負荷がどれほど変わったか。かつてシステム管理者として常にサーバーの運用管理に悪戦苦闘していた先輩社員は、後任として管理者のあまりにのんびりとした様子が信じられませんでした。そのゆとりを生み出したものは何か?
答えはマネージドサーバーにありました。
サーバー管理の悪戦苦闘から管理者を開放
その答えは「マネージドサーバー」
Bさん:「サーバー管理にあくせくしていた以前に比べて、マネージドサーバーにしてから、随分、サーバー管理が楽になったよな。確か、そうした事例もあったような・・・。そうそう、つい忘れてしまうけど、導入前と導入後ってその差は歴然。昔を思い返しながら、その内容を見てみることにしよう」。
F社の事例:
サーバー管理を楽にしてくれたもの。わずらわしい管理から解放させてくれたのは?
社員50人程度のWebコンテンツプロバイダー会社のF社。同社は、サーバー管理の担当者の負担が大きく、OSのセキュリティパッチやアップデート対策、社員のメールアカウントの追加・廃止といった更新作業、さらにレスポンスが遅いといったユーザーからのクレームやさまざまな質問などの対応までをカバーしていました。
「前任者のCさんから引き継いだ当時は、管理の負荷が大きかったですね。今後もデータは増加するわけですから、このまま続けていてはリスクが高いということを上司に伝えました。そこで、リスクを軽減するために、サーバー管理の在り方を考えました。検討した結果、選んだのがマネージドサーバーの導入でした」と、Dさんはサーバーの管理を見直した動機をこう振り返ります。
前任者は、サーバーの管理の業務に追われ、本業にも支障を来たしていました。また、一人でサーバー管理をしていたので、体調が悪くなった際、代役を引き受けてくれる人を探すのもひと苦労でした。そうした課題の解決策として選んだのが、マネージドサーバーだったのです。
24時間のサーバー監視からセキュリティ対策まで、
さまざまな管理作業を一括して代行
マネージドサーバーの導入の決め手となったのは、サーバーの運用管理に関わる作業をホスティングサービス会社が代行しくれる点でした。
「自分よりもはるかに高度な知識と専門技術を持ったサーバー管理のプロが、会社のサーバーを常時管理していますから、これほど心強いことはありません。例えば、『表示速度が非常に遅い』といったトラブルが発生した場合、その原因が使用しているプログラムにあるのか、サーバー本体にあるのか、もしくは外部からの攻撃によるものかなど、原因を突き止め、障害を切り分けることはとても困難な業務です。そういった専門性が求められる業務を代行してもらえるので、対応も迅速になります。その上、24時間365日体制でサーバー監視も行ってくれますので、体調が悪くても安心して休養することができます」(Dさん)。
ホスティングサービス会社も「Webサイトの運営管理とサーバー管理の技術は異なる点が多くあります。新しい技術への対応やさまざまな脅威の対策など、サーバー管理はプロに任せて、企業は安定した環境で本業に専念してもらうのがベスト」と、共存共栄をメリットにあげます。
現在、マネージドサーバーを導入してからは、運用管理も楽になり、管理の負担は激減しました。
「サーバー管理というと、いつもメンテナンスやとトラブルシューティングをしているイメージがありましたが、今は全くといっていいほど何事もなく、安定したサーバー管理、運用が実現できています。サーバーの運用に関する依頼をホスティングサービス会社に連絡するだけで、後はホスティングサービス会社がしっかり管理してくれます。私自身、運営管理に注力できていますし、サーバー管理者にとってこれほどありがたいサービスはないですね」(Dさん)。
マネージドサーバーの導入によって、安定したサーバーの運用・管理が実現できたF社。今後、サービスの拡充を継続していますが、サーバー管理の負担が急増することはもうないでしょう。
Bさん:「そうなんだよね。サーバー管理の難しさを感じている人は多いと思うけど、全部自分で抱える必要はないんだ。マネージドサーバーのように、提供されているサービスをうまく使うことによって、安心して、サーバーを運用できることができるんだから」。
今回は、マネージドサーバーの導入によって管理がスムーズになることを改めて感じたBさん。いよいよ次回は連載の最終回、これまで見てきたマネージドサーバーのメリットを総ざらいします。お見逃しないように!
(次回は3月9日に公開予定です)