Second Life内の島のこと。1つもしくは複数のシムで構成される。面積に応じて土地使用料を支払うメインランド(Mainland)とシム単位で購入するプライベートランド(Privateland)がある。プライベートランドで分譲された土地を購入もしくは賃貸することもできる
オブジェクト(object)
Second Life内に存在する自然、建物、乗り物、衣装、道具などあらゆるもの。オブジェクトは複数のプリムで造られる
プリム(prim)
プリミティブ(primitive)の略。球や円柱、円錐、立方体などの基本形状のこと
Second Life内の土地に建てられた家や小道具、アバターの衣装などは住人が造ったもの(オブジェクト)である。プリムを組み合せ、加工して造り上げていく。これら創作物の著作権は作者に帰属する。サービスを提供しているリンデン・ラボ社に帰属しないというのがSecond Lifeの大きな特徴である。住人は自分が建てた家や製造した乗り物、デザインした衣服などを自由に販売することができる。売買にはSecond Life内の貨幣リンデンダラー(L$)が使われるが、米ドルに換金することも可能だ。つまり、RMT(Real Money Trade:リアルマネートレード)が容認されたサービスなのである。
Second Lifeは企業にとって実証実験の場
Second Lifeは、目的が設定されているゲームではなく、自らの表現行為や人とのコミュニケーションの場を提供する仮想空間である。社会シミュレーションを試みるには絶好のサービスといえるだろう。3DCGによる仮想世界を新しいビジネス・インターフェイスとして研究している企業は多いが、実証実験には莫大な費用がかかる。今からノウハウを蓄積しておきたいが、プロジェクトとして動かすのは大変であった。
Second Lifeの登場はそれら企業に大きなチャンスを与えることになった。実際に稼働している大規模な仮想世界に参加することができるからだ(しかも参入に対する制約がない)。Second Lifeのビジネス展開というよりは、3D仮想空間サービスの実証実験の場として活用できることに大きな価値がある。参加することで問題点や可能性を探ることができるのである。たとえば、どんな場面でdeep-think(処理が遅くなりアバターの動作が重くなったり、オブジェクトが欠けてしまう状態)が発生するかなど、傾向を調べることができる。
Second Lifeが日本で流行るかどうか、賛否両論さまざまな意見がある。現在、利用者にとって参加の障害となっているのは次の3点である。
「SLMame(ソラマメ)」は、Second Life専用のブログポータルサイトである。SLMameとは、Second Life Map and Memoryの略。今年の3月、株式会社メタバーズと株式会社シーポイント、ジェイ・ライン株式会社が共同でオープンした。利用者はSecond Life内で体験したことや気に入ったスポット、ショッピングの感想などを書き、他の利用者と情報を共有する。訪れた場所のスナップショットを掲載したり、地図をブログに表示させることができ、Second Lifeで開催されるイベントや発表会などの情報はカレンダー機能で知ることができる。
Second Lifeに関連したブログやSNSを見ると、アバターファッションについての情報が多いことに気付く。コミュニティなどで頻繁にやり取りされているのは、アバターを着飾る衣服やアクセサリー、靴、小道具、そしてヘアースタイルやスキン、タトゥーなどの話題である。アバター(avatar)というのは、利用者の分身、化身のこと。一見すると着せ替え遊びのようだが、仮想世界のサービスにおいて欠くことのできない重要な要素だ。「オンラインイベント(仮想世界でおこなわれるイベント)」が他メディアにはない新しい機能として注目されており、アバターはイベントのインターフェイスとして必須のものとなっている。
Second Lifeで開催される数々のオンラインイベントを見て、人工現実感がビジネスになると感じた人は多い。SNSやブログとの連携だけではなく、テレビ(バラエティ番組内で仮想世界との中継など)やラジオといったマスメディアとのタイアップも注目されている。特に国内では著名人(タレント、スポーツ選手など)の使い方が重要になるだろう。また、AmazonやeBayとの強力な連携を持つことで相互テレポートによる新たな相乗効果を狙えるかもしれない。
Second Lifeの登録者は597万人(4月末現在)、仮想通貨取引額は月間29億円(2月時点)である。また、これから増えてくる可能性の高い仮想世界の犯罪(マネーロンダリング、詐欺、非合法な施設運営、著作権侵害など)にどう対処していくか等、あらゆる社会シミュレーションが可能な場になっている。まずは小規模かつ複合的なタイアップを積極的におこない、仮想世界における商用ノウハウを蓄積していくことが重要ではないだろうか。