Hosting Department:ホスティングを活用するための基礎知識

第8回ユーザ視点から見たホスティングサービス活用Tips Part4

今回は、架空請求やワンクリック詐欺への対処法、掲示板の誹謗抽象的書き込みなどについて取り上げます。ネットコミュニケーションが促進する現代社会において、今後の対応が求められる問題です。

今回取り上げるテーマ
  • 架空請求とワンクリック詐欺の対処法
  • 掲示板の誹謗中傷的書き込み

架空請求とワンクリック詐欺の対処法

無差別に配信される架空請求

架空請求は、インターネットや携帯電話の普及と比例してますます増えてきている犯罪です。ほとんどの場合、アダルト系、出会い系サイトに関連した内容であるため、心当たりがある人が多く、騙しやすいうえに利用経験者の後ろめたい気持ちから、警察や消費者センターに相談できずに被害に遭うケースが少なくないようです。

架空請求は、spamメールのように無差別に送信されますが、内容は身に覚えのない料金の請求です。手口そのものは、はがきや電話を使ったものが以前からありましたが、最近では電子メールを送りつけてくるものが増えてきています。

登録内容の変更、退会手続きまたは本登録手続きのお願いなどの内容になっている場合、⁠ご確認ください」⁠本登録のお願い」などの件名で架空請求メールが届きます。その手続きを行うためのアドレスに返信したり、空メールを送ったり、URLにアクセスしたりすることで自分の情報を相手に教えてしまい、そこから料金の督促状が届くことがあります。

また、⁠利用料金のご案内」⁠最終通告」⁠ご請求通知」⁠訴訟報告書」など、重要な内容と思わせる件名で、プロバイダや電話回線の使用料、有料アダルトサイトの利用料などの情報料や債権を請求する督促状が届く場合があります。差出人は、コンテンツ業者から債権回収を委託された業者だと偽ったものが多く見受けられますが、実在する債権回収業者の名前を騙ったり、中には弁護士や裁判所を名乗ったりしているものもあります。期限までに指定口座に振り込まない場合、回収員が自宅に訪問する、勤務先を調査する、融資やクレジット会社のブラックリストに掲載する、給料を差し押さえる、強制執行する、裁判所へ出頭が必要など、不安を煽ることが書かれていることもあります。

これらの詐欺の被害に遭わないためには、とにかく無視をすることです。一度でも払ってしまうと、次から次へと同じような架空請求が届くことになります。裁判所や弁護士、債権回収業者の名前の記載があると、どうしても不安になってしまい、本物かどうか確認したくなります。その場合も書かれている電話番号には絶対にかけずに、必ず電話帳で調べた番号に電話し、届いている内容が正当なものか確認しましょう。携帯電話への架空請求に対しては、メールアドレスを変更したり、メールの受信/拒否の設定を行ったりするのも良いでしょう。

知識のない利用者を騙すワンクリック詐欺

ワンクリック詐欺は、広告spamメールに記載されているURLをクリックするだけで有料コンテンツの契約完了画面が表示され、高額請求される手口です。

ネットサーフィン中にボタンをクリックしたところ、突然画面に「ご登録ありがとうございました」の文字と、IPアドレスや契約しているプロバイダ名、自分のPCの固有識別番号、OS、Webブラウザ、電子メールアドレスなどが表示されることがあります。また、コンテンツをダウンロードすると、登録完了と情報料の請求画面が表示され、デスクトップ上に請求書のテキストファイルのアイコンが作成される悪質な手口もあります。

このようなケースで登録されたとしても、IPアドレスから氏名や住所などの個人情報が漏れることはありません。けれども、ウイルスやスパイウェアの侵入を防ぐためにも、怪しいWebサイトのボタンをむやみにクリックするのは避けることです。万一被害に遭った場合には、Webサイトの名前やURL、画面、利用規約などのデータを保存しておくと良いでしょう。

なお、勘違いや操作ミス(錯誤)による契約、料金が発生することを知らずに契約した場合は、電子消費者契約法に基づき契約は無効となります。ただし、⁠錯誤契約は無効」になるだけで、錯誤に不注意があれば無効とは言えません。最近は手口がますます巧妙化し、被害者も増えています。架空請求同様、恐怖や不安を抱くかもしれませんが、身に覚えのないものは無視すると良いでしょう。

その他、対処の仕方などの情報は警視庁 ワンクリック料金請求にご用心をご覧ください。

掲示板の誹謗中傷的書き込み

顔が見えないゆえのトラブル

インターネットでは、利用者同士が気軽に、簡単にコミュニケーションを図ることができます。しかし、インターネットは匿名性が高く、相手の顔が見えないために、現実よりも過激で暴力的なトラブルが発生することがあります。とくに、インターネット上のコミュニケーションの主流になっている掲示板(BBS=Bulletin Board System)では、相手を罵倒したり、誹謗/抽象的な書き込みをしたり、個人情報を公開したりといったトラブルがあちこちで頻発しています。最近では掲示板だけでなく、コメントを書き込めるblog、誰でも自由に記事を書き込めるWikiを舞台にしたトラブルも見られます。

被害に遭った場合の対処法

では、あなたが掲示板に誹謗中傷的な書き込みの被害に遭ったら、どう対処すべきでしょうか。第三者が見て、個人を特定できないような場合、無視をして静観するのが一番です。誹謗中傷を繰り返すような人物は、その行為に対して反応が返ってくることがうれしいのです。ですから、長くても数週間程度放置しておけば、その掲示板に興味がなくなり、訪問しなくなります。

個人や団体を名指しで誹謗中傷した場合には、名誉毀損に当たる場合があります。これは、公然と他人の名誉を毀損した場合に成立する犯罪行為であり、刑法230条で規定されています。掲示板にこうした書き込みをされた場合、まずはその掲載内容を証拠として保存しておきましょう。また、掲示板の管理者に対して、掲示板のログの保存を依頼しましょう。そのあとで警察に相談することをお勧めします。

また、名前やメールアドレスなどの個人情報が掲載された場合、掲示板の運営者やプロバイダに速やかに削除要請をしてください。匿名の書き込みであった場合、プロバイダ責任法(正式名称は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)に従って、発信に関わった者の名前と住所、メールアドレス、IPアドレス、そのIPアドレスから侵害情報が送信された年月日と時刻などの情報について開示を求めることができます。

被害に遭わないようにするには

実際に起きているトラブルがインターネットに波及する場合もありますが、インターネット上のトラブルは、もともとインターネット上で発生する場合がほとんどです。そのため、被害に遭わないようにするには、トラブルの原因をできる限り避けることです。

たとえば、掲示板を通じて親しくなった人に対し、安易に名前や住所などの個人情報を教えないようにします。親しくなった人と気まずい関係になり、個人情報を勝手に公開されたという例も少なくありません。また、物議を醸すような発言をすることも止めましょう。議論が熱くなった場合、自分の意見を掲示板にすぐに書き込むのではなく、もう一度読み返してから送信するようにします。誹謗中傷の被害は自分の言動を正すことで、ある程度防止できると考えてください。

その他、最近ではSNSなどの会員招待制でのトラブルも見かけられます。SNSの場合、ある程度相手のIDなどが判別できるため、より細かなトラブルに派生しがちです。場合によっては、悪質なユーザが悪意のある行為へ利用することもあります。自分自身の個人情報などは、自分で把握できる範囲内で公開することをお勧めします。

情報セキュリティ広場:警視庁
警視庁のWebサイト内に設置されたネット犯罪に関する情報ページ。
電話相談なども受け付けている。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/haiteku/haiteku1.htm

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