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第18回「モバイル」「マネージド」時代にマッチしたホスティングサービス

2011年、スマートフォンの夏、秋モデルが登場し、普及に弾みが付いていますが、Webサービスもスマートフォン対応が大きなカギを握ると見られています。そこで、ホスティングサービスの現状を探るとともに、サポートの充実が求められる時代にマッチしたマネージドホスティングの動向をあわせてレポートします。

ニーズに応え進化するスマートフォンが勢ぞろい

2011年、スマートフォンは大きな進化を遂げました。夏モデルでは、iモード課金コンテンツをスマートフォンで利用できるスマートフォンをNTTドコモが発売。おサイフケータイやワンセグ、赤外線など、従来の携帯電話の機能を継承する機種が多数ラインナップされました。さらに、秋冬モデルでは、第3.9世代携帯電話規格「LTE」採用の高速通信サービス「Xi」に対応したスマートフォンやタブレットが投入される見込みで、3Dカメラ対応などとあわせ、約20モデルが発売となります。

一方、KDDIも春モデルでは従来の携帯電話の機能を踏襲したモデルから、スライド式テンキーやスライド式QWERTYキーボード搭載モデルまで幅広い機種が投入されました。秋冬モデルでは高速通信「4G WiMAX」対応のスマートフォンを投入し、NTTドコモとのスピード対決に注目が集まっています。ソフトバンクも、テンキー搭載やデザイン重視のAQUOS PHONEなどを発売し、各社からニーズに応える機種が勢ぞろいしています。

今回のスマートフォンでは、CPUやディスプレイなどスペック面も強化されていますが、注目は「課金」「キータッチ」といえるでしょう。携帯電話ユーザーは、ショッピングへの関心も高いため、従来資産を継承できる課金コンテンツへの対応は大きな目玉となります。また、キータッチによって、操作性が向上した点も見逃せません。

ホスティングサービスのスマートフォン対応が加速

こうしたスマートフォンの登場を受け、ホスティングサービスのスマートフォン対応にも注目が集まっています。

携帯端末やスマートフォンに特化した「モバイルサーバ」は、携帯端末、スマートフォン向けのサイト作成や管理・運営ができる機能が提供されています。たとえば、ネットショップ向けの商品登録、ショッピングカート、受注・売上・顧客管理などのサイト作成をはじめ、会員登録、メルマガ配信、クーポン発行、QRコードの発行、ブログといった集客に関連する機能、アクセス解析やSEO対策といったマーケティングの機能などが用意されています。

また、3キャリアの携帯電話やスマートフォンに対応したサイトの作成、携帯電話端末を認識し、自動的に最適なサイズ表示が可能など、最適化も大きなポイントです。ただし、スマートフォンは独自仕様が多いため、利用できる機種が制限される場合もあります。このため、サービスを提供するホスティング事業者はまだ多くありませんが、今後はスマートフォンへキャリアが主力を移しつつあることから、ホスティングサービスのスマートフォン対応が加速することは間違いないでしょう。

サービスを止めない!高まる事業継続の動き

スマートフォンの普及でモバイルユーザが増加しています。それにともない、今後は外部アクセスへの対応がますます重要になってきます。セキュリティでは、SSL通信はもちろん、不正アクセスや盗聴、なりすましに対する対策も欠かせません。また、サービスを安定して継続的に提供するためには、冗長化や急激なトラフィックの変化に対応できる負荷分散などへの対応も求められています。

ホスティングサービスでは、暗号化やアンチウイルスなどのセキュリティ対応や複数台構成、負荷分散などがすでに標準サービスとして提供されていますが、最近ではバックアップやディザスタリカバリなどの充実を図る事業者も多く、サービスを止めない事業継続への対応も進んでいます。

さらに、クラウド対応のホスティングが増えてきたことから、セキュリティを強化する動きが強まっています。クラウド対応のホスティングサービスは、柔軟な構成管理、リソース管理により、たとえば、冗長構成を構築する際、専用サーバに機器やネットワークを増設するより安く構築できる点や、非公開してはいけないデータベースサーバのインターネットから独立した運用ができる点など、容易な運用により企業でも導入が始まっています。プライベートクラウドによるセキュアな環境下での運用に加え、最近ではSLAによって、サービスレベルが保証されることも実用化に拍車をかけています。

監視、運用管理で企業を守るマネージドサーバに期待

安定した運用を提供するしくみとして、もうひとつ注目されているのが「マネージドサーバ」です。専用サーバの使い勝手や自由度に、機器の監視や運用管理などを代行するマネージドサービスが付加されたマネージドサーバは、専門的な知識を有する管理者不足、システム障害によるサービス停止の極小化、迅速な復旧対応でビジネス機会の損失の回避などの課題を解決し、企業を守ることができるサービスです。

実際に、障害発生時の一次対応、サーバの再起動などを代行してもらうことができ、24時間365日の監視体制で、サーバ管理のプロがスピーディに対応にあたってくれます。

たとえば、サイト公開直後はトラフィックに急激な変化が起こる場合がありますが、そうした際、マネージドサーバを利用すれば、サーバ監視やネットワーク監視により、トラブルを未然に防ぐことができます。万が一、トラブルが発生した場合にも障害検知、原因解析、復旧作業まで迅速に対応してもらえます。さらに、サーバ構築に対して適切なアドバイスを受けることができるため、適切なスケールでのサーバ構築が可能になります。また、システムのアップデートなども、テスト環境を別に用意する必要がなく、事前にアップデートテストを実施したうえで、サーバOSのセキュリティパッチやアップデートパッチのインストールを実行してもらうことが可能です。

サービスの時代にマッチするホスティングサービスのすすめ

IT技術の進歩により、ハードウェアやネットワーク、アプリケーションは目覚ましいスピードで変化しています。また、ソーシャルネットワークをはじめ、さまざまなサービスとの連携も増えてくると思われます。利便性の向上や高速化などメリットが増える一方で、運用、管理がますます複雑化、煩雑化してくるのは間違いありません。

そうした中、コストを抑え、安全かつ安定したサービスを提供し続けることが企業の命題となっています。

今後は、運用、管理のアウトソーシング先として、モバイルサーバやマネージドサーバ、さらにはクラウドを利用したホスティングサービスなど、ホスティングサービスの利用が増えてくるでしょう。

サービスの時代といわれる現在、ホスティングサービスもまたニーズに応えながら進化を遂げています。これからもクラウドサービスとマネージドサービスを併用した併用モデルの登場、付加サービスの充実など、新たな取り組みに期待が高まります。

ホスティングサービスを活用すれば、機器の購入や人材の確保などのイニシャルコストやメンテナンスなどのランニングコストを低減できるほか、クラウドサービスであれば、提供するサービスにあわせて柔軟にシステム構成を変更することが可能です。また、24時間365日障害対応やデータのバックアップ、復旧サービスなどのマネージドサービスを上手に活用すれば、安定したサービスの維持、運用も実現できます。

さらに、従来から提供されている安価な共用サーバや自由度の高い専用サーバ、仮想化を組み合わせたVPSなども、これまで以上に多くのオプションサービスが付加され、使い勝手やセキュリティが向上しつつあります。このように、自社の環境にあわせ、適切なサービスを選択できるのもホスティングサービスの大きなメリットです。

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