はじめに
第2回はLightbox風に画像などを表示するプラグインと、一歩進んだ利用方法を紹介します。
LightBoxは、今や同一ページ内で画像などを上乗せした形で表示させる表現効果の総称となっており、Javascriptの定番ライブラリの一つとなっています。
お薦めLightbox風プラグイン
Lightbox風の表現を実現するJavascriptライブラリは実際に探してみると、非常に多くのものを見つけることができます。この中からjQueryのプラグインとして開発され、さらに特徴的な以下のプラグインを3点ピックアップし、今回と次回、2回にわたり解説します。
- jQuery Fancyzoom
jQuery Fancyzoomは画像表示に特化しており、拡大表示のアニメーションが非常に凝ったものとなっています。百聞は一見にしかずなので、あえてアニメーションの説明をここではしません。一度配布サイトのデモを見ていただければと思います。
- ThickBox
ThickBoxは画像だけでなく、HTMLコンテンツも表示することができます。そのため、拡大画像の表示だけでなく、詳細情報のポップアップ表示、ログインなどの入力ダイアログにも用いることができます。
- Shadowbox.js
Shadowbox.jsは、さらにFlashやムービーにも対応した、非常に多機能なライブラリとなっています。ただし、純粋なjQueryプラグインというわけではなく、Prototype、YUIなど複数のライブラリに対し、それぞれアダプタを用意した形を採っています。
jQuery Fancyzoom
今回は前のページで紹介したプラグインの1つ、jQuery Fancyzoomを説明します。
なにはともあれ、まずはプラグイン配布サイトからプラグインをダウンロードしましょう。展開すると、jquery.jsをはじめとする必要なJSファイルとresourcesフォルダ下の画像ファイルが確認できるはずです。
JSファイルの読み込み
次にダウンロードしたJSファイルをHTMLファイル側で読み込むために、HTMLファイルのヘッダーに、以下のコードを記述します(JSファイルはHTMLファイルと同じフォルダ内の「js」フォルダを作り、そのフォルダ内に配置します)。
実際には、jquery.jsとjquery.dimension.js、そしてこのプラグイン本体である、jquery.fancyzoom.jsが必須となります。
jquery.shadow.jsは画像にドロップシャドウの効果を与えるプラグインです。こちらはオプションとなっており、利用すると下記のように拡大表示画像の右下に影が入るようになります。
jquery.ifixpng.jsはIEが透過PNGを表示できるようにするためのプラグインです。こちらもオプションとなっており、利用することでIEもSafari、Firefoxと同様の挙動とすることができます。
基本的な使い方
まずは以下のコードを見てください。簡単な記述でFancyzoomが利用できることがわかります。
- 0. 対象となるHTMLタグを用意
- Fancyzoomの対象となるHTMLタグを用意します。対象となるタグはimgタグとimgタグを含んだaタグとなります。Fancyzoomを適用するタグにはJavascript(jQuery)でそのタグが特定しやすいよう、IDもしくはクラス属性を指定しておくと便利です(基本コードではクラス属性にfancyzoomを指定しています)。
- 1. 画像ディレクトリの指定
- Fancyzoomの画像(ダウンロードしたressourcesフォルダ内の画像)が存在するフォルダを簡単に指定することができます(デフォルトは"ressources/"です)。注意点として指定フォルダは最後"/"(スラッシュ)をつけてる必要があります。この指定ができることで、Fancyzoomを既存のサイトのフォルダ構成(ルール)に沿った形で導入することが可能となります。
- 2. aタグに対してFancyzoomを適用
- aタグに対してfancyzoomメソッドを実行すると、aタグのhref属性に指定した画像が拡大表示されます。また、imgタグのalt属性に指定した内容が、拡大表示時に画像のタイトルとして下部に表示されます。
- 3. imgタグに対してFancyzoomを適用
- バージョン1.2からの新機能なのですが、imgタグのみにもfancyzoomメソッドを実行することができます。この場合、拡大表示される画像はimgタグのsrc属性で指定されたものとなります。imgタグのwidth/height属性を指定して元画像を縮小しているときなどに効果があります。
指定できるオプション
オプションも以下のようにfancyzoomメソッドを実行する際、その引数としていろいろと指定できるようになっています(オプションを指定しない場合はデフォルト値が適応されます)。
- imgDir
- こちらのオプションでも前述のようにFancyzoomの画像が存在するフォルダを指定することができます。こちらもデフォルト値はressources/となります。fancyzoomメソッドを実行するたびに(a/imgタグごとに)利用するFancyzoomの画像を変更する必要があるときなど活躍します。
- Speed
- 拡大表示するまでのアニメーションをミリ秒単位で指定することができます。デフォルト値は500となっており、0を指定するとアニメーションせずいきなり拡大表示するようになっています。Fancyzoomを導入するサイトのコンセプトにあわせて、調整していく値となります。
- showoverlay
- オーバーレイ機能のon(true)/off(false)設定です。デフォルト値はtrue(on)となります。ここでのオーバーレイとは拡大表示領域外にある程度の透明度で色をつけ、領域外に対するユーザーアクションを実行できなくする機能です。オーバーレイの色合い、透明度は、下記のoverlayColor、overlayで調整することができます。オーバーレイを利用することでユーザーに対し、拡大表示画像をより強調した形で表現することができます。
- overlayColor
- オーバーレイ時に拡大表示領域外を覆う色を指定します。デフォルト値は#000000(黒)です。Fancyzoomを導入するサイトのデザインにあわせて調整すべき値となります。
- overlay
- オーバーレイ時に拡大表示領域外を覆う色の透明度を指定します。デフォルト値は0.6(半透明)です。こちらもFancyzoomを導入するサイトのデザインにあわせて調整すべき値です。
オプションの調整だけでなく標準で用意されているFancyzoomの画像をオリジナルの画像に差し替えることで、よりサイトコンセプト・デザインに沿った形で無理なくFancyzoomを導入していくことも可能です。
まとめ
今回はjQueryのお薦めLightbox風プラグインの紹介と、その中のjQuery Fancyzoomの説明しました。サムネイル画像から拡大画像を表示させる表現のひとつとして、サイト制作のお役に立てれば幸いです。
次回は、お薦めLightbox風プラグインの残りの二つ、ThickBoxとShadowbox.jsの使い方を説明していきます。