こんにちは、吉田コマキです。ここ沖縄は、梅雨が明けて夏まっしぐら。太陽の日差しも強く、様々な景色のコントラストが高くなってきています。   
さて、今回は「共有」をテーマにお話いたします。太陽の日差しによって目にはいる色の印象が違うことをご存知でしたか。世界中の誰かが作成した配色テーマをたどって、様々な配色テーマから見える色の印象を考えてみましょう。    
他のユーザーがつくったテーマを探す 
kuler では、Publicに設定している配色テーマは他のユーザーにも閲覧、提供が可能です。kulerのトップページを開くと、最新のテーマ、最も人気のあるテーマ、レートの高いテーマなどが出ていますが、キーワードを検索することでより自分の求めている配色テーマを見つけ出すことが可能です。      
まずは、画面左側にある検索で「Japanese」を入れてみましょう。   
図1  検索してみる 
 
 
図2  検索結果、さまざまなテーマが表示される。そのため、検索も工夫が必要になる   
 
 
「Japanese」だけでこんなにもたくさんの配色テーマが出てきました。テーマとしては、さまざまな「Japanese」のつくタイトルが検索結果として表示されます。その中には、庭やお菓子、風景や着物など、「 Japanese」の配色があります。       
ここで、「 Japanese Garden」とタイトルをうっている配色に目を向けてみましょう。 
図3  配色テーマ「Japanese Garden」  
 
 
日本庭園の苔に、日陰や日当りの濃淡を美しく表現している配色ですね。配色の並びをみただけでも、落ち着いた印象と、日本の和の美を感じます。   
他にも同じように「Japanese Garden」というタイトルをつけた配色テーマがあります。中には苔ではなく池や、錦鯉、玉じゃりなどをイメージさせる配色もありますので、楽しみながら探してみてください。     
探した配色テーマを活用する。 
ここでは、気に入った配色テーマを活用する方法をお話します。上記の「Japanese Garden」を元にして進めていきましょう。   
Add to Favariteでお気に入りに登録 
配色テーマをクリックすると、画面中央部に作者名が表示されますが、その右側に、3つのアイコンがあるのを確認できますか(ログインしていないと3つ表示されません) 。    
一番左のアイコンは「Add to Favorites」といって、お気に入りに登録するためのボタンです。保存先は[My kuler]の中の[Favarite]です。   
なお、配色テーマがお気に入りに登録されると、このアイコンは「Delete from Favorites」のアイコンに変わり、このボタンを押すことで、お気に入りから削除することもできます。      
図4  Add to Favariteでどんどんお気に入り登録しちゃいましょう 
 
 
Exchange Fileをダウンロードで大活用 
配色テーマは、Adobe Swatch Exchange(ASE)用のファイルとしてダウンロードすることが可能です。このファイルでIllustratorやPhotoshopなどのアプリケーションで利用することができるようになります。3つのアイコンのうち、中央にある「Download this theme as an Adobe Swatch Exchange file」のアイコンクリックすると、任意の場所にダウンロードができます。       
ダウンロードを終えたら、Photoshopからは[ウィンドウ]メニューの[スウォッチ]から[スウォッチの読み込み]を選択して、ASEファイルを参照できます。Illustratorであれば[ウィンドウ]メニューの[スウォッチ]から[スウォッチライブラリを開く] →[その他のライブラリ](いずれもCS3の場合)から参照できます。            
図5  Adobe Swatch Exchangeファイルをダウンロードできる 
 
 
選んだ配色を元にカスタマイズ 
一番右の「Make changes to this theme in the Create window」のアイコンをクリックすると、[Create]の[Custom]に表示させ、選択した配色を元にさらに自分で編集することが可能になります。    
図6  見つけた配色テーマをさらにカスタマイズ 
 
 
さらに、それは[My  kuler]に保存も可能です。 
図7  編集した配色は保存もできる 
 
 
テーマは、最新からポピュラーまでも探せます  
左メニューから[Themas]を選択すると、最新から最も人気のある配色、評価の高い配色などの検索が可能です。作られた日付順ですが、最新30日分から一週間、全日付分までも選べます。    
図8  いろいろな検索方法がある 
 
 
kulerには、AIR版もあります  
kulerにはデスクトップアプリケーションとしてAIR版のkuler が提供されています。
[Get the kuler desktop]を選択して、ファイルをダウンロードし、インストールを済ませます(AIRのインストールも必要です) 。起動させると、小振りな画面が表示され、すぐに利用が可能です。     
インターフェイスは当然変わりますが、Exchange Fileのダウンロードや検索など、機能はほぼ同じです。画面の隅に表示させ、様々な配色が出てくるのを楽しみにするのもいいかもしれません。   
図9  AIR版を使えば常にデスクトップに表示させ、さらに気軽に利用できる  
 
 
図10  AIR版のメニューは、アプリケーション上部にある  
 
 
様々な色の違いを楽しもう 
最初に、光線の当たり方で色の印象ががらりと変わるお話をしました。実際に検索で「sakura」を検索してみてください。さまざまな桜色が表現されていると思います。中には、塩漬けの桜ではないかと思えるような色もあります。    
言葉で表現できる「色の名前」ですが、それでもつくる人によって色の違いがでてくるのが、このkulerで実感できると思います。    
地域によって違う色の感覚 
ところで、沖縄の桜は避寒桜といって、梅のようにショッキングピンクに近い色をしています。本州でみられるような淡い桜色は見ることはできないので、電話口や電子メールで「桜色でお願いね」と一言で言っても、沖縄の人は濃いピンクを差し出します。      
単色の「赤」ひとつとっても、それは同じです。日差しの強い地域でみる「赤」と、そうでない地域の「赤」は大きく違いがあります。        
中には、地域に根付いている伝統の配色もありますので、それに近い色が表現され、人々はそれに左右されているとまではいいませんが、無意識のうちに取り入れ、無意識のうちに生活に浸透しているのです。     
このように、住んでいる地域によって、色の感覚が変わってきますので、伝わらない場合はこのkulerを活用しながら、お互いのギャップを埋めてみるのもいいかもしれません。    
次回からは、kulerを活用した現場事例をお話いたします。