第3回では流入元の種類について説明しました。
今回は流入元の測定項目について解説します。
流入元の評価項目
流入元の評価項目は流入回数とその後の訪問者のアクションを元に決定します。
主な評価項目を説明します。
1.インプレッション数(IMP)
広告の表示回数のことです。主に広告効果測定で使用する指標・用語です。
広告配信サービス側では認識できますが、一般的にウエブ測定ツール側では数字は取得できません。
広告配信システムや、広告代理店から入手しておきます。
2.クリック数、流入回数、訪問回数
流入元からの流入回数です。広告の場合はクリック数と呼ぶことが多く、他の流入元の場合は流入回数と呼びます。訪問回数(セッション)で計測している場合は訪問回数と呼ぶ場合もあります。
3.直帰率
流入後、サイト内の他のページを閲覧せずにすぐに離脱した割合です。
現在のウエブマーケティングでは直帰率をいかに低くすることが重要課題となってきています。
4.流入後の平均PV数
流入後、サイト内を閲覧したページ数の平均です。ページ数が多いほど、サイト訪問者の関心事・意図と合致していると推測できます。
5.離脱数(率)
流入後、コンバージョン(成果)ページに到達せずにサイトを離脱した訪問者の数です。
6.クリック率(CTR)
クリック数をインプレッション数で割って求めます。主に広告効果測定で使用する指標です。
7.コンバージョン数・率
流入した後で成果ページに到達した数、割合です。
8.顧客獲得単価(CPA)
コンバージョン獲得のためにかかった費用のことです。広告費用合計からをコンバージョンで割って獲得単価を算出します。
9.メール開封の測定
HTMLメールの場合はタグ(または測定専用の透明GIF)を設定しておくことでカウントできます。
メール送受信を管理しているサービスを利用されている場合、メールレスポンスを管理しているシステム側に計測タグを設定できれば、精度が高まります。
流入元の項目と指標
流入元の識別ができたら測定項目を検討します。
次に一般的な流入元の識別項目を示します。
バナー広告
媒体名、広告種別、費用、クリック数、直帰率、コンバージョン数
リスティング広告
媒体名、出稿キーワード(広告グループ)、費用、クリック数、直帰率、コンバージョン数
自然(オーガニック)検索
検索エンジン名、キーワード、流入数、直帰率、コンバージョン数
外部サイト
ホスト名、ページ(URL)、流入数、直帰率、コンバージョン数
メール(メールマガジン)
メールタイトル、期間、メール種別、送付数、流入数、直帰率、コンバージョン率
その他
新聞、雑誌等のウエブ以外からの流入広告媒体名,期間、クリック数、コンバージョン数
上記が識別できるように設定・確認しておきましょう。
リンク先にURLパラメータをユニークに振っておくと、独自にレポートを作成する場合に有効です。
例えば、広告を独自のカテゴリ別に集計したい場合は リンク先URLに対してカテゴリを割り当てたマスタを用意しておき、測定ツールからExcelやCSV形式で、リンク先URLを含めたデータを取得して、ExcelやAccessで集計すればいいでしょう。
自社サイトの流入元(集客媒体)とその割合、コンバージョン数を常に把握するように心がけましょう。
重要な指標
流入元に関連する重要な指標はつぎのとおりです。
- 流入元のシエアと変動(推移)
- コンバージョン数・率
- 直帰率
- 間接効果(ポストクリック)訪問後のユーザの行動
(※1)ポストクリックについては別の機会で説明します。
流入数の把握ができると、ウエブサイトにとってどの媒体が集客効果があるかわかるようになります。
流入元の視覚化
流入元が識別できるようになったら、データを視覚化しましょう。
流入元を割合と時間の推移で視覚化するとわかりやすくなります(ここにはコンバージョンを含めるとさらに効果的でしょう。コンバージョンについては次回で説明します)。
以下では視覚化した例を挙げています。流入元でそのサイトの集客状況が一目でわかります。
測定ツールがサポートしていない場合でもExcel等でデータをグラフ化すると、自社の集客がどこに依存しているのか、またその効果が視覚的にわかります。
いつくかのサイトの流入元のシェアの例を以下に示します。
日別・月別で推移がわかるようにしておくと、効果測定が行いやすくなります。
第3-4回のまとめ
流入元(集客)の測定
第3回では流入元の種類と識別方法について説明しました。
流入元の識別には3つあります。
- リファラー
- リンク先ページ+URLパラメータ
- 特別なランディング(受け皿ページ)を用意する
流入元の測定項目
- インプレッション(広告)
- クリック数(流入回数)
- 直帰率(離脱率)
- シェア、日別、月別の推移、過去データとの比較
第3-4回は流入元の識別に当たって注意事項や知っておきたい事柄について説明しました。
流入元を正しく識別することはコンバージョン測定の精度に影響しますので、しっかり把握しておきましょう。
第5回はウエブサイトの効果測定で最も重要な「コンバージョンの測定」について説明します。