OpenLaszloとは
OpenLaszloとは、XML形式のソースファイルからリッチインターネットアプリケーション(RIA)を作るオープンソースソフトウェア(OSS)です。RIAアプリの実行形式としてFlashかDHTMLのどちらかを選択できます。FlashアプリであればFlash Playerプラグインがインストールされたブラウザ、DHTMLアプリであればJavaScriptが動くブラウザがあれば良く、どちらにしてもこれといって特殊なプラグインを必要としないので、たいていのブラウザやデバイスで動作します。特にDHTMLアプリとして開発した場合は、iPhoneなどFlash非対応のデバイスでも動作させることができます。1つのソースからFlashあるいはDHTMLを作れるのはOpenLaszloの最大の特徴です。
OpenLaszlo開発に必要なもの
筆者のOSはWindows 7です。これにOpenLaszloをインストールする手順を記述します。
OpenLaszloはJavaサーブレットとして提供されています。これを動作させるにはサーブレットエンジン、たとえばTomcatが必要になります。そのTomcatを動作させるにはJDKが必要となります。つまり、OpenLaszloの開発環境に必要なのはJDKとTomcatとOpenLaszloです。OSはWindowsでもLinuxでもMacでも何でも、Tomcatが動作すればOKです。
プログラムを書くには、文字コードをBOMなしUTF-8で保存できるテキストエディタがあればOKです。作成するソースファイルは拡張子がlzxのテキストファイルになります。
インストール手順
JDK、Tomcat、OpenLaszloを個別に入れる方法をおすすめします。このほうが複数のバージョンのOpenLaszloを同時に稼働させたり、バージョンアップするのが簡単になります。
JDKのダウンロードとインストール
Java SEダウンロードページから最新版をダウンロードします。
ダウンロードが終わったらjdk-6u22-windows-i586.exeをダブルクリックしてインストールを開始します。途中の画面でインストール先など聞いてきますが全部デフォルトのままでOKです。
Tomcatのダウンロードとインストール
Apache Tomcatのサイトから最新版をダウンロードします。
ダウンロードが終わったらapache-tomcat-6.0.29.exeをダブルクリックしてインストールを開始します。途中の画面でインストール先を聞いてきたら、c:\tomcat6に変更しておきます。インストール後、Tocmatを起動します。正常に起動できたかの確認は、ブラウザから http://localhost:8080 にアクセスしてTomcatの初期画面が表示できればOKです。
インストール先のフォルダはデフォルトのC:\Program Files\Apache Software Foundation\Tomcat 6.0ではなく、C:\Tomcat6に変更します。自分が書いたソースファイルを置くディレクトリパスに関わるので簡単な方が良いのと、パスの中に空白を入れておかない方が余計なトラブルを招かなくて済むためです。
OpenLaszloのダウンロードとインストール
OpenLaszloの開発コミュニティサイトから最新版をダウンロードします。
記事執筆時点の最新版は4.8.1です。ダウンロード画面には6種類のパッケージがあります(表1参照)が、今回はTomcatを別途インストールしているので、既存のTomcatへのインストールに適したDev Kit(58MB Any OS)を選びます。
表1 ダウンロードパッケージの種類
Windows | exeファイル。Tomcat付OpenLaszloパッケージ。ドキュメント、サンプル、デモ、10分チュートリアルが同梱。 |
MacOS | dmgファイル。Tomcat付OpenLaszloパッケージ。ドキュメント、サンプル、デモ、10分チュートリアルが同梱。 |
Linux/Unix | tar.gzファイル。Tomcat付OpenLaszloパッケージ。ドキュメント、サンプル、デモ、10分チュートリアルが同梱。 |
Dev Kit | warファイル。OpenLaszloサーブレット、ドキュメント、サンプル、デモ、10分チュートリアルが同梱。Tomcatは同梱されていません。 |
Servlet | warファイル。OpenLaszloサーブレットのみ。ドキュメント、サンプル、デモ、10分チュートリアル、Tomcatは同梱されていません。 |
Source | tar.gzファイル。OpenLaszloのソースコード、ドキュメント、サンプル。 |
OpenLaszloのインストールは、ダウンロードしたopenlaszlo-4.8.1.warファイルをTomcatのwebappsディレクトリにコピーするだけです。今回はTomcatをc:\Tomcat6にインストールしましたので、openlaszlo-4.8.1.warのコピー先はC:\Tomcat6\webappsになります。
OpenLaszloのHello World
せっかくなので、Hello Worldを試してみましょう。まずソースコードを置く作業用フォルダgihyoを C:\Tomcat6\webapps\openlaszlo-4.8.1に作成してください。エディタでリスト1のコードを書いて、hello.lzxという名前で、先ほど作ったC:\Tomcat6\webapps\openlaszlo-4.8.1\gihyoフォルダに保存してください。
ファイル名については、拡張子がlzxであればファイル名は何でも良いです。
次にブラウザからhttp://localhost:8080/openlaszlo-4.8.1/gihyo/hello.lzxにアクセスします。このときにOpenLaszloがhello.lzxをFlashアプリにコンパイルします。ブラウザにはコンパイルされたFlashアプリが実行されます。画面にはHello Worldの文字しか出ていませんが、右クリックするとFlashアプリになっていることが確認できます。
OpenLaszloでの開発の仕方は、ソースコードを編集してはブラウザをリロードして確認、というようにHTMLでWebページを記述している時とまったく同じ行為になります。
実行サンプル
上記コードから生成したFlashアプリとDHTMLアプリの動作サンプルです。見た目同じですが、右クリックしたときのメニューに違いがあります。もうひとつの違いは、パソコンだと両方動作していると思いますが、iPhoneやiPod TouchなどFLASH非対応デバイスではDHTMLアプリのみ表示できます。