WEB DESIGN WORKSHOP「正しいウェブデザイン」

第8回User Landing through F.A.Q. Contents「FAQコンテンツを使ったLPO」

ウェブサイトは⁠コンテンツ⁠と⁠検索キーワード⁠をマッチングさせることで、サイトコンテンツを「情報」として、ターゲットとなるユーザーニーズに「価値あるソリューション」を提供することが出来る。一方的に情報を配信するだけのマスメディア広告とは違い、購買に有効なユーザーが持つ個別のニーズに対し、直接アプローチをすることが出来るのだ。

しかしユーザーは様々なキーワードで検索を行い、通常のウェブサイトのコンテンツ構成ではそれらをカバーすることはできない。製品やサービスをソリューションとして、それらを求めるユーザーに届けるためにはFAQを活用することで、全キーワードをカバーするランディングページを作成することが効果的だ。

キーワードの洗い出し

FAQの制作にはサイトのコンテンツプランニング時に作成したキーワードリストを使用する。まずは製品やサービスのカテゴリー、特性、ブランド名や会社名などのメインのキーワードをリストアップし、以下のサービスから関連した検索を調べる。

Google キーワードツール
キーワードに対する関連検索を最大150項目まで表示でき、エクセル用のファイルを書き出すことができる。このファイルをベースにユーザーニーズを管理する。
Overtureスポンサードサーチ
メインキーワードに関連する新たなキーワードを検索数の目安と共に参照できる。ここで拾った新たな関連キーワードを再度キーワードツールに入れると良いだろう。
FERRET
入力されたキーワードに対する関連検索を検索数の目安と共に参照できる。Googleキーワードツールより多くのバリエーションが出るので、エクセルファイルと比較して足りないものを加えよう。Googleキーワードツールの「平均検索ボリューム」は後ほどキーワードのソートに使用するので、FERRETから拾ったキーワードは再度キーワードツールで調べておく。

有効キーワードのフィルタリング

作成したリストから提供する製品やサービスの購買に繋がるキーワードをフィルタリングしていく。いくらユーザーのランディングを獲得できても、ページ上の情報がユーザーのニーズとマッチングしていなければコンバージョンはありえない。ユーザーのコンバージョンが行われないページの制作は無駄な労力となってしまうので、ウェブサイトが高い効果を発揮するためには、有効キーワードのフィルタリングがとても重要である。

例としてFICCでLPOを行った場合:

メインキーワード
ウェブ制作、プロモーション、ブランディング
Overtureから得た関連キーワード
Web、ウェブサイト、構築、デザイン、企業、マーケティング、コンサルティング、CI、集客、ブランドイメージ、開発、ブログパーツ

上記のキーワードをキーワードツールとFERRETで調べると2000件以上の関連キーワードリストになるが、もちろんFICCのサービスや製品に関連性の無いものが多い。関連性のあるものだけのフィルタリングし、キーワードツールによって調べた平均検索ボリュームを参考に検索ボリュームの「きわめて少ない」キーワードを排除することで159件の具体的なユーザーニーズを反映したキーワードリストが出来上がる。

フィルタリングされたキーワードリスト
フィルタリングされたキーワードリスト

質問の作成

次に一つ一つのキーワードに対し、以下の点を調べ、表を作成する。

関連検索ワード
キーワードを再度キーワードツール、OvertureとFERRETに入力、一緒に検索されているキーワードをリストする。またGoogleでも関連検索が表示されるのでこれらのキーワードも表に入力する。
ユーザーニーズ
関連キーワードからそのキーワードに対してユーザーが何を知りたがっているかの仮説を立てる。全ての関連キーワードをカバーするために複数のユーザーニーズをリストしよう。
検索トップ
キーワードをYahooやGoogleで検索した際にオーガニックで1位に表示されるページとその内容を記載する。また、そのページがユーザーニーズのいくつに答えているかを検証する。また、トップに出てくるコンテンツを読むことで、キーワードのみからは見えないユーザーニーズを知ることも出来る。
質問
ユーザーが検索を行う際に考えているであろう「質問」をリストする。この質問がページのタイトルにもなるので、キーワードと関連キーワードを盛り込む。

この作業をフィルタリングされた「全て」のキーワードに対し行う。

例として「webプロモーション」で質問の作成を行った場合:

関連キーワード
事例、流れ、マーケティング、広告、インターネット、オンライン、ウェブ、戦略、コンサルティング、会社、制作、集客、宣伝
ユーザーニーズ
  1. Webプロモーションのコンサルティングから制作までを行う会社は?
  2. Webプロモーションの事例のある会社は?
  3. 集客・宣伝・広告効果のあるwebプロモーションとは?
  4. 戦略的なマーケティングに応えるwebプロモーションの流れとは?
検索トップ
某大手IT会社の制作サービス紹介ページ ⁠主にワークフローを紹介)
質問
  1. FICCではwebプロモーションのコンサルティングから制作まで行いますか?
  2. FICCにはどのようなwebプロモーションの事例がありますか?
  3. FICCが提案する集客・宣伝・広告効果のあるwebプロモーションとは?
  4. FICCが提案する戦略的なマーケティングに応えるwebプロモーションの流れとは?

答えの作成

質問に対する答えは簡潔に、文章を構成するだけでなくユーザーが一目で「答え」を理解できる「見出し」を用意する。また、ライティングの際には必ず以下の点を表現する必要がある。

差別化のポイント
紹介するサービスや製品が唯一無比であることをユーザーに印象付ける。アンチテーゼではなく、サービスや製品の独自の「特徴」「違い」をアピールする。
No.1の実績
紹介するサービスが「より良い」⁠ベターな)ものである事を理解させるためにNo.1(トップレベル等)であることを伝える。内容を限定して独自のカテゴリーを作ってでも、No.1であることを表現する。

答えの本文には出来るだけ関連キーワードを盛り込み、文章を成立させる。

答えの本文
答えの本文

ランディング後の導線

ユーザーニーズにマッチングさせたFAQでランディングさせた後は以下の情報をまとめることで、サイト内のユーザー導線を確立し、離脱を防ぐことができる。

質問のカテゴリー
答えの作成を全てのキーワードで繰り返した後、質問をカテゴリー別に分ける。 カテゴリーは質問の一覧ページとなり、ランディングや横遷移にも有効である。
関連コンテンツのリストアップ
サイト内で関連するサービスや製品紹介コンテンツへのリンクを個別にリストアップする。もし、直接エグジットへのコンバージョンが可能な場合はそのリンクも加える。
関連FAQのリストアップ
コンバージョンに役立つ更なる情報が別のFAQに存在する場合はそれらのリンクもリストアップする。

ここまで見てきた情報を全てまとめてFAQを作成する。かなりヘビーな作業だが、全ての関連ユーザーニーズからのランディングを確立するためにはとても有効な方法である。

次回は効果的なブログプロモーションについて説明する。

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