マイクロソフトとしても、こうした状況を黙って見過ごしていたわけではありません。多くのWebアプリケーションの開発言語/動作プラットフォームとして採用されているPHPを、Windowsの標準的なWebサーバソフトウェアIIS(Internet Information Service)上で動作させるための情報や拡張プログラムなどの提供を2007年から始めました。さらに、これを一歩進める形でWebアプリケーションソフトそのもののインストールを簡単にする仕組みの提供を開始しました。これがWeb PI(Web プラットフォーム インストーラー)です。
Web PIはOSSのインストールだけに特化したものではなく、もともとはVisual Web DeveloperやSQL Server、.NET Frameworkなど、マイクロソフトのWeb環境を構築するためのソフトウェアを簡単にインストール/バージョンアップするための仕組みです。2009年にリリースされたWeb PI 2.0から、PHPをはじめOSSのWebアプリケーションのインストールに対応するようになりました。
Web PIは見ておわかりの通り、GUIを使ったインストーラです。Web PIを使ってアプリケーションをインストールすると、そのソフトウェアが依存している別のソフトウェアのパッケージやインストールオプションなどもすべて適切に選ばれ、自動的にインストールされます。普通のWindowsアプリケーションのインストールとほぼ同じ感覚ですね。Web PIでインストールされたソフトウェアは、すぐに使用を始めることができるのです。
表1 Web PIの動作環境
Windows XP Professional SP2以降
Windows Server 2003 SP1以降
Windows Vista Business Edition、Ultimate Edition
Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2
Windows 7
Web PIでできること
Web PIのインストールやアプリケーション導入の実際については次回以降に詳しく説明するとして、Web PIの機能について説明しましょう。
Web PIは、Webアプリケーション ギャラリーに登録されたソフトウェアの情報をRSSフィードによって受け取り、この情報を元に動作するインストーラです。インストールするソフトウェアはマイクロソフトのWebサイト上にあり、最新バージョンを最適な形でインストールすることができます。
2010年10月現在、Web PI 日本語版でインストールできるOSS Webアプリケーションは次の4本です。