「創れる」こと。それがエンジニアの一番の強み
エンジニアの国語を担当したのはリクルートメディアテクノロジーラボの川崎先生。冒頭でまず、ご自身の経験から「エンジニアの一番の強みは“創れる”こと」、こう定義して授業を開始しました。そして、その創った「アウトプット」こそが最高のコミュニケーションであり、個人のアイデンティティにもなっていく、これからのWebを変えていける手段であると進めていきました。
アウトプットにある3つの要素:原点、発見、転機
川崎先生はアウトプットの要素には3種類あると言います。それが、原点、発見、転機です。1つ目の原点、これは川崎先生にとっては、自分のアウトプットが認められたときの「嬉しさ」です。その嬉しさがあるからこそ、今のアウトプットにも繋がっているのです。その後、自身の会社を設立し、その時に創ったプログラムを愛用するユーザが近くにいることを知ったときに「アウトプットを受け取る先が広がっていることを“発見”した」とのこと。そして、最後の転機、これは東京に出てきて書籍執筆に関わることができたことが一番の“転機”だったと言います。「今回のWebSig1日学校の副実行委員長でもある馮さんと出会い、書籍執筆につながりました。これが3つ目の“転機”です」。
百聞も一見もワンタッチに如かず
このように、アウトプット1つ1つに意味があり、その意味を知っていること、その上でアウトプットが出せることがエンジニアの強みだと川崎先生は言います。「エンジニアの強みは創れることと言いました。そのためには、新しい情報や新しい技術に対して、常にアンテナを張っていることも大事です。そして僕が好きな言葉として“百聞も一見もワンタッチに如かず”というものがあります。つまり、見たり聞いたりするだけではなく、実際に動かして試してみる、そしてそれができることがエンジニアの強みで」。
さらに「ただ試してみるのではなく、“ワンタッチ”した結果は、ブログを書いて晒しておきましょう。それが半年後、2年後、あるいはその先の未来の業務に役立つ可能性があります。その積み重ねにより、自分に必要な技術がすべて自分のブログに乗っている状態が生まれるわけです。そう、自分の知識のリファレンスになるわけですね。さらに、他の人の参考になる可能性も生まれてくるのです」と、アウトプットによる知識整理、コミュニケーションこそが、エンジニアの国語になっていると言います。
実践方法の提案
では、実際にアウトプットを出すにはどうするか、ということについて話が進みます。川崎先生が最初に伝えたのは「プロダクトファースト」という考え方。つまり、最初に動くものを作ってしまうということ。それがどんな企画書よりも(相手に自分の意志が)伝わるのです。
それらを実践するための提案として
- ① F/Bが伝わる仕組みを設計すること
- ② 持続可能な仕組みを構築すること
- ③ 毎年1つの活動テーマを作ること
の3つを挙げました。まず、F/B(フィードバック)が伝わる仕組みを設計すること、これにより周りのユーザを巻き込むことができます。あらかじめ意識しているかいないか、それによってその後の巻き込み方が変わってくるわけです。そして、そのアウトプットを持続できるようにしておくこと、つまり、一過性のもので終わらせないことも大事だといいます。そして、最後の毎年1つの活動テーマを作ることについて「僕は今、“イベント駆動型活動”と題して、毎年何か1つの活動をするように何かイベントを開催するよう、自分に課しています。なぜなら、その活動を通じてコミュニケーションを図れるからです」と、コミュニケーションにつなぐための提案を述べました。
最後に「僕達エンジニアはアウトプットで未来を創れます。そして、これからは目線を日本国内だけではなく、グローバルに向け、みんなでWebの未来を創っていきましょう」と、エンジニアならではのコメントで授業を締めくくりました。