理科展示
各クラスの授業と並行して、本校舎では理科展示と題して、未来を感じさせるさまざまな展示が行われていました。
- Ambient Visualizer
- AUG5は、常に新しい表現を追求する、さまざまなメディアのトータルプロデュース集団。今回、Microsoft Kinectをハックした、Ambient Visualizerを展示。
面白法人カヤック
- jsdo.it
- jsdo.itは、ブラウザ上でJavaScript、HTML5、CSSを書き、共有するサービスです。2011年1月、gihyo.jpとのコラボ企画がスタートする予定です。
- wonderfl build Flash online
- wonderfl build Flash onlineは、ブラウザ上でFlashが作れるサービス。Forkなどの機能を持ち、全作品を自由にアレンジできます。
- テクノ手芸いろいろ
- 2008年に結成した、かすやきょうこ・よしだともふみによるアートユニット。手芸と電子工作という異なる領域を組み合わせた作品を『テクノ手芸』と名付け、作品制作やワークショップを展開。
昼休み
昼休みはみんなでお弁当を楽しく食べました。昔ながらの教室や体育館、展示スペースなど、思い思いの場所で、1日限りの学校の昼休みを満喫しました。
算数・社会の予習(共通授業)
わからないことを明確にする
2時間目は体育館。荒井先生の共通授業は、算数・社会の予習として「わからないことは何か」「わからない部分はどこにあるのか」を明らかにすることが目的です。
まずは現代社会の「ファクト(事実)」を見直し、象徴的な動きが何を指しているのかを考えます。1つ目は「資本の集積化・巨大化」。約30年の間に起こったネットインフラの拡大は、ネット人口の増加とコスト低下を生み、ビジネス面での「客数は減るのに労働者は増加、1人当たりの収入も減少」という現象を引き起こしました。荒井先生は、国内の「数が多すぎるために企業間で収益を食い合っている」現状や「必需品を提供する大企業とクリエイティブを送出する個人の二抗対立へと進む」という将来の見通しを提示。さらに今後は、①人口が10年で大きく減少、②日本の規模的成長は少ない、③会社の数が統合されて減る(Webサイト制作の受注先も減少へ)状況になるとの説明でした。
新・4つの労働者階級
厳しい事実の一方、荒井先生は「知識や技術が分散し、専門性がタコ壺化する中では悪いことばかりではない」と主張。「教科書のある仕事はグローバル化する」状況で、改めて方向性を見直し、どんな思考が必要か考えようというのです。そこで挙げられたのが、仕事内容と面白さの関係性を図式化した「新・4つの労働者階級」図。
「発注側で ①仕組みを設計する人と④仕組み通りに働く人、納品側で ②仕組みの設計をする人と ③言われた通りに仕組みを作る人」の中で、たとえば①層はビジネスモデルの輸入だけでなく④層の能力を引き出せるようなビジネス展開を考える、②層では抜きん出る能力を持つか、海外の情報も含め常に最先端のネタを仕入れて対応する、などのヒントが語られました。
しかし、現代はこうした正解を採らない自由があるときであることも確か。尖閣諸島事件の動画流出問題におけるネットとマスコミの力の逆転現象、ネットによる個人の影響力の可能性の拡大などを例に、個人の新たな生き方やライフスタイルの再考すべきだという提案も。加えて、今は生き方や戦略の立て方で個人に大きな差がつくため、「マニュアルや王道がないのだから自由に、ニッチでいいから自分の得意分野を追求すべき。そこで自分がどんな存在かを見極め、少なくていいから評価してくれるファンを獲得することが重要」とも主張されていました。授業の最後にはキャリアパスに関わる参考書籍も紹介。
キャラを活かしたい人には、トム・ピーターズ『トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦<1>ブランド人になれ!』、自分の先を決めかねている人には、アル・ライズ『勝ち馬に乗る! やりたいことより稼げること』などがお勧めだそう。
これからは職種、そして個性を活かしていくことが重要
仕事を聞かれた際、企業名を答える人が大半の中「職種で答えるWeb業界は希有な存在。先端の業界にいる人ならではの良い傾向だと思う」と評価した荒井先生。事実をきちんと認識し、改めて自分の個性を見つけることが大切。30分でしたが、専門性が強くなる次の授業の基礎にぴったりの、密度の高い授業でした。