Microsoftが開発したブラウザ「Internet Explorer 6(以後IE6)」の使用停止とアップグレードを呼び掛けるウェブサイト『The Internet Explorer 6 Countdown』です。
MicrosoftのInternet Explorerマーケティング・ディレクターであるRoger Capriotti氏は、この『The Internet Explorer 6 Countdown』開設の目的は、「IE6の世界でのウェブブラウザシェアを1%以下にすること(シェアが1%以下ならウェブ開発者がサポートを考慮しなくて済む可能性が高まるという理由)」であるとBlogで述べています。
Microsoftから、Internet Explorer 7、Internet Explorer 8という後継のブラウザが発表されているにもかかわらず、2001年8月から提供されたIE6を、現在も利用している企業は少なくありません。とはいえ、現在では互換性やセキュリティの問題も多く、Microsoft自身もIE6を「腐った牛乳」などと表現し、最新のブラウザへのアップグレードを強く勧めています。また、日本でも内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)が、各府省庁に対して「IE6からIE8への移行を推奨する」指示を行っています。
NIKEが2011年1月4日から2月28日まで開催した、オンライン上における世界規模の駅伝レース「NIKE - RUN Fwd:」のウェブサイトです。
"THE GLOBAL EKIDEN RELAY"という副題が記されたこのウェブサイトでは、ユーザーがiPhoneアプリ「Nike+ GPS」(または「Nike+」搭載プロダクト)を使用して、まず3km以上を走って、メールで次の走者を指名します。指名された走者は72時間以内に3km以上走り、48時間以内に次の走者を指名します…これを繰り返しながら、最終日までに、何人のランナーにたすきをつなぐことができるのかを競いました。
このため『NIKE - RUN Fwd:』では、モチベーションを維持させるために、駅伝ランナーと同じ気持ちにさせるさまざまな仕組みが用意されています。メールで走者を依頼された場合、走るか断るかは自らの意思で決めることとなり、依頼を受けた場合は「必ず走りきらなければ」という責任感が生まれます。また、送信される走者の依頼メールには、今までの経緯を表現した映像へのリンクが添付されており、これを見ることで「たすきを途切れさせてはいけない」という心理が働き、走ることへのモチベーションがより高まります。
「他人の期待に応え、つながった思いを胸に走り、次につないでいく」という、駅伝ランナーを疑似体験させる仕掛けが良く考えられているこのウェブサイト。NIKEは以前から"駅伝の持つ魅力"を伝えるためのプロモーションを多数行っていますが、『NIKE - RUN Fwd:』は、その同じ文脈を持ったプロモーションを積み重ねることから誕生した、集大成とも言うべき、素晴らしい事例ではないかと思います。