日に日に厳しくなる朝晩の寒さと、それに比例して美味しくなる温かい食べ物や飲み物に、「寒いのも悪くないな」と妄想する今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた、素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。
1Click で、準備完了!
アプリ開発コンテスト「Mashup Award 9」で最優秀賞を受賞した、自動飲食店予約アプリ「1Click飲み」のウェブサイトです。
「1Click飲み」は、飲み会の参加人数を決めると、現在の位置情報から周囲の飲食店を検索して、自動的に予約が取れるというアプリです。しかも、それらをワンクリックだけで終了するという驚きのアプリです。
発想の転換とパッケージのうまさ
ワンクリックで店の予約までが完了するという簡単さにも驚くのですが、さらに驚いたのは、その独特の予約方法です。
通常、店を予約するには、予約したい日時にお店が空いているのかを"客側が確認する"のですが、「1Click飲み」では、合成音声を利用して、この"確認を店側にさせる"という発想の転換によって、予約を完了させます。
また「1Click飲み」では、店に電話をかけて人間に対応させるというプロセスを持っています。強引に制作を行えば、検索から予約完了までの流れのすべてを、人の手を介在せずに済ませることもできたはずですが、その時々の最も確実な手段を実装したことで、隙のないサービスに仕上がっています。
発想の転換とデジタルだけにこだわらない柔軟な姿勢から生み出されたこのサービスが、今回のマッシュアップアウォードで最優秀賞作品を受賞するのも当然かと思います。個人的には飲食店を予約する場合に店側にかける確認の電話が非常に面倒なので、店側の驚く反応にも期待しつつ、実際にアプリを試して見たい(2013年11月26日現在、まだApp Storeで公開されていない)と思います。
実物大のメッシ、現る!
Electronic Artsによる、「Xbox One」と「PlayStation 4」で発売されるサッカーゲーム、「EA Sports FIFA 14」のプロモーションサイト、『EA SPORTS Life Size Messi』です。
ウェブサイトで最初に表示される手と自分の手を合わせ、同じ大きさになるよう調整すると、スペインのFCバルセロナに所属している世界的なサッカー選手、リオネル・メッシが、Life Size(実物大)のアバター"LEO"となって、ブラウザの中に登場します。
驚きの進化を見せる3Dグラフィック
このリアリティのあるアバターを制作するにあたり、高解像度のメッシの写真が多数使用されていますが、特に3D スキャナを利用してのグラフィック制作過程は、非常に興味深いものがあります。
もちろん、こうした制作されたグラフィックのクオリティもさることながら、体の上にマウスカーソルを動かすと始まる、メッシのさまざまな反応も見逃せません。目を瞬きさせたり、股間を手で隠したり、つま先を地面にトントン打ち付けたり。こちらの動きも、人間臭さを感じるほどのレベルに仕上がっています。
こうしたレベルの3Dモデルが表情豊かにブラウザ上で動くとなると、これからどんなことができるのか。自分自身や有名人のモデルが登場するかなど、将来のウェブサイト上でどんなコンテンツが生まれてくるのか、いろいろな妄想が頭をよぎるウェブサイトです。
もうカードは一枚で十分
クレジットカード型の端末に複数のカード情報を読み込むことで、日常生活で持ち歩くカードをたった一枚だけにしようというサービス、「Coin」のウェブサイトです。
カード類の情報を読み取る機器をスマートフォンに差し込んで、カードの情報をアプリに登録します。Coin本体には最大8枚のカード情報を入れて持ち運べます。支払いの際は、本体の画面を見ながら利用するカードに設定を切り替えるだけでよく、ユーザーのみならず、使用される店舗側にも特別な準備がいらないのも特徴です。
来年夏には製品化されることも決まっており、すでにウェブサイトでは予約が始まっています。
サービスをまとめるサービス
特定の分野に注力して、個性的な特徴を持った多種多様のサービスが登場している現在、そのなかで自分に合ったものを自由に選べるという、ユーザーにとって非常に良い時代になってきました。その反面、複数のサービスを使うことが当たり前となり、ユーザー自身が、自分の利用するサービスの全てを見渡しながら管理することが難しくなっています。
こうした中で、複数のサービスをまとめ、一元管理するサービスが登場してきています。筆者も自分が使ったお金の管理にウェブサービスの「マネーフォワード」を使っています。このサービスも銀行口座や日々の支払いなど、複数ある入出金のルートを一本化することで、お金の流れと全体の管理を容易にしています。
この「Coin」では、複数のサービスをまとめるだけでなく、サービスで使用する物理的なカードまでも一つにしようという意欲的な試みも行っています。気軽に使用できる新しいサービスが次々と登場してくることを考えれば、サービスを管理して利便性を向上させるという、ユーザーにとってありがたいサービスが、今後さらに増加してくるのではないでしょうか。
というわけで、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それでは次回をおたのしみに。