Googleのデジタルコンテンツ配信サービスである「Google Play Music」のユーザーライブラリに保存された、1950年以降の楽曲データを元に、音楽ジャンルの移り変わりを年代ごとの面グラフで表しています。積み重なったデータ層の厚さは、その年代における音楽ジャンルの人気に対応しており、「Jazz」「Pop」「Rock」「Hip-Hop」といった音楽が、1950年以降の各年代でどのくらいの影響を持っていたかが良くわかります。
各ジャンルのデータ層をクリックすると、さらに細分化されたサブジャンルと代表的なアーティストのデータが表示されます。「Google Play Music」が提供されている地域では、表示されているアルバムのジャケットをクリックすると、そのアルバムの販売ページへと移動します(日本国内では非対応)。
『Music Timeline』は、「Google Play Music」のユーザーライブラリを利用して作られたコンテンツです。公開が可能なサービスのデータを利用するだけで、非常に興味深いコンテンツをユーザーに提供できることを証明した事例でしょう。
2014年1月現在、「Google Play Music」は、世界22カ国で提供されています。こうした大規模なサービスを運営することで得られるデータを活用できれば、サービス自体の向上だけでなく、企業やサービス、ユーザーのこれからを、より明確に予測できる可能性も高くなります。
当然、今回の『Music Timeline』には関係のない、「Google Play Music」の非公開データも大量に存在しているはずです。そうしたデータには、サービスを運営している企業だけが知り得る、さまざまな課題や問題を解決するヒントが眠っていることでしょう。もしかすると、今後生み出される新しいウェブサービスのアイデアは、こうした大量のデータのなかから生まれてくるのかもしれません。
筆者はこのウェブサイトにアクセスした時、「どこかで見たような…」と感じたのですが、『Build with Chrome』は、この連載でも2012年に紹介した事例のリニューアル版です。以前はGoogle Australia / New Zealandによる「LEGO®ブロック」50周年記念の実験的ウェブサイトでした。
『Build with Chrome』の全世界版への対応は、以前から発表されてはいましたが、こうして実際に再構築される例はそう多くありません。商品などのプロモーションで利用されるウェブサイトも多く、その性格上、どうしても短期間の運用となる例が多いのが現実ですが、じっくりと考えられ、丁寧かつ継続的なアップデートを繰り返しながら、熟成されていくウェブサイトの事例が増えていくことを期待したいと思います。