「Internet Explorer 11」デスクトップアプリケーションのサポート終了を発表したMicrosoft Windows Blogのエントリー、「The future of Internet Explorer on Windows 10 is in Microsoft Edge(Windows 10におけるInternet Explorerの未来は、Microsoft Edgeにあります)」です。
Blogのエントリーでは、「Windows 10」における「Internet Explorer」の後継ブラウザが、「Microsoft Edge」であることを宣言するとともに、互換性や生産性、セキュリティの面から「Internet Explorer 11」の利用が推奨できないこと、すでに「Microsoft Edge」が「Internet Explorer」の機能をほぼ備えていることから、「Internet Explorer 11」デスクトップアプリケーションを、2022年6月15日でサポート終了することを発表しています。
現在「Internet Explorer 11」でしか閲覧できないウェブサイトも、「Microsoft Edge」の「IE mode」で穴埋めできるとしています。この「IE mode」は少なくとも2029年までサポートの対象となることが発表されています。
Microsoftが2015年に提供を始めた「Windows 10」からは、「Microsoft Edge」が標準ブラウザです。「Internet Explorer 11」は開発が終了しており、現在は緊急の不具合やセキュリティ問題への修正が行われているだけです。
新たなWeb技術が登場している現在、「Internet Explorer 11」で不具合を感じるウェブサイトは増加しています。ウェブサービスでもサポート対象から除外され始めており、動画配信サイトのYouTubeも、今年に入ってからサポートを終了しています。
日本国内の自治体や企業の中には、「Internet Explorer」だけで動作するシステムの利用も多いです。「Windows 10」で最も長いサポート期間(2029年1月9日まで)が保証されている「Windows 10 2019 LTSC」もありますが、医療機器などの特定用途での使用に限定されています。このため実際には「Internet Explorer 11」デスクトップアプリケーションがサポート終了となる2022年6月15日までの対応が必要でしょう。
今回のBlogのエントリーでは、冒頭に「For our readers in Japan and Korea, please use these links:(日本と韓国の読者は、次のリンクを使用してください)」と発表内容の日本語版と韓国語版が用意されています。これは2021年でも「Internet Explorer」の利用率が高い、日本への明確なメッセージと受け取って良いでしょう。
「Internet Explorer 11」のサポート終了というMicrosoftの発表は、人口減少が進む日本社会のなかで、時代に合わせた効率的なシステムを導入できない企業はもう生き残れないことを浮き彫りにする最後通牒なのかもしれません。