コピーライティングは、サイトパフォーマンスを大きく左右する作業要素の一つです。
書店で本を選ぶとき、棚の橋から順に中身をチェックしていく人はそう多くはいないでしょう。大半の人は、本のタイトルやオビに書かれたキャッチフレーズを見て、何か感じたものだけを手に取る筈です。
Webのユーザーも、外部で見たページタイトルやアンカーテキストを判断材料にしてそのページを訪問するか否かを決め、ページに訪問した後は冒頭の概要文や個々の見出しを流し読みして、本文を読むか否かを決める傾向があります。つまり、コピーのでき映え次第で、サイトのアクセス数やページの定着率が大きく変化する訳です。
「コピーライティング」というと、どうしてもフレーズの美しさを追求することに意識を向けがちですが、まずは、説明の"目次"としてきちんと機能させる、ユーザーの好奇心をくすぐるといった、本文を読ませるための工夫に注力しましょう。
見出しは具体的に書く
単に説明を項目分けしただけの"ラベル"のような見出しでは、説明の目次としてうまく機能しません。並んでいる見出しを読むだけで説明の概要が伝わるような、具体的なコピーを書いておきましょう。
なお、コンテンツの種類によっては、各ページの見出し名を揃えておく方が、ユーザビリティの面で優れている場合もあります。そういった書式を用いる場合でも、サブコピーを併記して補足できないか検討してみましょう。
易しい言葉で書く
コピーは字数の少ないパーツであり、意味のわからない言葉が少しでも混ざると、文意を酌み取るのが極端に難しくなります。記事本文のように注釈をつけるのも無理があるので、ターゲットユーザーが確実に理解できる言葉だけを使って書くようにしましょう。
並べたときに区別がつくように
項目がいくつか並ぶとき、それぞれの違いが見えにくいコピーを付けてしまうと、ユーザーをひどく混乱させます。個々の項目の違いがはっきりわかるように言葉を選びましょう。
ページタイトルはユニークに
検索結果の一覧などでページタイトルが並んだとき、よそのサイトと同じようなコピーでは、ユーザーの注目を集めることはできません。少しでも目立つように、ユニーク(独特)なコピーにすることを心がけましょう。
提供できる"得"をしっかり伝える
人は何よりも"得"をしそうなことに魅力を感じます。ユーザーに対して提供できる"得"はハッキリとした言葉でコピーに入れておきましょう。また、語気を強める、感嘆符を用いるなどして、不自然にならない程度にその"得"を強調しておきましょう。
"呼びかけ効果"を活用する
人は誰かに呼びかけられたとき、反射的に「聞かなければ」という意識が働きます。また、「自分より詳しそうな相手」から呼びかけれたとき、「何か良いこと」が用意されているに違いないという期待を抱きます。こうしたことから"呼びかけ形"のコピーには強い集客効果があります。
- 【例】
- 「プロが教える資産運用術」
→「知りたくありませんか?プロの資産運用術」
"否定"のインパクトを上手く使う
人は「自分より詳しそうな相手」に、自分自身のことや自分が常識だと思っていることを否定されると、「なぜ?」「どうして?」「どうすればいいの?」という不安を抱かずにはいられなくなります。こうしたことから"否定形"のコピーには、ユーザーに強い関心を抱かせる力があります。
- 【例】
- 「これが新時代の商品管理」
→「これまでの商品管理は間違いだった!」
なかなかまとまらないときには?
少ない言葉で思ったことを伝えるのは難しいものです。いきなり短いコピーを考えるのではなく、まずは言いたいことを全て含んだ短文を書いておき、そこから徐々に縮めていくようにしましょう。少なくとも本文の内容との"ズレ"は無くなるはずです。
【例】
- 「専門医が指導を担当するので、絶対に禁煙できるプログラム」
↓圧縮
「専門医指導の絶対禁煙プログラム」
また、Webでは、ページの冒頭の一番目立つ箇所に、数十字のサマリー(概要文)を置く手法がよく使われます。そのページで説明する内容を簡潔にまとめなければならないため、悩んでしまうことの多いパーツですが、どうしてもうまい説明が浮かばない時はページ内の見出しをつなげて文章化してみましょう。
優れたコピーから学ぼう
コピーは説明の概要を先に示すだけでなく、説明の印象までを左右するパーツです。ユーザーをしっかり魅了するには、やはりそれなりの表現力が欠かせません。こればかりはすぐに身に付くものではありませんが、グッと来るコピー、美しいコピーを見かけたとき、すぐにメモを取る習慣をつけておくと上達を早めることができるでしょう。市販されているコピー集を読むだけでもかなりの勉強になるので、何冊か手元に置いておくと良いかも知れません。