ZenphotoでかんたんWebギャラリー

第4回複数ユーザーで管理する

ZenphotoはCMSです。CMSといえば、利用する上で「何を」⁠どのように」管理すれば良いかを念頭に置くことが肝心であり、前回までは「アルバムの公開」「作品の保護」のやり方について紹介してきました。

そして、CMSにとっては「誰が」管理するかというのも重要な要素の一つです。Zenphotoは様々な種類のユーザーを作成する機能を備えており、今回は「固有のアルバムを管理出来るユーザー」をテーマに、Zenphotoにおけるユーザー管理について紹介します。

ユーザーの追加

まずはインストール時に作成したマスターアカウント以外の新たなユーザーを追加するため、管理画面の「ユーザー」タブから、⁠新規ユーザの追加」をクリックします。

図1 ユーザーアカウントの管理ページ
図1 ユーザーアカウントの管理ページ

新規ユーザの追加フィールドを展開して、氏名やパスワードなどのユーザ情報を入力するとともに、そのユーザーの「権限」を設定する必要があります。ここでは新規ユーザー名を「tomooka67」としました(記事で掲載していた写真作品の作者です⁠⁠。

図2 新規ユーザ情報の入力と権限の設定
図2 新規ユーザ情報の入力と権限の設定

権限の各項目は、主に管理画面にログインしたときにそのユーザが何をできるのかを示すものです。各権限の組み合わせは、おおよそ以下の3パターンを意図するものになります。

  • パスワード保護されたギャラリーを閲覧できる
  • 作成者としてアルバム、画像の投稿ができる
  • 管理者としてギャラリーの管理ができる

パスワード保護されたギャラリーの閲覧のみを目的としたユーザーであれば、デフォルトで選択されている権限のまま「適用」ボタンを押せばユーザーの追加は完了です。

また、管理者と同等の権限を持つアカウントにしたい場合は、インストール時に作成したマスターアカウントの権限設定を参考にすると良いでしょう。

今回は各ユーザーがそれぞれ「作成者としてアルバム、画像の投稿ができる」ようにするために、デフォルトの権限設定に加えて、⁠アップロード」「アルバム」の権限を有効化します。そして次に、専用アルバムの設定をする必要があります。

ユーザー専用アルバムの設定

各ユーザーにそれぞれ個別にアルバムを管理させるためには、権限設定の他に「管理しているアルバム」を登録する必要があります。それにより、ユーザーは登録された「管理しているアルバム」のフォルダ内に、自由にサブアルバムが作成できるようになります。

新規アルバム作成からユーザーディレクトリとして分かりやすいようにユーザ名と同じ「tomooka67」というアルバムを作り、もう一度ユーザー管理画面から「管理しているアルバム」をクリックしてみます。

図3 管理しているアルバムの項
図3 管理しているアルバムの項
図4 ⁠管理しているアルバム」を展開して選択
図4 「管理しているアルバム」を展開して選択

先に作成しておいた「tomooka67」が一覧に表示されていますので、チェックボックスをオンにして再び「適用」ボタンを押します。これで、追加したユーザーは自分専用のアルバムを管理できるようになります。

ここで、複数ユーザーの例として同様の手順でアカウントを「wakamatsu67」も作成してみました。

ユーザー毎にサブアルバムを管理

それでは実際に、新規作成したユーザー同士でアルバムの投稿を行ってみます。

新規ユーザー「tomooka67」で管理画面にログインをすると、マスターアカウントとはメニューのタブの数が違うことがわかります。このように管理画面では、ログインしたユーザーの権限にあわせて、許可されている機能を表示するようになっています。

図5 制限ユーザーの管理画面トップ
図5 制限ユーザーの管理画面トップ

「アップロード」タブを選ぶと、⁠アップロード先」は前項で設定した「管理しているアルバム」が既に選択されている状態になっています。ここから新規アルバムの作成を行うと、すべてのアルバムは「http://<アップロードしたフォルダ>/Zenphoto/<管理しているアルバム>/」以下のフォルダとして公開されます。

図6 新規アルバムの作成
図6 新規アルバムの作成

例えば前回までの形に合わせて、⁠flowers」のアルバムを新規作成してアップロードを行うと、今までは、

http://<アップロードしたフォルダ>/Zenphoto/flowers/

というURLで公開されていましたが、1ユーザーのアルバムとしてアップロードしたため、以下のURLで公開されることになります。

http://<アップロードしたフォルダ>/Zenphoto/tomooka67/flowers/

ユーザー専用アルバム以下に公開される各アルバムのことを「サブアルバム」と呼び、⁠アルバム」タブの中のユーザー専用アルバムを選択後、⁠サブアルバム」タブから一覧の確認・編集することが可能です。

図7 ⁠tomooka67」のサブアルバムの管理画面
図7 「tomooka67」のサブアルバムの管理画面

もう一つの新規ユーザー「wakamatsu67」でも固有のアルバムをアップロードしました。各ユーザーは自らの管理下のアルバムのみ管理画面で閲覧・編集をすることができます。

図8 ⁠wakamatsu67」のサブアルバムの管理画面
図8 「wakamatsu67」のサブアルバムの管理画面

これで1つのギャラリーに2人のユーザーがそれぞれアルバムを公開していることになり、ギャラリートップではまずユーザー一覧が表示されるようになります。

図9 複数ユーザーのアルバムがあるギャラリートップ
図9 複数ユーザーのアルバムがあるギャラリートップ

ユーザー毎に独立して使うことができないアクション

各ユーザーの権限設定は個別に設定することができますので、マスターアカウントの管理者は、必要に応じてユーザー毎に権限レベルを調整することになります。しかし、以下のアクションは権限設定をどのように変更しても、ユーザー毎に独立して行うことはできないので注意が必要です。

  • 「http://<アップロードしたフォルダ>/Zenphoto/」フォルダ直下にアルバムを作成する
  • タグを作成・編集する
  • ギャラリーのオプションを設定する

これらのアクションはそれぞれ管理者レベルの権限が必要になり、ギャラリー内ですべて共通のアクションになります。アクションを行うと、ギャラリー内及び全ユーザー間に対してその効果が適用されます。権限設定の組み合わせは多数あります。色々なパターンを試して、最適なユーザー設定を行ってください。

いかがでしたでしょうか。今回までで、Zenphotoの基本的な機能の紹介は終了です。次回からは標準仕様からのカスタマイズを行うことでギャラリーにオリジナリティを演出する方法を紹介する予定です。

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