WIRED誌の共同創始者Kevin Kelly氏によるエッセイの翻訳です。
要約すると、ネット上にあるものは基本的にコピーが可能であり、コピーが大量に出回るとその価値がだんだんとなくなってしまい、代わりにコピーできないものが価値のあるものになっていくと述べています。
そしてコピーできない価値とは何かを突き詰めていき、それを「生成力」と名づけ8つのカテゴリーに分類しました。8つの生成力は「即時性」「個人化」「解釈」「信憑性」「アクセスしやすいこと」「具体化」「後援」「見つけやすいこと」で、各々について詳しい説明がなされています。たとえば、「即時性」については映画の初日やソフトのベータ版などに価値があるようにコピー元が生まれた瞬間にコピーを手に入れることが価値に結びつき、「解釈」ではRed HatやApacheのようにソフトではなくサポートやマニュアルなどに価値を置くことである、と解説しています。
私はこの記事を読んだとき「学習の高速道路」を連想しました。Kevin Kelly氏が挙げたコピーできない価値はネット上で流通する情報やメディアを主に対象としていますが、「技術者として他と比べてどう差別化するか」という点においていくらか参考になる点があるかと思います。誰よりも早く情報をキャッチアップできたり、誰にとってもわかりやすい説明や文書化ができたりする人は重宝されることでしょう。
翻訳が載っているサイトでは、創作者がロングテール時代をどう切り抜けていくかについて語った「千人の忠実なファン」、多くの分野がチューリング化されていることを述べた「チューリング化」など、いくつかのKevin Kelly氏の翻訳が掲載されています。
URL:http://memo7.sblo.jp/article/12121626.html