元記事のタイトルは「htmlspecialchars: 問題を解決するにはどうすればよいか案」で、日本人が海外のオープンソースのバグをレポートする際の心構えや伝え方について参考になる記事です。
そもそもの発端は、&、>などの文字をHTMLエンティティに変換するPHPの関数htmlspecialcharsが問題を抱えていたことにあります。引数に文字エンコーディングを指定できるのですが、冗長なUTF-8表現やShift_JIS、EUC-JPといった日本語のエンコーディングの際に妥当性チェックが甘く、XSS(クロスサイトスクリプティング)の危険性があることが発覚しました。それを問題に感じた有志が修正パッチとともにバグレポートを送ったのですが、十分に伝わらなかったのか却下されてしまいました。このバグは日本語特有の問題が含まれていることから、海外の人には重大さや問題そのものが伝わりにくいという障壁があります。
このバグが受け入れてもらうにはどうすればよいか、いろいろな人が知恵を出し合っています。日々大量のバグレポートに対応しているPHPコミッタの立場を考えると、問題の詳細を丁寧に説明しなければ見過ごされてしまう恐れがあることや、日本語で書かれたページのURLをリンクしてもおそらく見てくれないだろうといった懸念、IRC(Internet Relay Chat)などで直接コミュニケーションをとると話が早く進むのではないかという案など、オープンソースのコミュニティに関わっていくにあたって心にとめておくべき事項がたくさん挙げられています。
英語の壁も存在しますが、記事では「グローバルなハッカーコミュニティなんて大した英語力は期待していないのでどんどんコミュニティに参加すべき」と、日本人の積極的な活動を推しています。
ちなみにこのバグは、現在は日本人のPHPコミッタによりパッチが取り込まれ、無事解決済みです。
URL:http://d.hatena.ne.jp/atsushieno/20091009/p1