NAIST(奈良先端科学技術大学院大学)にて助教を務める小町守さんによるブログ記事です。ヤフー(株)を退職した技術者のブログ記事について考察し、ヤフーだけでなく多くの大企業が陥っている官僚的性質について言及しています。
退職した技術者のブログ記事では、ヤフーの体制について「目標制度や複雑な手続きが成長を鈍化させている」「社員への待遇を節約することで優秀な人材が流出してしまっている」など多くの指摘をしています。小町氏は過去にヤフーにて仕事をした経験があるため、これらの事実に驚くことなく「ヤフーはコテコテの日本企業」であることを認めながらも、個人的には賃金的にも環境的にもそれほど悪い印象を受けていないと述べています。
そして書籍『人間を幸福にしない日本というシステム』(毎日新聞社)を取り上げ、優秀な人材もいまだ多くいるヤフーがうまく力を発揮できずに「官僚主義」「大企業病」に陥っているのは、中の人が「これは自分のせいじゃないから仕方がない」と思ってしまい、現状を変えようと思わず中でだらだらと過ごすか退職してしまうかの二者択一になってしまっているのではないか、と仮説を立てています。ヤフーに限った話ではないと思いますが、エンジニアの待遇があまり良くないことを事実としたうえで、上層部に責任転嫁し不平不満を言うだけでなくエンジニアの側からやれることもあるのではないか、と投げかけています。
URL:http://d.hatena.ne.jp/mamoruk/20101030/p1