iOSおよびMac OS X用のGmailクライアントとして人気のSparrow(図)がGoogleに買収されました。Googleの狙いは製品ではなく人材の獲得だろうということで各所で話題になっています。
iOSアプリを開発するSelligyのCEOであるNilay Patel氏は、ブログで「Appleは優秀なアプリ開発者が買収されずに済むよう対策をとるべき」と主張しています。AppleのビジネスはSparrowのような卓越したアプリに依存している部分がありますが、そうしたアプリは開発にもメンテナンスにも多くのコストがかかるため、開発者が買収元の給与以上に稼げるよう(買収されるという選択をせずに済むよう)手を尽くすべきだ、とのことです。
Appleがとるべき策として、Patel氏が提案するのは「開発者が月額・年額での利用料を課金できるようにする」ことと「広告キャンペーンの効果をトラッキングできるようにする」の2つです。
現在のAppStoreではユーザが実際にアプリに触れる前に一度しか課金できないため、必然的にコストから逆算した価格設定ではなく、ユーザが逃げ出さない低価格なものを設定せざるを得ません。アプリの種別によってはアプリ内課金でコストを回収することもできますが、Sparrowのような実用アプリの場合は、EvernoteやDropboxのように定期的に利用料を課金する方式のほうがユーザからは自然に見えるのではないか、というのが1つ目の提案です。
2つ目の提案は、広告キャンペーンに10,000ドルを費やすのとTechCrunchに製品の記事が掲載されるのと、どちらがよりダウンロード数に貢献するのかを確実に把握できるようなデータを提供してほしい、ということです。これは広告予算が限られた独立系の開発者にとっては特に重要なポイントだそうです。
Appleがどのようなアクションを起こすのかはわかりませんが、すばらしいアプリの開発者にはそれに見合った利益が還元されるようなしくみの登場に期待したいところです。
URL:http://blog.selligy.com/post/27652044305/apple-help-the-best-app-developers-not-get
- 著者プロフィール
安藤祐介(あんどうゆうすけ)
数年間米国でのアフィリエイトサービスの開発に参加後、帰国。下北沢オープンソースCafeに出没しつつRedmineをCakePHPに移植するCandyCaneなどのオープンソース活動に従事。
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小倉純也(おぐらじゅんや)
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マクラケン直子(まくらけんなおこ)
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溝畑考史(みぞはたたかし)
米国New York在住、Social mediaな米国startupでFrontend engineerをしています。趣味はマラソンを走ること。最近は画像最適化ツールのsmush.pyをgithubにて開発中。
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