Future of Appsが提案する スマートフォンアプリ開発の新しいカタチ

スマートフォンを利用して自社をPRしたい企業と、スマートフォンアプリの開発に自信を持つアプリ開発会社。双方のニーズをマッチングするサービスとして注目を集めているのがFuture of Appsです。その魅力について、Future of Appsを運営するベストクリエイトサービスの取締役 事業企画担当の中塚薫氏にお話を伺いました。

Future of Appsのトップページ
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Future of Appsのポイント

  • スマートフォン向けアプリの開発を依頼したい企業と、アプリを開発できる企業をマッチング
  • アプリ開発会社は、自分たちで営業せずに大手企業からアプリ開発を受託するチャンス
  • ⁠人⁠が介在するため、発注企業もアプリ開発会社も安心して利用可能
  • どの企画に応募するか、アプリ開発会社自身が選択できる
  • アプリ開発会社はリスクを背負わずに経験と実績を積める上、開発スキルも伸ばせる

大手企業とタイアップしてアプリを開発するチャンスを提供

―― Future of Appsとは、どういったサービスなのでしょうか?

スマートフォンがブームになったことで、たとえばアプリを使って自社の製品をアピールしたいといった企業が増えています。ただ、自分たちでは開発できないということになると、当然外部に開発を委託しなければなりません。そういったアプリ開発を依頼したい企業と、アプリを開発できる企業を結び付けるのがFuture of Appsというサービスです。

ただ、ひとくちにアプリの開発を委託するといっても、多くの企業にとってはやっぱり面倒な作業なんですね。たとえば4社くらいに企画書と見積りを出してもらい、それを見比べて最終的に発注先を決定するというケースは多いと思います。ただ、それぞれの企画書を見比べ、さらに値段を吟味した上で最適な開発会社を選ぶというのは容易ではありません。また、そもそも見積りを出してもらうには、どういったアプリを開発してもらうのかを明確にする必要がありますが、それも経験のない人たちにとっては、かなり大変な作業なんですね。

中塚 薫氏
 中塚 薫氏

そこでFuture of Appsでは、予算と大まかなテーマだけを決めてもらい、それを元に開発会社が企画を自分たちで立案して提案するという形にしています。すでに予算は決まっているので、後は企画の内容だけを見て判断すればよいというわけで、シンプルにアプリの開発を発注できるという仕組みになっているのが特長です。

―― アプリを開発する企業には、どういったメリットがあるのでしょうか?

アプリの開発を発注してくれるクライアントを自分たちで見つけ出すことなく、アプリ開発を受託できる点ですね。実際にアプリを開発している企業には、優れた能力を備えたエンジニアを抱えているところがたくさんあります。ただ、受注につなげるためには、自分たちの能力をプロモーションして知ってもらわなければなりません。これが大変なんですね。

そういう意味で、アプリの開発会社の世界というのは芸能界や音楽業界に似ている部分があるのではないかと考えています。1度売れてしまえば営業しなくても外から仕事が舞い込んでくるのかもしれませんが、売れるためにはプロモーションをしなければならない。しかし営業力がないため、自分たちの実力をなかなか外に認めてもらうことができないというわけです。

そこで我々が提供するのが、アプリ開発を発注したいと考えている企業との接点です。提示された予算と大まかなテーマをもとに、自分たちならどういったアプリを開発できるかを企画書にまとめ、それが受け入れられれば開発を受注できるという流れになります。つまり、営業をすることなくアプリ開発を受託できることが、アプリ開発会社から見た場合のFuture of Appsのメリットになります。

サービス利用の流れ
サービス利用の流れ
―― アプリの開発を依頼し、それを自社ブランドで提供したいといった企業は増えているのでしょうか?

これだけ世の中でスマートフォンが騒がれていることもあり、iPhoneやAndroid端末向けのアプリを開発してほしいという企業は増えています。ただ、老舗と言われるような大手企業であればあるほど、新しいものにチャレンジするという決断を下しにくい。その理由を考えてみると、やはりわかっていないのが大きいんじゃないかと思うんですね。興味はあるけれど、そもそもアプリ開発会社を知らないし、発注や見積もりの依頼の仕方も分からないから発注に二の足を踏んでいる、というような状況ではないでしょうか。

あの人材サービス提供企業もFuture of Appsを活用

―― そもそも、どういったきっかけでFuture of Appsは生まれたのでしょうか?

実は過去に、同じ「Future of Apps」という名前でイベントを開催しました。そのイベントは、ノージャンルで募集した企画書から面白いものを選び、協賛企業が1企画につき最大で1000万円を投資するという内容でした。実際に約300本もの企画が集まり、それを協賛会社が審査して合格者に開発支援を実施しました。

このイベントを実施したところ、当時の主催者であったベストクリエイトについて『スマートフォン向けのアプリを開発できる会社』と誤解されるケースが少なくありませんでした。確かに我々もスマートフォンアプリの開発に携わっていますが、あくまでも開発の場を提供しているに過ぎません。ただ、当社が開発を請け負うというイメージをお持ちの企業からアプリを開発してほしいとか、あるいはどういったアプリを作ればいいのかといったご相談を受けることが多くなり、これは新たなビジネスとして発展性があると確信し、Future of Appsを立ち上げました。

―― これまで、Future of Appsではどういった案件に対応してきたのでしょうか。具体的な事例があれば教えてください。

このサービスを提供することになって、初めて依頼を受けたのが人材サービスを展開している毎日コミュニケーションズ様でした。新社会人向けのスマートフォン用アプリの提供を検討されていたのですが、なかなかこれといった企画が出ないということで、我々にご相談をいただいたわけです。

そこでFuture of Appsで『新社会人向けのアプリで、予算は300万円』という条件で企画書を募集したところ、約300社から応募がありました。そこでまず一次審査を実施して4社に絞り込み、実際に毎日コミュニケーションズ様に対してプレゼンテーションを行っていただきました。それで最終的に1社に決まり、開発が進められたのが「名刺の達人」というアプリです。

このアプリがよかったのは、アプリ内で作成した自分の名刺を他人と交換できるというだけでなく、ゲームとしても楽しめるという点ですね。このアプリを使ってほしいターゲット層を考えたとき、単に便利なだけではなくて面白味も必要ということで、この名刺の達人が最終的に採用されたというわけです。

このとき、毎日コミュニケーションズ様が仰っていたのは、こういう企画はなかなか社内では生まれないということでした。そういう意味で、発注するアプリの内容を細かく決めるのではなく、大まかなテーマだけで企画書を募集するというFuture of Appsの仕組みはよかったのかなと考えています。またアプリの開発会社の方々にとっても、単にコストだけで発注先を決められてしまうのではなく、テーマに沿って考えた自分たち自身の企画の善し悪しによって受注できるかどうかが決まるというのは、納得感があるのではないでしょうか。

「名刺の達人」の画面
「名刺の達人」の画面

人が介在することがFuture of Appsの特長

―― 同様のマッチングサービスと比べた場合、アプリ開発会社にとってFuture of Appsにはどういったメリットがあるのでしょうか?

単にシステム的にマッチングするというだけでなく、そこに人が介在するというのが大きな違いだと考えています。

確かに同様のサービスを提供しているマッチングサイトはありますが、基本的にWebサイト上でのやり取りだけで終わるようなサービスが多いのではないかと思います。単に企画書を提出し、それが採用されればメールで連絡を受けるというような形ですね。ただ、それでは相手の顔が見えないですし不安ですよね。それに発注側が希望する内容を精査するプロセスもないため、実際に企画書を送って採用されたのに、やっぱりアプリの内容を変えたいといったことも起こりえるのではないでしょうか。

Future of Appsの場合、アプリを開発したいので企画書を募集したいとお声がけいただくと、まずその企業に実際に伺います。その上でFuture of Appsのご説明をさせていただき、予算や募集するテーマについてもお話させていただきます。そうした打ち合わせを行った上で、Webサイト上で募集を開始するという流れです。この点が評価されているため、大手企業にもFuture of Appsが使われているわけです。

そして企画が集まった後は実際に選考を行い、何社かに絞り込んだ上で発注側の企業に対してプレゼンを実施していただくという流れになるのですが、その際はアプリ開発会社の方を我々がサポートいたします。具体的には、どういった点が評価されて選考に残ったのか、企画書のどの部分をアピールすべきか、などといったことをお話させていただくわけです。こういった支援を行っている点は、Future of Appsとそのほかのサービスの大きな違いであると認識しています。

―― 通りやすい企画を作るためのコツはあるのでしょうか?

クライアントのニーズを読み取り、それを企画に反映できているかがポイントになると思います。

一流といった場合、その定義は人によってそれぞれだと思いますが、私が考える一流のプロというのは、クライアントやファンなど、ユーザーのニーズを汲み取ることができる人だと考えているんですね。その意味で、やはりよい企画書というのはクライアントである発注企業のニーズを汲み取り、それと実際にアプリを使うユーザーのニーズを結び付けたものになっているのではないかと思います。

企画書の中には、自分たちの強みを前面に押し出したアプリを提案するというものもあります。確かに、それはアプリ単体として見れば面白いのかもしれませんが、発注企業のニーズと合っていなければ採用されません。技術力があれば、企画が面白ければ採用されるというわけではなく、やはり発注企業のニーズを汲み取れているかどうかが重要ですね。

―― どういった開発会社の方へ参加していただきたいとお考えですか。

Future of Appsは募集内容を見て、自分が強みを発揮できそうだという募集に対してだけ企画書を送付できるという仕組みになっているので、⁠こういったジャンルが強い開発会社に応募してほしい』というのはないですね。

ただ、1つ理解していただきたいのは受託開発であるという点です。受託というとつまらないというイメージを持たれるかもしれませんが、アプリ発注元の大手企業とタイアップして開発することによって、たとえばエンジニアのスキルを伸ばせたり、そのアプリを開発したことをプロモーションに使ったりといったことができます。こうした全体のモデルや、開発することによって得られるメリットを理解していただける方に登録していただけると嬉しいですね。

Future of Apps
URL:http://www.foaups.com/

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