Project Wonderlandとは?
コンセプトは3D仮想共同環境
Krishna氏(以降K):
Project Wonderlandは、エンタープライズを意識したビジネス用途/企業向けの3Dコラボレーション環境です。会議を開いたり、実際にデモを行うなど、バーチャルでリアルな“共同作業”を行える場を目指しています。
技術的背景―LG3Dをベースに
K:
Wonderlandの技術構成として、バックエンドのインフラ、音声ブリッジを担う「Project Darkstar」、その上で動くメインのインフラ、インターフェースとなる「Project Wonderland」、Wonderland上で実行するアプリケーションとして「MPK20」などのアプリケーションから成ります。
サーバ/クライアント環境とも、対応OSはSolaris、Linux、Windows、Mac OS Xと主要なものに対応しています。各OS向けのバイナリビルドが配布されており、すぐに導入できます。
OSSの強みを活かして
K:また、Wonderlandは(現時点で)音声ブリッジ以外はOSSとして提供されており、開発者自身でカスタマイズすることが可能です。Wonderland上のアプリケーションについては、たとえばOpenOffice.orgやFirefoxなどのアプリケーションだけではなく、RDPのセッションを通じてWindowsアプリケーションを動かすことが可能です。
戦略的な狙い
SecondLifeとの比較
Stephanie氏(以下S):
よくSecondLifeとの比較をされます。実際、世の中の動きとして仮想空間への意識が高まっており、その1つとしてSecondLifeが存在しています。Sunの展開は、Project Wonderlandという技術を持って、仮想空間を意識した戦略を考えています。
エンタープライズを狙って
S:現在のターゲットは、企業ユースで、事業開発ビジネスやトレーニング、小売業などの業界の他、教育機関や大学といった分野で利用されることを目指しています。
SecondLifeと大きく異なるのは、消費者市場だけではなく、それを含めたコミュニティを形成していくことを目指している点です。
ソリューション/サブスクリプション
S:今後のビジネスモデルは、大きく2つの展開を考えています。1つは、サーバ/クライアントを含めたすべてのインフラを購入していただき、Sunがサポートを行うソリューション型モデル、もう1つはホスティングを利用したサブスクリプション型モデルです。
今後の展望
JavaFXの活用、さまざまなインターフェースの利用
K:今後は、現在Sunが開発しているJavaFXの技術も取り込んでいく予定です。とくにJavaFXが持っている3D描画の機能を活用したいと思っています。
また、使用するインターフェースについてもPCだけではなく、たとえばWiiのようなゲーム機やビデオカメラなど、さまざまなデバイスを通じた操作を可能にしたいです。
現在は、JInputを利用してSunSPOTとつなげることなどができます。
S:このようなマルチデバイスを意識している点は、現在存在する仮想空間技術とは大きく異なる点の1つです。これらが実現することで、たとえば、先ほどお話しした小売業などでは、あたかも商品を触ったような感覚で商品選びが行えるようになるでしょう。
日本の開発者に向けて
S:Sunは自社の技術をおもしろく、楽しく公開していきます。ぜひ皆さんにもWonderlandに触れていただき、直接体験してもらいたいです。LG3Dが好きな方であれば、Wonderlandにも必ずはまると思います。
K:Wonderlandが利用している3Dの技術はとてもエキサイティングな分野の1つです。まだまだ始まったばかりのプロジェクトですので、ぜひ皆さんに参加していただき、一緒に盛り上げていければと思います。
- Project Wonderland
- https://lg3d-wonderland.dev.java.net/