最近の当コラムで、ギークな小山さんや上鍵さんのパパとしての家庭生活を垣間見ることができて、ほのぼのとなごみました。子育てを楽しんでいる父親というのは、同世代の女性から見てとても頼もしく思います。
上鍵さんが彼のコラムの最後で述べているように、最近は週末開催のオープンソース系カンファレンスでも、カップルや子ども連れでの参加者が目立つようになりました。
エンジニアの日常生活のバックグラウンドに、普通にテクノロジーの会話が流れているのって素敵!…と感じるのは、私自身もギークの端くれだからかもしれません。
女性の立場から
私は企業の中で働くエンジニアです。データベース管理のスキルを身に付けた後、個人データを安全に扱うための認証技術に興味を持って取り組んできました。
OSSに出会ったのは1999年ごろだったような気がします。雑誌の付録のCD-ROMでLinuxサーバを立てて遊び始めました。
当時はOracle使いだったのですが、MySQLやPostgreSQLの評価の仕事をするようになり、次第にシステムの中で取り入れることが多くなりました。2003年に、WAL[1]の話が聞きたくて参加したPostgreSQLの勉強会で、PostgreSQLユーザ会というコミュニティと出会うことになります。
OSSイベントで見かける女性の姿は、昔に比べるとかなり多くなってきました。ただ、イベントへの参加をちょっとためらってしまう女性エンジニアも多いのではないでしょうか。
ネット上では、モヒカンと呼ばれる傍若無人な荒くれ者が四方八方をDISり[2]ながら闊歩する傍らで、物陰で危険な目をした少年がシュッシュッとナイフを研いでいる殺伐とした世界に見えるかもしれません。
もちろん現実にはそんなことはありません(笑)。OSS系の男性(もちろん女性も)は、非常に優しい方が多いです。
イベントで聞きたい話があれば、どんどん聞きにいっちゃいましょう!
そして、どんどん質問しちゃいましょう!
男性エンジニアへのお願い
どうか女性エンジニアを特別扱いせず、普通に接するように心がけていただければうれしいです。
Linuxに女性を招くための「べき・べからず」集[3]という古典的なマナー集があります。私は最初これはジョークサイトかと思ったのですが、大まじめなようです。普通に女性と接すれば良いだけだと思うのですが、“普通に振る舞うこと”は意外とむずかしいことなのかもしれません。
自分が無意識にやってしまいがちなことで、相手を不快にさせないためには、大人たばこ養成講座[4]のように非常にたくさんのマナーを身に付けなくてはならないのかもしれませんね(笑)
2007年のOSS
さて、本コラムのお題の「2007年のOSS」についてですが、OSSという言葉もずいぶん長生きしていますよね。
最近の私は、情報技術であるOSSそのものについてというよりは、個人や小さな企業からスタートしたサービスがOSSを基盤として利用しながら成長していく過程に注目しています。
前回のコラムの筆者、上鍵さんが所属するウノウ株式会社の写真共有サービス「フォト蔵[5]」や、その前の筆者である小山さんがスケーラビリティの研究を行っている「mixi[6]」にも、多くのOSS技術が活かされています。企業内エンジニアの立場からも、スケールアウトの手法や運用テクニックについて、のどから手が出るほど学びたいことがたくさんあります。
時代に即したサービスを提供するためにOSS技術が選択され続けていく限り、これからもOSSは発展するでしょうし、私たちの生活をより楽しく便利なものにしてくれると思っています。
私自身も、今年もOSSを利用した面白いサービスを企画しながら楽しいエンジニアライフを送るつもりです :)
最後に、宣伝ですが…
2007年3月2日に、島根県松江市のしまねOSS協議会[7]のオープンソースサロンで、loglyカレンダー[8]というサービスを提供しているログリー株式会社の吉永浩和氏と一緒に,証券とOSSとカレンダーという異種格闘技的なテーマで講演をします。
お近くの方はどうぞお気軽にご参加ください。もちろん遠方の方も、観光ついでにお立ち寄りいただければうれしいです。