JESSE:僕はさっきも言ったようにPerl 6のプロジェクトマネージャーでもあるんですけども、Larry(Wall)、Audrey(Tang)をはじめとする開発者の人には、満足いくまでPerl 6を練り上げてほしい。あわててほしくない。なぜなら、その間にもPerl 5も進化しているわけです。たとえばUNICODEサポートはものすごい強化されたし、スレッドもかなりまともに動くようになったし。CPANのサイズも、Perl 6の計画が発表されてから、倍くらいになってたりします。そういったあわてなければいけない要素は、実はPerl 5がすごい頑張ってやってるから、Perl 6には、あわてて出して後で後悔するよりも、今開発している人たちがきちっとリリースできるレベルだと満足いくまでやってほしい。Larryは「クリスマスに出す」って言っているけど、私の仕事は他の人達に「どのクリスマスだ?」っていわせないことです。
INGY:Perl 5とRubyやPythonの違いは、(仕草で)ここからこれくらいだけど、Perl 6との違いはここからこんぐらい。
DANKOGAI: 原稿にできないよ! 最初の「これくらい」は10階と11階、次の「これくらいは」10階と110階という言い換えで?
INGY:おk。
CLKAO:忘れられがちなんですけども、今のPerl 6の開発で生まれたものはPerl 5でもバックポートされているんですね。自分もデータウェアハウスとかいろんなPerl 6の機能をPerl 5でも実現するようなモジュールっていうのも書いてますし。
DANKOGAI:基本的にみんなの意見に賛成なのだけど、それでも十分なユーザー人口が確保できるかという懸念はない?
JESSE:Rubyも出て10年以上になりますが、人気が出たのはごく最近。Pythonもそうです。Haskell然り、Erlang然り[1]。言語が使われ出すのには、いずれにせよリリースから何年もかかる。
興味のある技術
DANKOGAI:最近Perl以外に関心のある技術は何?
DROLSKY:本当の意味でのリレーショナルデータベースには興味がある。The Third Manifestoという本に書いてある。
DANKOGAI:その本、後で調べて私が売る(笑)。
INGY:cogbase.orgというところで調べられるんだけど、CogBaseというものに興味があるよ。
CLKAO:Second Lifeはすごいと思います。その中で、プログラムできたり、本当の経済が発生したりっていうのはすごいおもしろいことだと思います。
DANKOGAI:でもSecond Lifeは、現実を持ち込み過ぎのような気も。
JESEE:トイレに並ばなきゃいけない、ってことはないけど(笑)。実際にいろんな情報を交換するっていうのは、21世紀に入ってからだいぶ進んだんですけれども、まだ十分その限界は極めてないと思います。どんなものをさらにやり取りするべきかっていったら、音楽とか映像とかだけではなくて、アプリケーションそのものを、ちゃんとやりとりできるようにしてほしいですね。
INGY:確かに今のコンピューティングっていうのは、まだコンピュータを意識させることが多すぎると思う。ウェアラブルコンピュータっていうのはどうなったんだっけ? こうしてMacBookを拡げないとその世界に入って行けないというのがうざく感じることもある。メガネをかけるだけで入っていけたらもっといいのに。だからあのSecond Lifeの考え方はすごくいいなと思う。