小飼弾のアルファギークに逢いたい♥

#9Pathtraq 奥 一穂(前編) サイボウズ・ラボってどうやって儲けてる?

今回、弾さんが訪れたのはサイボウズ・ラボ(株⁠⁠。お相手は、アクセスログ共有サービスPathtraq[1]外国語Webサイトを日本語化するサービスJapanize[2]の開発者、奥一穂さんです。

(左)奥一穂氏、⁠右)小飼弾氏(撮影:武田康宏)
(左)奥一穂氏、(右)(左)小飼弾氏(撮影:武田康宏)

きっかけ

弾:サイボウズ・ラボに入ったキッカケは?

奥:それまでPalmのブラウザ注3とかを中心に開発してたんですけど、Palmのシェアがどんどん減っていくような感じで。それで、新しい仕事を考えたときに、結婚して子供もいましたし、待遇もちゃんと保障してもらって、その上で良いを仕事するっていうことをやりたいと思ってました。そのときに今度ラボ作るんだよっていう話を聞いて、じゃあ、みたいな感じで。

弾:サイボウズ・ラボ創設の時からいらっしゃったんですか?

奥:正確に言うと、創設の15日後なんですけど(笑⁠⁠。

ラボの収益構造

弾:サイボウズ・ラボってどこでお金を儲けてるんでしょう。あるいはお金を儲けるということは完全に忘れてもらってかまわないというスタンスなのか。

奥:基本的には、3~5年後にビジネスになるような中長期的な形での研究開発をやってほしいという感じですね。そのためには、最初からアイデアの数を絞るんじゃなくて、好きにいろいろやらせてみるスタンスです。

長いスパンで考える仕事

弾:Webの仕事って世の中的には時間のスパンが短いものばかりじゃないですか。社内外から、もう少し短いスパンの仕事もしてくれよというような話は来るんですか?

奥:本社に研究開発をやってる部隊があるんですよ。直接製品に絡むようなことは基本的にそちらがハンドリングしているので、お互い情報交換はしていますが、これをして欲しいというような具体的な指定は基本的にないですね。

個人的な印象で言うと、Webでも長いスパンで考える仕事って結構あると思うんですよ。たとえば、自分が去年開発したJapanizeにしても、発想としては昔からあるわけです。ローカライズをみんなでやろうみたいな。ただずっとやってる人がいなくて、不特定多数によるソースコードの共有であるとか。あるいはPathtraqも、できることはみんなわかっているけども誰もやらない、あるいはやったとしても誰も成功していなかったというものなわけで。そういったものが伸びていくというのにどれくらいかかるかというと、やっぱり数年単位で考えなきゃいけないのかなって思います。

3年先のWeb

弾:その辺どの程度、先が見えてる感があるんでしょう。

奥:ある程度あるって言えばあるでしょうし、ないと言えばないんでしょうけど。たとえばJapanizeが10年後にあるかって言われたら、もう自動翻訳が発達してるかもしれないですし、ローカライズ的なことも、翻訳エンジンで面倒みるようになってるかもしれません。Pathtraqみたいなアプローチは、長期的に見るとサービスは自動化していくでしょうから、⁠いいものを拾い出すしくみ」は、必ずしもソーシャルではなくなるだろうというように思います。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧