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#9Pathtraq 奥 一穂(中編) 技術者の天国? サイボウズ・ラボの50%ルール

サイボウズ・ラボ⁠株⁠開発者の奥一穂さんへのインタビューの中編です。

50%ルール

弾:社内ではどういう開発体制なんですか?

奥一穂氏(撮影:武田康宏)
奥一穂氏(撮影:武田康宏)

奥:Pathtraqは最初は自分一人でやってて、その途中でIE版作ろうかとかカテゴリ部分作ってみたよとか、そういう形で手伝ってもらっています。

弾:それは正式に人をアサインするプロセスとかがあるわけですか? それともノリで「手伝ってあげるよ」みたいな?

奥:基本は自発的ですね。会社としては、50%は会社が言ったこと、50%は自分で決めたテーマをやってねという「50%ルール」というものがあります。

弾:いいですね。Googleなんてもんじゃないですね、50%というのは。

奥:実際に50:50になっているかって言ったら、なっていないんですよ。たとえば自分の場合、今のところ100%近く、Pathtraqに時間を割けてますし、あるいは他の人の仕事をもっと手伝うときでも、それが自分の興味かどうかが問題なわけです。自分がやりたいと思ったことをやらせてもらっていると思っていますし、そういう意味では100%なんですよね。多くの人に対してそういう環境を作れてるとしたら、いい会社なんだろうなと思いますし。だから、50%っていうのは本当建前ですね。

弾:実際に50:50になっているかとかいうチェックは入らないと。

奥:入らないし…、入れようがないですからね。

弾:結構入れようがないものを無理矢理入れたりするのが、会社という組織じゃないですか(笑⁠⁠。

奥:そうですね。そういう意味でいうと、ほとんど納期がないというのはいいところなんでしょうね。スケジュールを守るために何やるのかみたいな話が出てくると、どうしても大変になりますしね。

弾:ただその一方で、納期は人の背中を押してくれるわけですよね。私も納期がないと、仕事してたかどうか怪しいところがあるんですよね(笑⁠⁠。心の弱い人というのは、かえって大変なのかもしれないですね。

奥:サイボウズ・ラボの場合は、3ヶ月に1回、成果発表会があって本社とかグループの方がご覧になるので、そのタイミングに合わせて何をやりますか、みたいなところがありますね。

請求書書くのが嫌

奥:自分がなんでサイボウズ・ラボで仕事してるかというと、一つには安定してるっていうのもありますし、一方で自分の強みを伸ばせる、弱みはほかの人に面倒見てもらえるっていうのがあると思うんです。自分が前の会社で何が嫌だった、向いてないと思ったかって、請求書書くのが嫌だった。

小飼弾氏(撮影:武田康宏)
小飼弾氏(撮影:武田康宏)

弾:はっはっはっは(笑⁠⁠。

奥:だって、プログラムの納品は終わっているわけで、プログラマとしては仕事が終わってるわけですよね。だから請求書を書くっていうのは、余計な仕事なんですよ、コード書く側からすると。

弾:それはすごいわかります! これは実は僕もそうで、今でもたまにそういう開発の仕事が来るんですが、やっぱり請求書を書かなきゃいけない。請求書の前にまず見積書を書くのが嫌ですよね、いくらでやるのか。

奥:でもまだ見積書は腕の見せどころがあるじゃないですか。

弾:はい。もう請求書は淡々と回収…。すごい場合とかは、督促もしなければいけないし。

Pathtraqの反響

弾:Pathtraqの反響はどんな感じですか?

奥:ソーシャルブックマークはある意味コミュニケーションのためのツールなので、⁠そこに登録されているのは)外向きな顔なんですよね。でもPathtraqは自動でログを取ってるので、本当にプライベートが出てくるんですよね。それはある意味「2ちゃんねる」的な世界です。そういった中でもいいものもあるでしょうし、逆にそれらをどうフィルター定義するか、たとえば「注目のITニュース」みたいなデータもとれますし、いろんなフィルターをみんなが作っていくように徐々にしていければいいなっていう感じですね。

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