breakとcontinue
for文やwhile文の中では、ループを中断するbreakや、ループを次に進めるcontinueが使えます。これらを順に説明します。
breakの例
for文やwhile文の中でbreak文を記述すると、ループはそこで中断し、その時点でfor文やwhile文の実行が終了します。このため、for文やwhile文の継続条件式の条件に関係なくループを中断することができます。
リスト6.3は、「整数を1から順に100まで足して行き、合計が初めて1000以上になったらその時の値を表示する」というプログラムです。このプログラムでは、変数iを使ってfor文でループしていますが、ループ中で合計が1000以上になったかどうかをif文で判断し、1000以上の場合はbreak文でループを抜けるようになっています。この例のように、break文はif文と組み合わせて使うのが普通です。
このプログラムを実行すると、図6.5の実行例のとおり、45まで加えたところで合計値が1035と1000以上の値になることがわかります。
continueの例
continueを使うと、その回のループだけを中断し、次の回のループから続けることができます。
continueを使ったプログラム例をリスト6.4に示します。このプログラムは、「1から100までの整数のうち、3の倍数以外の和を求める」というプログラムです。for文中のif文で変数iの値が3で割り切れるかどうかを判断し、3で割り切れた場合はcontinue文によってその回のループは実行しなくなり、「sum += i;」の文を実行せずに飛ばして次のループに移行します。なお、for文の再設定式であるi++は、continueされた場合でも実行されます。
continue文は、if文を使ってリスト6.5のように書くこともできます。
しかし、リスト6.5のようにcontinueを使わないで書くと、「sum += i;」の部分の文のネスティングが深くなり、ソースファイル上ではインデントも多くなって少し複雑に見えます。さらにこのあとに多数の文が続く場合、その違いは顕著になります。
for文で無限ループ
前述のとおり、for文の初期設定式、継続条件式、再設定式は任意に省略可能です。そこで、これらをすべて省略すると無限ループが実現できます。
無限ループはwhile文を使っても実現できますが、while文の場合は継続条件式を省略できないため、真の値として1を使って、while (1)と書く必要があります。
無限ループでは通常、ループ中にif文とともにbreak文やreturn文などを置いて、一定の条件のもとでループを終了するようにします。
do while文もある
さらに、C言語には次のようなdo while文もあります。do while文のwhileには右側にセミコロン(;)が要るので注意してください。
for文やwhile文では、条件継続式による判定がループ内部を実行する前に行われるため、これではループが一度も実行されない可能性があります。do while文は、継続条件式の判定をループ内部の実行のあとに行います。この結果、ループ内部の文は最低1回は実行されるようになります。
do while文とwhile文とは、継続条件式による判定が行われるタイミングのみが異なります。このdo while文は、ループ内部の文を実行してみないと継続条件を判定できないようなプログラムを記述するのに使えます。
do while文の動作を図6.7に示します。
前述のsum.cまたはsum_while.cを、do whileを使って書き直すとリスト6.6のようになります。図6.8のように、実行結果もこれまでと同じです。