オモロ検索エンジン「SAGOOL」や「iza!」の開発で有名なチームラボ株式会社さんへのインタビュー中編です。
任天堂と友情・努力・勝利
――チームラボさんと言えば、受付のファミコン(写真参照)が有名だと思うんですけど、やはり任天堂が好きなんですか。
田村:任天堂というか、起業時に集まった人間がみんなファミコン世代だったので、「ファミコン」がキーワードなんですよね。トイレにもピーチ姫がいたりしますし。もちろん、任天堂という会社にも影響を受けています。
(ここで社長の猪子さんと開発部の坂下さんに交代)
――猪子さんはゲームはやりますか?
猪子:ゲームは実はもう10年くらいしてない。けど、任天堂の作っているものが好き……あれ、何か言ってることおかしいね(笑)。なんというか、任天堂が作るゲームみたいなソフトウェアを作りたいんですよ。「触っているだけで楽しい」というソフトウェア。そういうのって、なんか日本っぽいじゃないですか。
――日本っぽいというと、オタク文化はどうですか。漫画とかアニメとか。
猪子:漫画超好きなんですよね。俺『週刊少年ジャンプ』が好きなんですよ。『NARUTO』とか『ONE PIECE』とか。やっぱ「友情・努力・勝利」でしょ!
――超子供じゃないですか(笑)。どうですか? 坂下さんはそういう社長を見て。
坂下:物を作るにはチームワークはすごく大事なので、いいことだとは思うんですが、それを漫画から学ぶのはどうかと……。
猪子:はっはっはっ(笑)。
ハッカーになりたかった
――猪子さんのインタビューはほとんど読ませていただきました。田原総一郎さんのインタビューが抜群におもしろかったです。
猪子:ほんとっすか? 光栄です。じゃあ、うちに転職してください(笑)。
――(軽くスルーして)プログラムはあまり得意じゃないと聞きましたけど。
猪子:めちゃくちゃハッカーになりたかったんですけど、挫折したんですよ。論理的に整理していく能力が極めて低いみたいで。でも、アルゴリズム作るのは得意なんで、ほかの人に頼んでコードに落としてもらっています。もちろん最初から完璧なアルゴリズムができるわけじゃないですけど。
坂下:「セレクトウェア」(後述)の開発のときは、数学がわかってプログラムができる人たちで集まって猪子の話を聞いて、実際に作ってみて、ダメだったらアルゴリズム変えて、またみんなで話し合って、というのを繰り返し繰り返しやっていましたね。
サーチ&マッチ
――坂下さんは尖ったほうの人ですか?
猪子:ラボとか研究室とかみたいに分けるのはあまり好きじゃないので、会社の中での区別はそんなにないんですよ。もともと「チームラボ」だし。
――会社全体で「ラボ」だと。
猪子:そう。だから、坂下さんは……あ、俺が喋り過ぎだ。はい、続き。
坂下:私は「セレクトウェア」のマネージャをやっています。購買履歴やアクセスログなどの協調フィルタと呼ばれるエンジンや、テキストベースのコンテンツマッチエンジン、またそれらを視覚化するエンジンなどが個別の製品としてあるのですが、それらをまとめてセレクトウェアと呼んでいます。
――そういったエンジンは、やはりC言語で作っているんですか?
坂下:今のところは、ほかとの連携もあるのでJavaで作っています。
――あ、Javaなんですか。
坂下:まあ、モノや場所に合わせてですね。もちろんC言語もありますし、Pythonを使っているところもあります。
――要素技術が製品ごとに結構違うように思うんですけど、そのへんはどうですか?
猪子:要素技術は結構バラバラなんだけど、統計とか確率モデルのアプローチが基本的に多い。人工知能っぽいアプローチは好きじゃないからやらない。ただ、どの技術も大量の情報をどう扱うかみたいなものなので、対外的にはわかりやすいからサーチとかマッチって言葉を使ってるかな。