[公式]Evernote API徹底活用レシピ

第5回Androidアプリ開発の基礎知識

Androidアプリを作る

前回はJavaとRubyのサンプルコードについて解説をしました。今後は数回にわたってAndroidを例に解説しますので、今回はその準備をします。なお、筆者はMac OS Xを使用していますが、Windowsについてもなるべくフォローします。

開発環境の整備

まず、Androidの開発環境についてです。AndroidのアプリはJavaで記述しますので、JDKが必要です。Mac OS Xには標準でインストールされています。Windowsの場合はJava SEのページからインストーラをダウンロードして実行すればOKです。

JDKのダウンロードページ
JDKのダウンロードページ

次にAndroid SDKを設定します。まずはAndroid SDKのページから、使用するプラットフォームに合わせてファイルをダウンロードしてください。Mac OS Xなら、android-sdk_r11-mac_x86.zipになります。Windowsの場合はインストーラもあります。

Android SDKのダウンロードページ
Android SDKのダウンロードページ

zipファイルをダウンロードした場合は、解凍して任意の場所に置きます。筆者はホームディレクトリ内の/Users/fumi/android/android-sdk-mac_x86に置きました。Windowsの場合はC:\android\android-sdk-windowsなどで良いと思います。

Eclipseを利用する

統合開発環境はEclipseを使うことにします。Eclipse IDE for Java Developersから、お使いのプラットフォーム用のファイルを選んでダウンロードしてください。ダウンロードしたファイルを解凍して、任意の場所に置いてください。Mac OS Xでは/Applications/eclipse、Windowsではc:\eclipseに置くと良いでしょう。

Eclipseのダウンロードページ
Eclipseのダウンロードページ

/Applications/eclipse/Eclipse.app (c:\eclipse\Eclipse.exe)をダブルクリックすると、Workspaceの選択ダイアログが開くのでOKを押します。問題がなければEclipseが起動するはずです。

Eclipseの起動画面
Eclipseの起動画面

Androidプラグインのインストール

次にAndroidプラグインのインストール作業をします。メニューから"Help → Install New Software"を選択すると、ソフトウェアの追加インストール用のダイアログが起動します。

ソフトウェア追加インストールダイアログ
ソフトウェア追加インストールダイアログ

右上の"Add..."ボタンをクリックすると、Androidプラグインの入手先を追加するためのダイアログが開きます。そこで、Nameに"Android Plugin", Locationに"https://dl-ssl.google.com/android/eclipse/"と入力して、OKを押します。

Androidプラグインの入手先追加
Androidプラグインの入手先追加

成功するとDeveloper Toolsという項目が増えますので、それにチェックをしてNextボタンを押します。

Developer Toolsの選択
Developer Toolsの選択

Install DetailsダイアログでもNextをクリックします。次のReview Licensesダイアログでは"I accept the terms of the license agreements"を選択した後にFinishを押します。以上でプラグインのインストールが開始されます。途中でSecurity Warningが出ますが、OKをクリックしてください。インストールが終了したら"Restart now"を押してEclipseを再起動します。

SDKの設定

再起動後にSDKの設定をします。Mac OS X ではメニューの"Eclipse → Preferences"をクリックしてください。Windowsだと"Window → Preferences"になります。Androidを選択して、先ほどインストールしたSDKの場所をSDK Locationに入力します。筆者の場合は/Users/fumi/android/android-sdk-mac_x86になります。

SDKのディレクトリ設定
SDKのディレクトリ設定

SDKの場所を設定したら、メニューから"Window → Android SDK and AVD Manager"を選択します。"Available packages"を選択すると、右に"Android Repository"と"Third party Add-ons"が表示されますので、チェックします。

Android SDK and AVD Manager
Android SDK and AVD Manager

右下のInstall Selectedボタンをクリックすると確認用のダイアログが出ますので、"Accept All"をチェックしてInstallボタンをクリックします。これで、選択した全てのライブラリのインストールが開始されます。途中で"ADB Restart"が表示されるので、"Yes"ボタンを押してください。全部インストールし終わるには時間がかかりますが、気長に待ちましょう。

エミュレータの設定

インストールが終了したらエミュレータ (AVD: Android Virtual Device) の設定をします。Eclipseのメニューから再度"Windows → Andoid SDK and AVD Manager"を選びます。次に"Virtual devices"を選択して"New"ボタンをクリックします。

Virtual devicesダイアログ
Virtual devicesダイアログ

起動したダイアログで、使用したいエミュレータの設定を行います。ここではName に"Android233_WVGA800"、Targetに"Android 2.3.3 - API Level 10"、SD Cardに"64MB"、Skinに"Built-in Default (WVGA800)"を選択しました。Create AVDボタンをクリックすると設定完了です。

エミュレータの設定
エミュレータの設定

Virtual devicesの中にAndroid233_WVGA800が追加されているので、選択してStartを押します。

エミュレータの選択
エミュレータの選択

Launchボタンを押すと、設定したエミュレータが起動します。完全に起動するまでには数分かかります。以下の画面になれば完了です。

エミュレータ起動画面
エミュレータ起動画面

文字コードはUTF-8に

また、使用するテキストエンコーディングをUTF-8にしておきましょう。"Preferences"を開いて"General → Workspace"を選択します。左下にある"Text file encoding"のOtherから"UTF-8"を選択してOKを押します。

エンコーディング設定
エンコーディング設定

これでAndroidアプリを開発する環境が整いました。Androidアプリの開発自体に興味がある場合は、世界を目指せ!Androidアプリ開発入門という連載が別にありますので、そちらを読んで頂くと良いと思います。また、本家のAndroidデベロッパサイトなど、有益な情報が載っているウェブサイトは数多くあります。

Evernote APIの手続き

次にEvernote APIの手続きをします。Evernote APIを使うためには、APIキーを申請する必要があります。申請フォームはウェブサービスAPIのページにありますので、必要な項目を入力してください。

Evernote APIキーの申請ページ
Evernote APIキーの申請ページ

所属の部分には、ここでは個人利用ということで個人名を入力しています。もし会社のソフトウェアにEvernoteとの連携機能を組み込むという場合には、会社名を入力します。アプリケーションのタイプは、クライアントアプリケーションにします。クライアント用キーは、UserStoreによる認証用のキーです。OAuthによる認証を使用したい場合は、ウェブアプリケーションを選択します。アプリケーションの詳細には、どのようなアプリケーションを作りたいかを記入します。私が昔申請をしたときには、コマンドラインツールを作りたいという旨を書きました。

申請後、しばらくするとAPIキーとテスト環境の情報がメールで送られてきます。前回説明したように、APIキーはConsumer KeyとConsumer Secretのペアになっています。APIキーは、最初はサンドボックスサーバでのみで使えます。APIのテスト中に、実際のデータに影響するのを防ぐためです。サンドボックスサーバの機能はプロダクションサーバと同じですが、バックアップされていないなどの制約があります。プロダクションサーバでAPIキーを有効にするには、別途申請が必要になります。

本記事では、テスト用のサーバをサンドボックスサーバ、実運用のサーバをプロダクションサーバと呼んでいます。

サンドボックスサーバのアカウント設定

最後に、サンドボックスサーバのユーザーアカウントをhttps://sandbox.evernote.com/Registration.actionで作成します。これで一通りの準備が完了しました。次回はAndroidのサンプルアプリケーションについて解説する予定です。

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